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2016/02/11

「残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋」

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小野不由美原作のホラー作品の映画化。
この原作は未読。小野ホラーは後味の気持ちが悪さが苦手で、(『十二国記』シリーズは大好きなのだが)、相棒がどうしてもというので付き合いで鑑賞。
結果、案の定。
でも、無関係と思われた断片がいつしか繋がりをみせ、パズルのピースが嵌っていく過程は面白かった。
不意打ちと如何にもなお化け、カメラワークで恐怖を煽るホラー作品は苦手だけど、正攻法というのか、こんな感じならミステリ好きでホラーが苦手な人でもなんとか行けるのではないかと思えるものだった。

まぁタイトルどおりで、残された「穢(けが)れ」(=死者の怨念)が、現代に良くない影響を及ぼすというホラーの定番ではある。

引っ越してきたマンションの部屋で度々畳を擦るような音がする。不気味に思って近所に話を聞けば、その部屋の住人の回転は速く、また他の部屋でも似たような現象があったりなかったりとの噂はあるという。そこで事故物件かと問い合わせてもマンションでの事故・事件は皆無との回答。
ならばマンションが建つ以前の土地に何かあるかと調べを進めてみれば、かつての住人が曰く付きで、当時の異変がポツリポツリと判明していく。
さらに紐を手繰りよせれば出るわ繋がるわ、事の根深さに驚愕することになる。

結果、実話だという怪談を追求していくうちに自分も巻き込まれてしまいました、で終了。
オチはなんとなく想像できてはいたものの、いやな予感が的中するのはやっぱり心地が悪い。

主演の竹内結子さんが”リアリスト”なホラー作家を淡々と演じてくれるので見やすかったように思う。話を持ち込んだ女子大生役の橋本愛さんも、必要以上に怖がって見せたりしないのが良かったし、途中から絡む佐々木蔵之介さんが絶妙。

自分は2度は見ないと思うけれど、これならミステリ感覚でオススメできるホラー作品に思った。

好感度:★★★★

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コメント

ホラーというよりはミステリー色が強い作品でしたよね。
ところどころに恐怖シーンはあるものの、そんなにビクッとする感じでもなく…。

劇中はなんてことなかったのですが、
観終わってから、ちょっと音が気になるようにはなりました(苦笑)

投稿: BROOK | 2016/02/11 13:33

■BROOKさん、こんにちは
そうなんです。
ホラーというよりはミステリーでしたね。

>ちょっと音が気になる
ああ、それ、分かります。
畳はないけど、深夜、自動製氷機のガラガラって音にもびくつきましたよ(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2016/02/11 22:50

たいむさん☆
私、この映画は見てないのですが原作読んだんです~
原作も『怖くないと思えばちっとも怖くない』というスタンスで、でも『怖くなりはじめるとめっちゃ怖い』っていうところが面白かったですね☆
彼女の作品、後味悪いですか~~??
うちの娘は小学生のころから『十二国記』シリーズと『屍鬼』大好きでバイブルのようにして何百回も読んでいたので、本がもうボロッボロです(笑)
人が「恐ろしい」と感じる『もの』の方に気持ちを寄せて書いているところが私は好きです~~

投稿: ノルウェーまだ~む | 2016/02/12 11:27

■ノルウェーまだ~むさん、こんにちは
後味っていうと語弊があるかもですね~
基本、ホラーは苦手なんで。

で、私はその『屍鬼』の途中経過がダメだったんですよねぇ。そのまま途中放棄したから微妙な後味になってしまったかもしれません。
あと旦那さんの作品も感覚的に混ざってるかも。

裏を返せば・・・みたいなところは私も好感を持っていますが。

投稿: たいむ(管理人) | 2016/02/12 19:39

こんにちはー

面白そうなホラーなので楽しみにしてました。
怖さはあまりなかったんだけど、あのCGみたいに這ってくるアレをなんとかしてほしかった 笑
ああいう風にされるとちょっと興ざめ。
演出はなかなかだったので引込まれました☆

投稿: mig | 2016/02/19 12:14

あ、CGみたいに、じゃなくてCGの。の間違いです 笑

投稿: mig | 2016/02/19 12:14

■migさん、こんにちは
とくに最後のアレですか(^^;
私も、あーゆーのがないところが良いいなって思ってました。
空気とか勝手な想像で感じる恐さがやっぱ一番。
でも、うん良い感じのホラー(意味不明)でした。

投稿: たいむ(管理人) | 2016/02/23 10:30

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