「楽園追放 Expelled from Paradise」みた。
人類の多くが地上(地球)を捨て、”ディーヴァ”と呼ばれる電脳空間で徹底管理されながら暮らすようになった西暦2400年、完璧と誇っていた”ディーヴァ”が地上よりハッキングを受け、それを”ディーヴァ”は攻撃(テロ行為)と断定、捜査官:アンジェラ・バルザックを地上に派遣する。アンジェラは地上の現地調査員:ディンゴと共にハッカー:フロンティアセッターの捜索を開始するのだが、予想外なフロンティアセッターの正体とその目的を知り、最終的には”ディーヴァ”に反旗を翻すことになる、といった感じ。
面白かったし、あっという間の約100分だった。
人物の歩行などゆっくりした動作などはまだまだぎこちなさが残っているものの、アクションに至っては言うことなしの迫力で、3DCGアニメもここまで進化したかと思える完成度の高い作仕上がりに満足。
内容も、電脳、生身、機械(人工知能)と”人間”が多様化したときどうなるか、その無限の可能性を考えるとともに、有限だけが持つ美しさ、曖昧で感覚的な何か、非論理的な思考が優先されるなど俗に言う”人間らしさ”であり、”自由”とは、”幸福”とは、を問うようなものになっていて見応えのあるものだった。
ただ、「最後の最後まで油断できない」、「良くも悪くもどんでん返し」、ついでに言えば「絶望的な展開」が十八番の虚淵作品の割にはおとなしめな印象だったかもしれない。
”ディーヴァ”の対応、アンジェラの選択は有り勝ちで予想どおりのもだっただけに最後の大花火を期待していたんだよね。けれど、EDの途中”ディーヴァ”の堅固な意志らしきものは語られているもののそれだけ。そこが少し残念。(尺の関係とは思うが”ディーヴァ”の(設定)説明が足りてないため、今ひとつ希薄に感じられたのかもしれない)。
”彼”は宇宙へ旅立ち、生身のからだで再出発するアンジェラ。成功とも失敗ともつかない彼らの選択だけれど、いまこの瞬間を愉しんでいるのが感じられるラストは嫌いじゃない。
わかりやすいハッピーエンドではあったけれど、単発作品となればこのくらいがベターなのかもね。
好感度:★★★★
しゃべるAIはやっぱり好きだなぁ~
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コメント
たいむさんこんばんわ♪ちょっと遅れましたが、明けましておめでとうございます。
『おとなしめ』な印象の作品・・。確かに虚淵玄さんと言えば、自分も結構ドロリとした内容が多いものを手掛けてるイメージがあるので、本作のようにそれほど毒も無くサッパリ(?)としたような終わり方はちょっと意外でもありましたね^^;(汗
ただ3DCGをフルに活かした映像面は素晴らしかったです。セル調だからセルアニメの質感もあって面白い表現だなとも思いましたし、アーハンのアクションシーンも凄い迫力があって満足できましたね。
あと細かいトコだと、フロンティアセッターやディンゴがやってた『仁義っ(  ̄∇ ̄)シ』のジェスチャーも結構面白かったりでw
まあ続編の予定も無い・・と思われる単発作品だからか、ディーヴァなどの情報が少な過ぎる難点もありますが、そこら辺はコミカライズなどが展開されたら期待してみるという事で・・。
投稿: メビウス | 2015/01/06 20:32
■メビウスさん、こんにちは
ドロドロには伏線が必要だし、虚淵ワールドはこの尺では収まらないのかもしれませんね。
にしても「仁義」良かったですよね(^^)
声優陣の息もぴったりなんですよねぇ。
正直、ロボットアニメがはん濫してて、アクションとかもう出尽くしてるから最近はプラス頭脳戦とか、制約とかが大事になってる感じだけれど、いい感じに両方がもりこんであって良かったです。
そうそう、オリジンの劇場予告編、スクリーンで観ました。鳥肌です♪
投稿: たいむ(管理人) | 2015/01/10 10:45