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2014/11/28

「フューリー」みた。

Fury

ブラッド・ピットの主演、製作総指揮による戦争映画であり、第2次世界大戦時のドイツにて、”FURY(激しい怒り)”と命名された戦車と5人の兵士たちの生き様が描かれた物語。
とにかく、戦争の何たるかがかなりリアルに描かれており、歴史の残酷さを思い返す、そんな作品。戦闘シーンに人間ドラマ、泥臭く見せているのにどこか綺麗に見えてしまうところもあったけれど、全体として素晴らしかった。

予告編では「たった1台の戦車で300人のドイツ兵に挑んだ5人の男たち」なんて言われていて”英雄モノ”っぽく感じられてしまうかもしれない。結果論でいえばそうなのだから宣伝文句としては間違ってはいないのだけれど、この映画は、現状であり、そこに至るまでであり、戦場での兵士たちの裏舞台をここまで見せつけてくれるものであって、そんなカッコイイものではない、ということが見ればわかるようになっている。

1945年4月、”FURY”の戦車隊を率いるコリアー軍曹は連合軍との一員としてドイツ侵攻に参加していた。しかし戦闘中に副操縦士を失ってしまったことから、急遽新兵のノーマンが配属される。ノーマンは戦闘経験はもちろん兵士としての自覚も覚悟もない、訓練だけは受けたほとんどド素人。コリアーはまるで使えないノーマンに戦争と現実をたたき込むことから始めなければならなかった。
そこでまず初めに「殺らなければ殺られる」それが戦場における単純明快な掟であり、それこそが唯一自分と仲間を守る方法だということをノーマンは身を持って体験させられることになる。そしてノーマンも次からは立派に戦って見せ、仲間たちからも認められ始めることでひとつのチーム(コリアー的にいえば守りたい守るべき家族ってことになるのだろう)が出来上がっていった。
けれど、「一度殺ってしまったらあとは慣れる」とか良く言われるとおりに彼が慣れたか、高揚していたかといえば、必ずしもそうではないように感じられた。彼なりに戦争という理不尽を理解して成長していったものの、彼はやっぱり彼のままだった気がした。

劣勢が続く中、コリアーたちには本隊のベルリン侵攻を成功させるための過酷な任務が下る。それこそが味方の全滅から一騎打ちでドイツの怪物戦車:ティーガーを撃破し(ここのシーンは手に汗握るドキドキものだった)、ナチスのSS大隊の足止めという孤軍奮闘劇となる。

戦地には、仲間といえども様々な人間が集まっている。兵士に限らず一般市民にしても同じこと。さらに敵兵ですら、である。
この映画は、基本米兵視点で描きながら、いろいろな角度から戦争を見せてくれていた。ノーマンが限りなく一般人に近い感覚の兵士であることが新鮮であり、ひとり残された彼が最後に何を見て何を思っていたのか、無表情の中に凝縮されていたように感じられた。

骨太の戦争映画、俳優陣も豪華に揃っているし、観ておくべしという作品だと思う。

好感度:★★★★

ブラッドの人望厚きデキル男役はお約束としても、少し前まではノーマンの立ち位置だったであろうシャイアくんってば、いつの間にこんなに大人になってしまったのか。すごく良かった。

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コメント

久々に見応えのある戦争映画が出来た…という感じでしたね。

たった1日の出来事をここまで濃密に描いてくるとは…。
単なる英雄ものにしていなかったのも高評価となりました。

そうそう、シャイア・ラブーフがかなり良い役者になっていたのに驚きました。

投稿: BROOK | 2014/11/28 16:12

■BROOKさん、こんにちはsun
前半は戦争を、中盤は仲間たちの事を、そしてラストバトル、見ごたえありました。

無謀な戦いながらドイツ大隊との戦いはまさかの勝利を期待してしまいました。さすがにアニメじゃないのでそれはなかったけれど(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2014/11/29 16:01

ほんま、シャイア・ラブーフの変わり様には驚きましたよ。
EDロールでその名前を見るまで気付きませんでしたもん。

それにしてもこの迫力ある映像でありながら、一切戦争を美化しない作風。
本当に『サボタージュ』と同じ監督さんなんでしょうか?

投稿: にゃむばなな | 2014/11/29 23:38

■にゃむばななさん、こんにちはsun
私も、「え?シャイア君だったの?」ってビックリでした。
美化していない描写はともかく、「私は貝になりたい」をちょっと彷彿したりもして、国民性?見たいなものも感じました。

投稿: たいむ(管理人) | 2014/12/04 08:05

こんにちは。
今日は初雪(みぞれ)が降りました。
寒いです。

うんうん、数年前ならノーマンの役はシャイアですね。
ローガン・ラーマンよりは粋がりそうだけど(笑)、今作、そんなに登場多くなくとも存在感があって、凄く良かったですよ。
ブラピも久々にらしくて良かったな。
ラストシーンは色々と考えさせられるね、、、。

投稿: オリーブリー | 2014/12/06 15:41

重い腰を上げて、ようやく劇場にたどり着きました。(汗)
いろいろ思うところはありますが、やはり人間は、戦争したい生き物なんだろう、ということです。作品が発する主張からは外れているかもしれませんけど。

「敵を必要とする生き物」のような気がします。
聖書の引用がたくさんありましたが、不勉強、無宗教な自分には、そこから想像するのは難しいです。

欧米、中東、宗教による対立や戦争は、現時点でも進行中なわけで、いかに「理想(平和)」を目的としても、戦わないわけにはいかない…というパラドクス。

…とはいえ、リアル過ぎる戦場の光景を「良し」とする輩は、まずいないでしょうけれども。

投稿: あかん隊 | 2014/12/09 21:59

たいむさん☆
ほんと、シャイアくんだいぶん昇格してましたね。
ブラピのウォーダディーぶりが見事でした。
実は私、世界で唯一稼働可能な戦車ティーガー戦車を貸し出してくれたボービントン戦車博物館に行ったことがありました。
本物の戦車は迫力ありますね~

投稿: ノルウェーまだ~む | 2014/12/10 00:39

■オリーブリーさん、こんにちはsun
遅くなりました。
シャイアくん、イイ感じになってますよね。
誰だかわからなかった存在感ってのもちょっと微妙だけど(爆)

戦争映画のエンディングってなんだかいつもそう。
難しいですね。

昨年は北関東で大雪だったし、今年は四国?
慣れない雪を喜ぶのは子供くらいでしょうか。
こちらは本番に入りました。
内陸部よりはマシですが、事実上ケタ違いの寒さ。
そういうものだと慣れてきたとはいえやっぱ寒いものは寒い。
光熱費の値上がりで懐も寒し!!

投稿: たいむ(管理人) | 2014/12/10 14:06

■あかん隊さん、こんにちはsun
なんだかんだ言いつつも戦争映画をはずすあかん隊さんではないですよね。

>やはり人間は、戦争したい生き物なんだろう
真理だと思います。それが人間の歴史ですし。
いつだって戦わなければ何も勝ち取れない。
けどいったい何と戦ってんでしょうね、人間は。

何であれ、戦争映画は作り続けていってほしいって思います。

投稿: たいむ(管理人) | 2014/12/10 14:10

■ノルウェーまだ~むさん、こんにちはsun
「ウォーダディー」って直訳のとおりの意味なのかしら?戦闘中でもそうでなくてもあっぱれな隊長っぷりでした。

航空祭に陸自車両の展示もやってましたが、さすがに戦車は無し。それでもワーってなりました。
生戦車の迫力、体験してみたいものです。

投稿: たいむ(管理人) | 2014/12/10 14:15

こんにちは。

久々に戦争映画みたな~って感じになりました。

>シャイアくんってば、いつの間にこんなに大人になってしまったのか・・

本当にシャイア君ってわかったのしばらくたってからでした。んーーー誰?似ているけどな~って思ていました。大人になったな~

そちらは雪時大変ですか?
北陸も普段より雪が多いような気がします。
寒さは本当に嫌になりますね。。。

投稿: Nakaji | 2014/12/22 22:45

■Nakajiさん、こんにちはsun
シャイア君、やんちゃな高校生のイメージが根深く残ってるだけに、ほんと最初は「誰?」ってくらい大人びて見えました。

今年は(も?)日本海側は大雪の連続みたいですね。
何もない日はすっかりひきこもりになりそうです(^^;

投稿: たいむ(管理人) | 2014/12/25 10:47

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