「ドラキュラZERO」みた。

“まったく新しい英雄伝説”であり、新解釈での“ドラキュラ”の誕生秘話が描かれた作品。
そんな新解釈はなかなか面白く、最後の最後まで楽しめたけれど、主にルーク・エヴァンス目当てでの鑑賞だったりもして、良く似合っている彼のコスプレ姿がとても目の保養になった♪

大国オスマン帝国皇帝メフメトの野望から、家族であり国と民を守るため悪魔に魂を捧げたヴラドが、吸血鬼の力を我が物とし真のドラキュラに覚醒・変貌していく物語。ちょっと違うけれど”デビルマン”みたいな、正義の味方風のドラキュラの誕生といった感じだと思う。

「少年兵を1000人を徴収し、息子を人質に差し出せ」という無理難題を突き付けるメフメトに対抗するため、多勢に無勢のなか一騎当千の希望の力として悪魔の力を欲したヴラド。しかし力を得るための対価は「人間やめますか」ってもので猶予は3日。日中の活動制限であり渇きによる吸血衝動に耐えつつ、3日で1万の兵で侵攻してくるオスマン帝国軍を壊滅させなければならないという、非常に困難で厳しい制約のなかブラドの戦いは始まる。
そんな悪魔の力は絶大で、初日こそ正真正銘”一騎当千”を見せつけることになるのだが、やはりいくつかの吸血鬼の弱点が最大の問題となってくる。

3日で決着がつけられればすべて元の生活を取り戻せる。しかし3日の間にもし一滴でも人間を吸血してしまったら二度と人間には戻れなくなり、未来永劫悪魔の僕となってしまう契約。
けれどそうした内実を知らない民は悪魔化した君主に恐れをなして仇なそうとするわ、易々と侵入された敵によって息子は連れ去られるわ、妻も愛する家族のために犠牲にならざるを得なくなるわ、もう踏んだり蹴ったりで真に吸血鬼を覚醒させなければならなくなるヴラドが切ない。仲間道連れでの決死の自己犠牲は涙ものでさえあった。
最後余談というか、蛇足なラストシーンではあったけれど、「まぁいいか」という気になるのは彼が悲劇的なヒーローだったからかもしれない。（ホントあちらはハッピーエンドっぽくするのが好きだよねぇ）。

ルーク目当てならば間違いなしって映画。楽しめる新訳「ヴラド・ドラキュラ」だったと思う。

好感度：★★★++

そういえば、ドラキュラ＝ヴァンパイア（吸血鬼）って思われがち。結果論としては間違いではないけれど、”ドラキュラ”ってのは固有名詞なんだよね。