「舞妓はレディ」みた。
少しばかり家庭の事情が複雑で、鹿児島弁と津軽弁が混じったナマリが染み付いてしまっている少女:春子が、いきなり京都の老舗お茶屋を訪ねて「舞妓になりたいんです」というところから話は始まる。
当然門前払いされるものの、複雑なナマリは偶々居合わせた語学学者:京野の興味を惹くこととなり、京野が後見人となって舞妓ことばや京ことばを仕込むということで、春子は見習い(仕込み)になることが許される。やる気はあるものの、しきたりの勉強や舞妓必須のお稽古に、最難関の言葉遣いのレッスンで、春子はすっかり疲れ果ててしまう。
折れそうになりながらも、先生、女将さん、御姐さんたち、お師匠様・・・多くの人たちに見守られ、叱咤激励を受けて成長していく春子。
そして、とうとう先生からの課題をクリアし、京ことば独特のイントネーションをマスター。舞妓デヴューとなる。
文章にするとこの程度でしかない、平凡でありきたりな成長物語だけど、芸達者な”周防組”の面々が場を盛り上げ、時折笑いがこぼれる愉快で楽しい映画だった。
ミュージカル仕立てらしく、テーマ曲の♪舞妓はレディ~、舞妓はレディ~♪も耳に残るしね。
ちなみに、先生からの課題は「京都の雨は大概、盆地に降るんやろか?」。これは本家『マイ・フェア・レディ』の≪The rain in Spain stays mainly in the plain. (スペインの雨は主に広野に降る)»から来ているのは言うまでもないだろうけど、うまくあてるもんだよね。
また舞妓として「おおきに」、「すんまへん」、「おたのもうします」の舞妓基本三単語はもちろん、「あない」「こない」「そない」「どない」など、3文字でしかない単語も本場の発音って微妙で難しいのね。
関西人や京都人が、他県人によるエセ方言使いを嫌がるのも道理といった感じ。感覚的に違いがわかっちゃうんだね。
日本人のミュージカルはあまり好まないのだけど、コメディ映画としてこれは許容範囲内かな?
好感度:★★★★ (上白石萌音ちゃんの頑張りにオマケ)
やはり京都といえども最近は”舞妓さん”不足なんですかねぇ。
自分の修学旅行時には舞妓さんともたくさん遭遇した気がするんだけどな。今ではイベント用の”アルバイト舞妓”が沢山だって裏話を聞くと、残念な気がしてくる。
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コメント
確かに関西人ってエセ方言を嫌いますね。ニュアンスで会話するような方言なので、エセだと「通じると思ったのに通じひんやん!」ということになるのが嫌なのかも。
それにしてもこの映画における周防組の役者さんたちがみなさん素晴らしいこと。やっぱりいい俳優が揃うと映画も自然と面白くなりますね。
投稿: にゃむばなな | 2014/09/20 23:06
こんにちは♪
あまりミュージカル映画が得意でねぇし、ましてやそれが
国産のとなるとかなりキビしいものがあったんすけど、春
子に思いっきり肩入れしたりウルりとさせられたりで、な
んだかんだで、全力で楽しんじゃいました。
でもやっぱり、ミュージカル映画はチョットに変わりはね
ぇんですけどね♪ (゚▽゚)v
アルバイト舞妓もいれば、舞妓さんの衣装&化粧させて京
都の町を歩かせるサービスもあったりす
るから見極めが難しいですよね。でも本物や稽古帰り時の
舞妓さんがいれば土産物屋のひとが教えてくれたりするん
すよね。
ちなみに関東の人間でエセ関西弁を使うやつはあまり快く
思われませんぜ。
投稿: 風情♪ | 2014/09/21 14:27
■にゃむばななさん、こんにちは
>周防組の役者さんたち
もうすっかりおなじみになりましたね。
個性が強くて芸達者なところは、三谷組より好きです。
関西弁、まねようとは思わないけれど近くで喋り捲られると、なんとなく移ってしまうのはなんででしょうね?
投稿: たいむ(管理人) | 2014/09/23 13:50
■風情♪さん、こんにちは
単純明快なストーリーにびみょうなミュージカル。
でも、京都やお茶屋のお話は面白く、周防監督作品はそれだけでなんだか好きです。
地元の方言をドラマとかで聞くとヘンで仕方がないですよね。
真似られて気持ちが悪いのは関西弁に限ったことではないかもしれません。
投稿: たいむ(管理人) | 2014/09/23 13:54
こんにちは~。
楽しくて温かい作品でした♪。
よくわかる花街講座も展開してくれていましたので、
(やっぱり敷居は高いですが:笑)、京都ならではの伝統の根底はおもてなしの心なのね(^^)と嬉しくなりました。
(お遍路さんと一緒)
>芸達者な”周防組”
皆様、安定☆でしたね。
草刈さんの網タイツとシャチホコ、凄かったです。
髙嶋兄を上手にあしらう彼女が惚れてる小日向さんに、
あやうく惚れそうになったり、
津川さんは、リアルお茶屋さん遊び?かと…。
舞妓はレディ~~♪。
横揺れしながら笑顔になれまする~。
投稿: みぃみ | 2014/09/24 16:02
あ~やっぱりミュージカルアレルギーがでちゃいました。
うぅぅ・・・。
俳優さんにはなあんの罪もないのですが
申し訳ない・・どうにもええ感想がかけませんでした。
ただ、それが悪かったかというとそうでもなくて
まどろっこしい説明や個々の内なる気持ちを
テンポよくわかりやすく表すには十分ええ効果だったのですが
それでもあ~なんでこうなったのってのが
残っちゃいました・・・。けっこうみなええ評価してるんだけどな~・・・(´・ω・`)
投稿: Ageha | 2014/09/25 12:28
ミュージカル要素を取り入れた作品とは思わなかったけど、耳に残りそうな歌詞が多かったですね(笑)
舞妓として表舞台に立つまでの過程も、良く描かれていたと思います。
投稿: FREE TIME | 2014/09/25 23:58
■みぃみさん、こんにちは
>よくわかる花街講座
周防監督ならではの作品でしたね。
ミュージカル的には、エンディングなんかインド映画みたくなってしまったけれど、勢ぞろいが大団円ぽくって嫌いじゃないっス。
>津川さん
居るだけで貫禄。
投稿: たいむ(管理人) | 2014/09/27 14:02
■Agehaさん、こんにちは
仕方がないですよ~。
そういうのたまにありますし。
私としても、ミュージカルといてならばそれほど評価はしてませんぜぇ(^^;
投稿: たいむ(管理人) | 2014/09/27 14:04
■FREE TIMEさん、こんにちは
>舞妓として表舞台に立つまでの過程
なかなか知る機会がない事ですし、こういうのを描かせたら周防監督はうまいなっていつも思ってます。
投稿: たいむ(管理人) | 2014/09/27 14:05
関西の人って「はる」って言葉ですべての敬語を表してしまうんですが、その微妙なアクセントはマネできないですよね。
でもって、関西弁と京都弁は確かに違う。
そのあたりから、舞妓さんの修練などすごく興味深かったんですが、やっぱ、ロケと作り物の差が気になって・・・。
もっともっと、ミュージカル部分の舞台を作り物にしてしまえば、本物との差は気にならなかったのではと、そこが残念。
投稿: mariyon | 2014/09/28 21:31
■mariyonさん、こんにちは
京都といえば、mariyonさんは少なからず縁のある場所ですもんね。”ロケと作り物の差”が気になるあたりさすがです。
御遊び風だから言われる通りセットで全部まかなっても悪くなかったかもですね。
投稿: たいむ(管理人) | 2014/10/01 18:13