「ジャージー・ボーイズ」みた。
グループの結成からデヴュー、成功から全盛期におけるメンバー間のエピソードから、栄光の影にある闇、グループを長年維持することの難しさなどが丁寧に描かれていた。
もともとイタリア移民が集まるニュージャージーの貧しい街に育った彼ら。メンバーのトニーやニックは不法侵入や窃盗等の軽犯罪で刑務所を頻繁に出入りしていたとは驚きで、それにも関わらず、音楽の才能に秀でたフランキーやボブと組むことで、全員揃ってスターダムにのし上がっていくのだから面白い。けれど”三つ子の魂100”までというのか、特にトニーの素行の悪さは治ることなく、小さな綻びを積み重ねてしまうメンバーだった。
浮気なんかもし放題。過去も含めて結構スキャンダラスな一面も持つ彼らなのだけど、そこはさらっと流されているというか、なんだか色々な意味で大らかさを感じる時代なのかな?とか思えるところもあるのだけど、やはり家族よりも同じ時間を共有するメンバーだけに、小さなズレや綻びも膨れ上がれば大きな亀裂を生むわけで、多額の金銭問題発覚からとうとう解散へと行きついてしまうわけだ。それでもフランキーは恩あるトニーのために借金返済を約束し、そのために奔走。家庭を顧みないツアー活動は家族間にも確執を生むことになるが、ボブや新メンバーとでも成功を維持し、借金は数年で完済させてしまう。
音楽の才能に恵まれたといえばそれまでだけれど、彼らが1990年にロック殿堂入りしたもの、ひとえに”ジャージーの流儀”を貫き続けようとするフランキーだったからこそのようにも感じられるところ。
けれど、そんな矢先にフランキーは最愛の娘を亡くし、絶望に打ちひしがれることに。名曲「君の瞳に恋してる」は失意のフランキーにボブが贈った新しい曲であり、彼の再起の切っ掛けになった曲とのことでもあった。
映画でも、「君の瞳に恋してる」お披露目シーンは感動的だった。
やはり“音楽”モノの映画にハズレなし、だね。
御年84歳のイーストウッド監督も、まだまだ頑張って欲しいものだ。
好感度:★★★★+
金庫ドロしてトランクに突っ込んだ時は「絶対に前輪浮く」って思ったけど、昔の車はほぼ後輪駆動なんだよねぇって、フランキーが発進させてしみじみ思っちゃった。
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コメント
あの歌の陰にこんなドラマが!!って、思わず引き込まれました。
あの声がちょっと苦手、顔もさらに苦手。。。
でも、映画そのものが面白くて、ぐいぐい引き込まれました。
結成当時のやんちゃぶりは、そんな言葉では表せない、
ほとんどギャングまがいの悪童っぷり。
60年代は、そんな彼らでも、一発当てればぜんぜんOKだったんですね。
君の瞳に~を唄うシーンは泣きでした。
投稿: mariyon | 2014/10/08 17:06
■mariyonさん、こんにちは
「音楽性の不一致」がグループを解散するときの常套句だけど、大きくは金銭面とかプライベートがらみのトラブルなんじゃないかっていつも思うのだけど、悪いお手本みたいなグループだったんですね、彼らは(笑)
まだまだ悪が表に堂々と出てこられた時代だからなのだろうけれど、一発当てて人気があればなんでも許されちゃうって今じゃ考えられないですよね。
私も、トッポジージョのような彼の声のどこか天使の歌声なのか、分からなかったりして。
カバーしかちゃんと聞いていないからだろうけれど、「君の瞳に~」は女性ボーカルが好きかも。
映画のシーンはもちろん感動的だったけど。
投稿: たいむ(管理人) | 2014/10/08 19:29
懐かしい楽曲に浸れる作品が続いたね♪
ヒット曲の裏側を知ると、単に名曲というだけでなく、色んな重みを感じますね。
成功して何事もないように活動していても、様々な事を抱えているって、結局、人間誰しも同じなんだなーと思います。
頑張らなきゃっ(笑)
投稿: オリーブリー | 2014/10/09 15:38
■オリーブリーさん、こんにちは
成功の裏には必ず何らかの苦難があるのかもしれません。
棚ボタはあったとしても、意地し続けるには努力も必要なんですよね。
やはり音楽モノは良いですね。知っているナンバーだとなおさらに。
投稿: たいむ(管理人) | 2014/10/13 09:05