「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」みた。
第87回アカデミー賞で、作品賞、監督賞ほか4部門を受賞。
かつての大スターも今は昔、過去の栄光と呪縛からの脱出を試みた男の再生物語。コメディタッチなシリアスなのか、シリアスタッチなコメディなのか観る人によってとらえ方が違ってくるのかな?
自分としてはハラハラドキドキ、時々爆笑だったけれど、万人受けはしないような?という印象。オスカーの威光につられて見に行くとアレレな人もいるんじゃないかな?とか思ったり。
かつて「バードマン」というヒーロー映画で人気を博しながら、過去の人として低迷している俳優:リーガンが役者生命を懸けて本格舞台に挑もうとするのだが、公演目前にして舞台がらみでもプライベートでも、何やかやとトラブルが発生。公演初日までの悪夢のような数日間が描かれている。
落ち目の主人公のこの手の葛藤とか焦燥とかを描く作品は多々あれど、なんとも見せ方が独特なのがこの作品と思う。
特に巷で評価されているのが全編がワンカットに見えるような撮影。カメラが常に人間の視線のように動いており、場面転換も同一景色における時間の経過で見せるなど、休みどころがなく、個人的にはちょっと疲れた。なんというかリーガンの不安定さがモロに伝わってくる感じっていうのかな?
”バードマン”の幻影があたりまえのように登場し、それでいてリアルな俳優の実名やハリウッドの実状から本音が飛び交い、さらにリーガンを取り巻く人々のお騒がせの数々など、整合性があるような無いようなといったところは朝方にみている長い夢のよう。しかもうなされそうな悪夢。
この手の作品がオスカー受賞ってことは、時代がそういう風に流れているってことなのかもとか思ったり。
ラストの思わせぶりをどうとるか。社会派とは違う難しさを感じる人も少ないくないような、そんな作品。個人的にはこれまた面白くはあっても好きでもないって感じかな?
好感度:★★★★+
予告編ではパンツ一丁でブロードウェイの大通りを闊歩するリーガンの姿が印象に残っていたけれど、そのワケの馬鹿さ加減に笑えた。
そうそう、なんで字幕が黄色なのか。劇中劇だけかと思いきや、全部だし。慣れないからちょっと見難かったな。
| 固定リンク | 0
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」みた。:
» 劇場鑑賞「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」 [日々“是”精進! ver.F]
彼は、本物のバードマンになれたのか…
詳細レビューはφ(.. )
http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201504100001/
【楽天ブックスならいつでも送料無料】【輸入盤】Birdman [ バードマン あるいは(無知がもたら...価格:2,285円(税込、送料込)
【楽天ブックスならいつでも送料無料】D...... [続きを読む]
受信: 2015/04/14 12:51
» 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 [こねたみっくす]
映画好きにはたまらん大傑作だ!
ただ映画を見るのが好きなだけの映画ファンよりも、業界裏事情まで含めた映画に纏わるもの全てを愛する映画好きにこそ、この映画の魅力は花開く ... [続きを読む]
受信: 2015/04/14 16:49
» バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [風情の不安多事な冒険 Part.5]
アメリカ
コメディ&ドラマ
監督:アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演:マイケル・キートン
ザック・ガリフィナーキス
エドワード・ノートン
... [続きを読む]
受信: 2015/04/15 11:29
» バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [心のままに映画の風景]
ヒーロー映画「バードマン」で一世を風靡したリーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、そのイメージが払拭できず、鳴かず飛ばずの俳優人生を送っていた。
自分が脚色を手掛けた「愛について語るときに我々の語ること」で再起を懸けようと、ブロードウェイの舞台に立つが、降板した俳優の代役マイク・シャイナー(エドワード・ノートン)に振り回され、薬物リハビリ中の娘サム(エマ・ストーン)とは溝が深まるば...... [続きを読む]
受信: 2015/04/15 14:49
» 翔べ! ~『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 [真紅のthinkingdays]
BIRDMAN OR
(THE UNEXPECTED VIRTUE OF
IGNORANCE)
かつてアメコミヒーロー映画 『バードマン』 に主演し、一世を風靡したもの
の、今は落ちぶれつつある俳優のリーガン(マイケル・キートン)は、再起を
かけてブロードウェイの舞台に打って出る。しかし演出・脚本・主演で臨...... [続きを読む]
受信: 2015/04/15 20:22
» バードマン あるいは(無知がもたらす予知せぬ奇跡)見に行った〜。(;´∀`) [ペパーミントの魔術師]
いつもはサブタイトルを何かつけるんだけど、タイトル長すぎ〜。(^_^;)・・・ってそれはどうでもいい。
アカデミー賞の授賞式を見ていた時に妙に印象に残ってしまったのは、
司会をやってたひとがこの映画をパロって、ブリーフ一丁で舞台に出てくるのを通路から撮ってた...... [続きを読む]
受信: 2015/04/18 17:04
» バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [シネマをぶった斬りっ!!]
【監督】アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
【出演】マイケル・キートン/ザック・ガリフィアナキス/エドワード・ノートン/アンドレア・ライズボロー/エイミー・ライアン/エマ・ストーン/ナオミ・ワッツ
【公開日】2015年4月10日
【製作】アメリカ
【ストーリー】
シリーズ終了から20年。今も世界中で大人気のスーパーヒーロー“バードマン”。だがその役でスターになったリ...... [続きを読む]
受信: 2015/04/21 09:20
» バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)/BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE) [我想一個人映画美的女人blog]
今年のアカデミー賞作品賞ほか最多4部門で受賞のアレハンドロ・ゴンザレスイニャリトゥ監督作品。
「アモーレス・ペロス」や「21グラム」「バベル」「BIUTIFUL ビューティフル」
全編1カットに見せる手法?という驚異の撮影スタイルで描き出し緊迫感の継続...... [続きを読む]
受信: 2015/04/21 17:24
» 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は二兎を追う [映画のブログ]
グッとくる題名だ。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。原題は"Birdman: Or (The Unexpected Virtue of Ignorance)"。
映画監督に限らない。創作に携わる人は誰もが「予期せぬ奇跡」を目指していよう。それをもたらすのが無知であることに気づいている人も多い。しかし、それはなかなか手に入らない。だからこそ奇跡なのだ。
そ...... [続きを読む]
受信: 2015/04/22 00:41
» 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」☆映像に釘付け [ノルウェー暮らし・イン・原宿]
男性版「ブラック・スワン」というべきか。
常に極限に居ることを強いられる人たちにとって、一部の癒しもないヒリヒリした日常から、遂に到達した念願の高みと究極の安らぎの世界。
「ブラック・スワン」はハッピーエンドと感じた私がやや戸惑うラストも、もしかすると役者が望む最高のエンディングを自ら歴史に刻んだという意味でハッピーエンドなのかもしれない。... [続きを読む]
受信: 2015/04/24 10:58
» バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) [だらだら無気力ブログ!]
アカデミー賞受賞してなかったら、多分観に行ってなかっただろうな。 [続きを読む]
受信: 2015/04/24 22:37
» 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」□監督・脚本 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ□キャスト マイケル・キートン、ザック・ガリフィナーキス、エドワード・ノートン、 アンドレア・ライズボロー、エ...... [続きを読む]
受信: 2015/04/27 20:32
» 映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」 [FREE TIME]
映画「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」を鑑賞しました。 [続きを読む]
受信: 2015/04/28 22:27
» 映画:バードマン Birdman 中年の悲哀を全面に出しつつ、噂に違わぬ 超・快?怪作! [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
来年のアカデミー賞レースに向け、是非に今回観ておきたかった1本。
日本公開のタイトルは「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」とな?
NYに着いた翌朝ー番に早速チェック!
はじまった瞬間に気付く。
「何か違うわ、これ 」
タイトルのロゴの出方と...... [続きを読む]
受信: 2015/04/29 07:39
» バードマン [映画的・絵画的・音楽的]
『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を渋谷シネマライズで見ました。
(1)本作(注1)は、本年度のアカデミー賞作品賞を獲得した作品ということで、映画館に行ってきました。
本作の冒頭では、レイモンド・カーヴァーの詩が掲げられ、そしてタイト...... [続きを読む]
受信: 2015/05/01 21:22
コメント
たしかに万人受けする作品ではないですね。
ハリウッド大作とは一線を画すような感じで、
それらに慣れ親しんでいる人には、楽しめるかもしれません♪
私は結構面白かったです。
ラストの解釈はいろいろと出来そうですよねぇ…
監督自身がどう考えているのか、気になりました。
投稿: BROOK | 2015/04/14 12:53
■BROOKさん、こんにちは
オスカー作品だからって、わかった風なことを語りたくはない作品かなと。低迷しているとも思うけれど、アメコミヒーローモノは好きだし、いまのハリウッドをどうこう言えるほどの人間でもないので。
とはいえ、なかなか衝撃的な映画でした。
投稿: たいむ(管理人) | 2015/04/14 14:36
アカデミー会員からすれば、まさにこれは内輪ネタってヤツなんでしょうね。
それにしてもこの映画の面白さは「映画を見ることが好きな人」よりも「映画が好きな人」にこそ伝わっているみたいですね。
投稿: にゃむばなな | 2015/04/14 16:45
■にゃむばななさん、こんにちは
なんとも痛切で容赦のないお話でした。
けど、ラストは清々しく、ホッとしたりして。
昨今の私はどちらかというと、映画をみるのが好きな人になってるかもなぁ。
俳優萌えだけできゃわきゃわ出来ちゃうバカ観客な時もあるものですから(^^;
投稿: たいむ(管理人) | 2015/04/14 17:23
こんにちは♪
本作はどちらかというと、人よりムダに多く映画
に接してる連中に対していろいろと訴えかけ、伝
えてる感じなんで、万人ウケってぇところじゃぁ
ねぇでしょうね。
昨今のハリウッド映画界に対するディスり具合な
んかは同様に思うところありだったんで、かなり
響いてきて、オモシロかったし、アカデミー賞受
賞もうなずけましたぜ♪
>字幕が黄色
えッ!? マジっすか!?
全然、気づかんかった…超ヤベ~。 Σ( ̄口 ̄|||
投稿: 風情♪ | 2015/04/15 11:38
こんばんは。
私も同じく字幕の黄色に気づかなかったんですよね(苦笑)
旦那さんと一緒に観て、しかも彼は映画的にイマイチ派なんですけど、字幕は気づかなかったって、、、。
後からネットで見て、えー、そうだった?って(恥)
最初から映像展開に引き込まれてたのかな(笑)
好き嫌いは分かれる映画だったね。
ヒーローとか業界の裏側とか、おまけにコメディタッチとか、一般ウケしそうな題材だけど、あえて意見が分かれるの承知でトコトン挑戦したのかな~って感じもしました。
>俳優萌えだけできゃわきゃわ出来ちゃう
私は今作のノートンがそうでしたよ(爆)
ところで、体調はどうですか?
無事復帰かな。
私も4月に入った途端、また!!インフルエンザBになって、1週間ほど篭ってましたよ。
もうこんな当たりはいらないわ(爆)
投稿: オリーブリー | 2015/04/15 22:52
■風情♪さん、こんにちは
昨今にのハリウッドに対するあれやこれは面白可笑しく思いましたが、私はリーガンのグルングルンに振り回されてしまったのでちょっと疲れたんですよね。
>字幕が黄色
えー?なんで気が付かないの???
まぁ途中からさほど気にならないくなったけれど、違和感はありました。
投稿: たいむ(管理人) | 2015/04/16 09:20
■オリーブリーさん、こんにちは
ここにも黄色が判別できない方々が!!!(笑)
最初は背景に白が多いから?と思ったりもしたのだけど、そうでもないので気になってしまいましたよ。
ほんとやりたいことをトコトンやるって凄いし、その意欲とやってのけたことには拍手です。
言うだけ、他者に乗っかるだけって批判批評って好きじゃないからそういう部分は爽快感がありました。
けどやっぱり現実の厳しさは切なくってね。
自虐的なのもちょっと苦手の部類です。
えー、4月に入って温かくなってきたこともあるのか、ここしばらく好調を維持できてます。映画鑑賞も違和感なく集中出来てますし。
このまま完治してくれたら良いのですが。
オリーブリーさんこそ、2度目のインフルですか??前回はA型だったとか?
最近何気にまた流行ってるみたいですね。春なのに。
鼻水、鼻づまりは特に症状を悪化させるし、私も気を付けなければ!
とりあえず既に回復されているようなので良かったです♪
投稿: たいむ(管理人) | 2015/04/16 09:47
たいむさんの評を読んで気が付きました。
わたし、この作品がアカデミー作品賞でなければ
もっと楽しめた気がします。
アカデミー選考委員のどや顔(笑)を感じる気がして・・・(-_-;)
単館系でひっそりと公開されていたら
それをわざわざ観に行った自分に
映画通を感じたりして満足していたかも。。。(苦笑)
空想世界の時間がもっと多くても良かった気がします。
投稿: mariyon | 2015/04/21 08:16
たいむさんおはようございます♪
・・そのオスカーの威光に釣られた一人ですが(笑)、アレハンドロ監督の作品ってズシンと来るシリアスな内容のイメージが強かっただけに観る前は少し抵抗もあったんですよねぇ。でもこの落ち目の俳優の再起の物語はププッと笑ってしまうような部分もありましたし、1カット風の撮影やダンダカダンダカバックで響いてるドラムサウンドもなかなか心地良くて、結果アレハンドロ監督風のブラックコメディは個人的には見応えありましたね。
あー、でも黄色は確かに見難かった^^;自分は字幕がパッと出るたび、一瞬ボヤけた感じに見えちゃってたんですが・・・・自分だけだったりして(汗
投稿: メビウス | 2015/04/21 09:20
■mariyonさん、こんにちは
万人受けしないないモノを万人受けしそうな予告編に作り上げた広報の魂胆が逆効果をもたらしてるかもな~って気がしてます。
私もここまで毒を吐いてる作品だと知っていたらもう少し心構えをちがえて観たのではないかと思いましたし。
わかるんだけど、面白いんだけど、乗じてそうだそうだって言っているような感じになるとついつい天邪鬼も発動しちゃうんですよね(爆)
投稿: たいむ(管理人) | 2015/04/21 14:43
■メビウスさん、こんにちは
やはりオスカー作品ってだけで観なきゃ損な気分になるのは、私も含めて少なからず映画に時間を割いている人間なら仕方がないかなって思いますわ(笑)
私もこの監督さんの作品はあまり肌になじまないのだけど、斬新な演出や効果をここまでやられるとやるじゃん!って見る目が変わってくるところもあります。
黄色字幕ね~。気が付かない人がいたのにも驚きですけど、やっぱり白が見やすいですよね。
私は目の診察で、黄色い染料を目に入れられた時のことを思いだしました(爆)
投稿: たいむ(管理人) | 2015/04/21 14:48
たいむさん☆
字幕黄色!?わー、私も気づきませんでしたっ
それよりも休む間もなく続くワンカットに見せる揺れる映像と、激しいドラムの音で心がリーガン同様、かきむしられるかんじがしてスッカリ疲れちゃったわ…
でも私は「6歳の~」がオスカー獲るより納得しちゃいました~
投稿: ノルウェーまだ~む | 2015/04/24 11:08
■ノルウェーまだ~むさん、こんにちは
えー!なんで黄色に気が付かない???
黄字幕とリーガンのグルグルにすっかり疲れてしまいましたよ。
「6歳の~」は葬式と体調不良で見逃してしまったのでなんとも言えませんが、作品賞の獲得に文句なしです。
投稿: たいむ(管理人) | 2015/04/27 16:32