「攻殻機動隊 新劇場版」みた。
内容は、これぞ「攻殻」といった風で義体の未来、予想される技術的な障害《デッドエンド》に”政治”が絡んだ小難しい内容になっていて、そこに「ARISE」からの流れでの電脳ウィルス”ファイヤー・スターター”も絡んでくるといったもの。
小難しい内容は「攻殻」の醍醐味ではあるのだけれど、逆に細かい事を考えなければ、実は割と簡単なストーリーで、素直にみればヒントは沢山、無駄に勘繰る必要はなしといったところ。
神山監督の「攻殻S.A.C.」が好き過ぎて、キャラの性格がかなりかけ離れた「ARISE」には今一つノレていない自分。
新劇場版は楽しみにしていたけれど、まず「お前たちは私が見つけた最高のパーツだ」という予告編での素子のセリフには違和感アリアリで、どうしても納得が行かなかった。「ARISE」の素子はとにかくまだまだ未熟なくせに高飛車。単なる不器用の照れ隠しから「パーツ=部下」という意味で言っているのだろうなと、後々を思って想像は出来るけれど、この時点では「パーツ」という響きはどこまでも「パーツ」。取り替え可能な部品にしか聞こえないのが悲しかった。
でも、それは制作側の確信犯的なセリフだったようで、それなりにメンバーが素子の真意を確かめるところがあってホッとした。
そんなこんなでだんだん結束が強くなっていく彼ら。そして「攻殻S.A.C」での荒巻課長のセリフ:「我々の間にチームプレイなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ」を初めて実践するような彼らになっていった。
ということで、やや否定的だったものが「9課誕生までの物語ということならば」という前提付きながら、とりあえず大きな矛盾は感じられず、地続き感もなくはないと思えるようになった(ような気がしている)。
攻殻のシリーズとして思い入れることは最後までなかったけれど、〆となる作品だし、シリーズを見てきた方には劇場版も見て欲しいと思う。
好感度:★★★★
ラストの押井&神山リスペクトにはニヤリ。
状況は異なっているものの、ビルの屋上から光学迷彩で飛び下りるのはもはやお約束。
ED途中に挟まれた「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」(26話):ラストの花見のシーン再現にはここまでやってくれたかといった感じ。ウチコマはしっかりロジコマになっていたけどセリフはほぼ一緒だし、前髪が伸びてるし。
本編最後の「あ~ら、そう」では、「・・なら、死になさい」と頭の中で続け、なかったことにコケたけど。
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コメント
花見の24時間監視ってのはOVAへのオマージュだったんですか。名シーンだとは聞いてたんですが。(*^_^*)
光学迷彩で飛び降りるシーンはやっぱGhostintheshellに繋げてきましたね~。
・・・え、あの人とこの人は同じ?(日本語ヘン)
まさかドッペルゲンガーまでするとはおもわなかったです。
そうでなくてもアイデンティティが守れないっていうのに
よりによって・・・。そりゃ最初見つけたときは撃てないよね~。
劇場版一作目の「ネットは広大だわ」ってのはこの段階で第三世界だのVSクルツだのがあっての人形使いとのやりとりがああなったのねっていう布石をうった感じがしました。。
なんだかスターウォーズが4,5,6みてから1に戻るのと同じ感覚を味わいましたよ。
投稿: Ageha | 2015/06/22 18:23
■Agehaさん、こんにちは
なんつーか、いずれあっちへ行くのが決まっていたかのような自然な流れが感じられましたね。
後付ならではだけど悪くなかったと思います。
光学迷彩での飛び降りは、押井→神山
→黄瀬と継承されましたねぇ。
けどまさかS.A.C.にあそこまでつなげてくるとは意外でした。
投稿: たいむ(管理人) | 2015/06/25 08:56