「駆込み女と駆出し男」みた。
原案は井上ひさしの時代小説「東慶寺花だより」。江戸時代も後期に差し掛かった鎌倉が舞台となり、幕府公認の駆込み寺:東慶寺に離縁を求める女たちと、寺に駆け込む前に女たちの聞き取り調査を行っている御用宿:柏屋の居候で、医者見習いの戯作者志望でもあるという大泉洋演じる信次郎を中心に、あれやこれやのドタバタ劇が行われる。
話の大筋としては、東慶寺において2年をかけて行われるシビアな離縁成就システムのいくつかの例やトラブルを挙げ、事実と真実、裏事情における柏谷の暗躍(のようなもの)という、実はそこそこシリアスな内容が描かれている。
今作では、遇然にも必然にも信次郎というおとぼけキャラが医者として”男子禁制の女の園”に深く関わることで、そこかしこに笑いが溢れる愉快な作品になっているけれど、切り口を変えて柏谷(三代目柏屋源兵衛)側から描いても”必殺”シリーズのような面白い作品になりそうな題材だと思った。
まぁそれはそれとして、医者見習いとして東慶寺に関わり笑いを振り撒く一方、戯作者志望の機転を生かした口手八丁での活躍も見もので、特に柏谷に乗り込んできたヤクザの撃退劇は爆笑もの。
大泉洋だからこその完成度と思え、いつもはやり過ぎ感がどこか鼻につく彼だけど、希林さんをはじめとして芸達者な曲者俳優陣がガッチリ脇を締めているおかげで他のキャラも負けず劣らず立っていて、全体的に良くまとまっていたと思った。
ラストこそなんとなく収まるところに収まって終わってしまった感がなくもないけれど、長尺も最後まで飽きることなく楽しめる映画だった。
好感度:★★★★
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コメント
なかなか楽しめる作品に仕上がっていましたよね♪
たしかに良く纏まっていたと思います。
笑いとシリアスの塩梅がちょうど良かったです。
そうそう、大泉さんはこういった役が良く合います。
投稿: BROOK | 2015/05/19 14:08
■BROOKさん、こんにちは
笑い多めが結構シビアな内容を軽くしてくれていたと思います。
大泉さん、ヘンに真面目腐った2枚目半より、こっちが断然よいですよね。
投稿: たいむ(管理人) | 2015/05/19 17:38
たいむさん☆
私ももっとコメディ色の強いおふざけ映画と思っていたら、案外大真面目な人情もので、なかなか良かったと思います。
江戸言葉は結構難しかったですね~
投稿: ノルウェーまだ~む | 2015/05/22 10:48
■ノルウェーまだ~むさん、こんにちは
粋な感じもしてなかなか面白かったです。
シリアスとコメディのバランスですね、きっと。
早口は大変だけど、わかりやすいお話でした。
投稿: たいむ(管理人) | 2015/05/26 08:03
ご無沙汰しています~。
地元に期間上映で公開してくれたので、見てきたんですが、
面白かったです。
ヤクザの撃退はもちろんん、江戸の言葉のかけあいが良かったですね。
個人的にはじょごの出雲弁が懐かしくて、
戸田絵梨香は役柄もピッタリでかわいかったです。
予告犯でちょっとがっかりしてたんで、よけいに。
投稿: mariyon | 2015/06/28 20:06
■mariyonさん、こんにちは
宣伝バンバンしていた割には全国的には上映館多くなかったみたいですね。
もしこれからの地域があったらオススメしたい作品と思いますが。
戸田さん、あっちこっちに出てますね~
「予告犯」はwowowも含めてスルーの予定でしたが、そうですが、がっかり???
地上波に降りてきてからで良さそうですね(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2015/07/04 14:19