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2016/02/08

「オデッセイ」みた。

The_martian

不慮の事故から火星に取り残された1人の宇宙飛行士のサバイバルと地球からの救出作戦が同時に進行するSF映画。
限りなく生還不能な絶望的なサバイバル生活が、主人公のポジティブさと行動力で描かれた、なんともユーモアに溢れたサバイバルものであり、1人の人間の救出のために世界がそれぞれの立場から尽力する清々しい感動ものであり、凄く面白かった。

自力帰還が絶対不可能な火星の地から、いくつかの幸運と知力、体力、開き直りで生還を果たした宇宙飛行士の物語。
こんなに明るくて愉快なサバイバル劇は観たことがない。
宇宙飛行士たるもの、専門分野以外の知識も人並み以上となるようあらゆる訓練を受けているんだなぁと当たり前といえば当たり前なのだかヘンなところに感心してしまった。

居住可能空間がほぼ無傷で残り、燃料や様々な機器が残っていたことが幸いして科学的なサバイバル術が駆使出来たわけだけれど、主人公:マーク・ワトニーの諦めない強い意志、不撓不屈の精神こそが全てと思う。
まったく悲壮感がないというわけではないけれどそこは推し量るのみとし、ただただ彼の成功を一緒に喜び、彼の失敗や毒付きには笑って応え、最後まで生還を信じて見守る、そんな感じ。
とにかくマットのひとり芝居が素晴らしい。「自分で手術」のシーンは痛さが伝わる迫真の演技。一緒に息を止めてしまうくらいにキツカッタ。その時点での筋骨隆々な姿が最後の衣装チェンジではすっかり痩せっぽちになっているのも印象的。

また同時進行されたワトニーの救出作戦の一進一退の模様もとても良かった。NASAの対応、そして意外な国との共同作戦、技術者たちの奮闘、若き研究員の機転、どれにも力が入った。さらにワトニーを残して火星を脱出せざるを得なかったクルーたちの作戦参加には別の意味での救済を感じで清々しく感じられた。

見どころたくさん、見ごたえたっぷり、贅沢でお腹がいっぱいになれる映画だった。
マット贔屓としては感無量。

好感度:★★★★++

もし、残されたのが彼ひとりで無かったら生還は不可能だったと思う。
孤独は最大の敵にも思うけれど、それが幸いということもあるものだ。

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コメント

ホント面白かったですよね♪
火星でのサバイバルをリアルに描いていたと思います。
NASAが協力しただけはありますね。

ワトニーの手術シーンは緊迫感あり過ぎでした。
思わず目を背けたくなりましたから…。

投稿: BROOK | 2016/02/08 12:36

■BROOKさん、こんにちは
海、砂漠、無人島、いろいろなサバイバルがあるけれど、何よりも過酷な火星でのサバイバルが一番楽しそうに見えてしまいました。

手術での呼吸、笑っちゃうくらいにリアルでしたね~

投稿: たいむ(管理人) | 2016/02/10 10:35

こんばんは。

当然、色んな分野から訓練を受けているのでしょうが、豊富な知識とひらめきと前向きさで明るく乗り気りましたねー。
ラストのラスト、グローブに穴を開ける勇気も凄い(笑)
やせ細った肉体はCGなのかな?
マットのお尻は久しぶりかも(笑)

投稿: オリーブリー | 2016/02/11 00:13

>残されたのが彼ひとりで無かったら
ここ大きいですよね。
1人だから、宇宙服もスペアが潤沢。
食料も1人だからこそ・・・そして移動も手段も。

マットの1人芝居がほんと明るくてなごみました。
思ったより、面白かったです。

投稿: mariyon | 2016/02/11 20:52

■オリーブリーさん、こんにちは
あの明るさは、生きるも死ぬも自分次第って感じの開き直りですかねぇ。全て自己責任ってことで。
それに状況はどうあれ、1人で創意工夫して、ささやかな成功でも嬉しくなっちゃう気持ち、わかる気がします。

あの、最初の爆発のチリチリは大笑いでしたが。
俄かアイアンマンも凄かったですね。あれも一種の開き直りでしょ。
確実な死と背中合わせなら1%の可能性にも掛けちゃう感じ。

投稿: たいむ(管理人) | 2016/02/11 22:43

■mariyonさん、こんにちは
まさかこんなに明るいサバイバルとは思ってなかったですし、そこは嬉しい誤算。

単純に食いぶちが増えるだけでなく、2人いれば意見の食い違いや対立など、面白くないことも必ずあるものですしね。
やりたい放題、咎めるものなし、というストレスの緩和も生存率を上げるってことだったりして。
とはいえ、メンタルの強さは尋常じゃないかな?

投稿: たいむ(管理人) | 2016/02/11 22:47

たいむさん☆
マット・デイモンのワトニーだから生き残れたってかんじでしたね!
気持ちの良い音楽も最高♪
でも自分手術のシーンだけでなく、私はメットを被るシーンを見るだけで息が苦しくなっちゃう人なので、とっても辛かったわ(苦笑)

投稿: ノルウェーまだ~む | 2016/02/22 10:07

■ノルウェーまだ~むさん、こんにちは
結局のところ、頭が良くて、体力があって、機転が利いて、手先が器用で、メンタルが強くないと生き残れないってことですね。
そういう意味で、マットのキャスィングは抜群に説得力がありました。

ほんと自分で手術はキツイですね~~
けど、昔、自分で傷口に張り付いたガーゼを取り替えた時とかあんな風になっていたのを思い出し、妙なアルアル感でちょっと笑ってしまいました。

投稿: たいむ(管理人) | 2016/02/23 10:46

こんばんは〜たいむさん、マット好きだったんですね。
いつも巧いから今回特に選ばれるって何でしょうって思ってしまった 笑
割れたメットにガムテで補強して無理でしょうって思っちゃった つっこみどころも多かったですね。

投稿: mig | 2016/02/24 00:40

■migさん、こんにちは
お返事遅くてすみません。

そうなんですよ、マット贔屓です。
彼にもいつか俳優でオスカーあげて欲しいなってくらいには思ってますが、今回は・・ですよね。

>割れたメットにガムテ
おそらくですが、たぶん処世方法としては正解のはずです。私としては、アニメでそうした描写が普通にあるので気にもなりませんでした(^^

投稿: たいむ(管理人) | 2016/03/01 14:48

こんにちは。
極限の状態にいるはずの人が、めっちゃポジティブってすごくみてて気持ちよかったです。
でも体は痩せていくのみて、やっぱりつらいよな~って思いながら見てました。
本当にマットさすがでしたね~!!!

投稿: Nakaji | 2016/04/28 14:10

■Nakajiさん、こんにちは
マットはほんと器用。
彼にもいつか男優賞でオスカーを上げたいんだけどな。

スペースサバイバル、「あり得ねぇ」なのだけど、科学的にはなんだか出来そうな気がしちゃいますね。

投稿: たいむ(管理人) | 2016/05/03 09:25

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