「バケモノの子」みた。
物語をざっくりまとめると、舞台は人間の世界と化け物の世界が並行して存在している渋谷の街。母親を突然の交通事故で亡くし、ぽっかり胸に穴をあけてしまった少年:蓮(九太)は、偶然にも必然にもバケモノの世界に迷い込み、武闘家の熊徹と出会う。そして紆余曲折のはて2人は師弟関係を結び、仲良く喧嘩しながらお互いの足りないものを補いあうかのように暮らし、いつしか8年歳月が流れていた。しかし、17歳になった九太が「蓮」に戻って人間世界へとの行き来をはじめたことで、人間とバケモノとの価値観の違いから2人の関係にヒビが入ってしまう。さらにバケモノ界での世代交代が事態をより混乱させ、人間界にまで多大な影響を及ぼすことになる…といった感じで、成長の物語であり、父と息子の絆の物語になっている。
ちゃんとグッとくるし、テーマも伝わってくるのだけど、雰囲気的には『千と千尋の神隠し』と『もののけ姫』を混ぜた感じといった印象。決して悪くはない、良いうちに入るのだけれど「無難」と感じた。
少年期は丁寧だったが青年期に入ってからバタバタし始めてしまった。その分ドラマは上っ面に流れ、アチコチでご都合主義が発動、唐突感を見せ始める。
一郎彦のことはともかく、チコの正体もまぁ良しよしても、どうしてもツッコミたいのは何故『白鯨』??
『白鯨』だけに込められたモノは解らなくはないが、せめて母親あるいは父親が好きだったとか、アニメを見ていたとか、それらしい理由の片鱗があったら良かった。どう考えても9歳から無学の少年がイキナリ手に取る本じゃない。
まぁそれはそれとして、『サマーウォーズ』での”キングカズマ”よろしく、熊徹や九太のアクションシーンは見応えがあった。宗師さまがウサギっぽいところは嬉しかったし。
「無難」に老若男女が楽しめるアニメ作品。あまりジブリ化せずに次回作も頑張って欲しい。
好感度:★★★★(オマケ)
名だたる女優・俳優の声優起用は悪いとは言わないし、今回はとても上手かった方だと思うけれど、どうしても中の人が透けてしまうのが困りもの。
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コメント
たしかにちょっとジブリ色が強くなった感がありますよね。
展開は胸熱くなる感じで最後まで楽しめました♪
アクションシーンも見応えがあったと思います。
声優陣については、どうしても顔が浮かんできてしまいました…。
投稿: BROOK | 2015/07/18 13:50
こんにちは~。
宗師様の極めっぷり、よかったです~~。
彼に見守られた熊徹が次は九太に繋いでいくのは命の育み見ているようでほっこり。
恩と愛情を描いてある部分は、泣きそうになりました。
白鯨は謎ですね(^w^)。
卵ご飯とお大根 食べたくなりました(^^)。
投稿: みぃみ | 2015/07/19 10:00
■BROOKさん、こんにちは
ジブリとは少し違った感じが好きでしたが、「おおかみ・・」あたりから近くなってきた感じです。
アクションシーンはとても良かったです♪
投稿: たいむ(管理人) | 2015/07/20 08:30
■みぃみさん、こんにちは
宗師様、ナイスキャラでしたね♪熊徹が彼だけには頭が上がらないところも可愛かったし。
血の繋がりの有無に関わらず、親子愛、師弟愛って素敵でカッコよいって思います。
生卵ご飯は私も苦手なので、うぇ~ってなる九太に気持ちが良く分かりました(^^;)
投稿: たいむ(管理人) | 2015/07/20 08:42
細田作品で、一番泣いたのはもちろん、おおかみこども・・
面白かったのはサマーウォーズ。
でも、この作品のできは、すごぶる良い気がしました。
個人的な好き嫌いで言えばちょっと違うけど、子供、特に少年の成長と言う意味では、観る人によってぜんぜん違う気がします。大人の目からみると、九太のバケモノ世界は、彼の精神世界のような気がして、そこから無理なく戻ってきたところに、少年の成長を感じたりします。
小学生なら単純に戦い場面を楽しんでほしいし、反抗期の中学生ならどんなふうに育っても、自分の居場所は無くならないと感じてほしい。
小中学生にこそ観てほしい気がしました。
宮崎作品ではどうしても悪意を感じる親の描き方も、とても普通なのがいいです。
投稿: mariyon | 2015/07/25 18:33
■mariyonさん、こんにちは
良い作品でしたね。
アニメ版「ベストキッド」かと思いきや、複雑な事情も絡めてあって、子供から大人まで楽しめる作品に仕上がってました。
個人的には、監督はクジラが好きだなぁ~とか、ウサギが好きだなぁ~とか、雑念もチラホラよぎってましたけど(^^;
ちなみに私は「サマー・・」が一番好きかなぁ。
「おおかみ・・」はやっぱ後味がちと切ないですもん。
投稿: たいむ(管理人) | 2015/07/26 12:02