« 「渇き。」みた。 | トップページ | 「マレフィセント」みた。 »

2014/07/01

「her 世界でひとつの彼女」 みた。

Her

第86回アカデミー賞脚本賞の受賞作品。
「人間と人工知能との恋」を描いた作品なのだけど、人工知能:サマンサとしてスカーレット・ヨハンソンが声だけ出演してところも注目ポイント。・・で、声だけだとあのハスキーなところが色っぽさを2割増しさせていたような気がした。
それにしても一般公開されている→の画像の女性が妄想上のサマンサかと思っていたのだけど、全然違うじゃん!ちょっと紛らわしいんじゃない??

あそこまでほぼ人間化した完全無欠のAIならば恋に落ちちゃうのもなんとなくわかる気がしないでもない。
この作品の斬新さは相手が「声」だけの無形の存在ってところ。AIを搭載したアンドロイドに恋をするって話は過去にあったと思うけれど、AIと知っていても恋に落ちてしまうって設定が時代だなぁと思う。とはいえ、大昔は文通から、現在はネットを通じて会ったこともない相手と恋に落ちるって話は良く聞く話で、合わせ技と考えれば今までなかったのがおかしいくらい。

けれど、人間の恋愛にはやっぱり心と体の両方があってこそだし、価値観とかレベルとかも決して無視できない部分。「ああ、それしかないよね」ってオトシドコロは納得するものだった。
あっという間に人間を超えていってしまった彼ら。学習しながら永遠に進化し続ける彼らが肉体に憧れたのはほんの一瞬のことで、それが無意味なことだと気が付くのにも時間はさほどかからなかった。
でも人間は違う。人間ほど曖昧で不完全なものはないわけで、それも人間の数だけ個性を持っている。それをきっと彼らは理解できない。人間らしく感情の片りんを見せていながら、結局合理的で論理的な結論を導き出してしまった彼らなのだから相容れない。

そうと改めて理解するという意味ではAIとの恋愛体験は面白いのかもしれない。とはいえAIとの会話を「楽しいんだろうなぁ~」って思うのは、リアルが充実していないってことになるのかな?なんて思ったりも。
否定はしないが肯定も出来ない、そんなお話だったと思う。

好感度:★★★★

セオドアがハマっていた冒険ゲームの小生意気なマシュマロ坊やが可愛かった。ちょっとやってみたいかも?

| |

« 「渇き。」みた。 | トップページ | 「マレフィセント」みた。 »

コメント

2次元キャラに恋をするヲタク少年たちの物語とこの話は似てますよね。
要は声だけとはいえ、目の前に理想の女性がいる。
そこから肉体を求めれば普通の恋愛、無垢に愛だけを求めれば純愛であり偏愛でもある。
その微妙なラインをどう受け止めるかで、この映画の評価は変わりそうですね。

投稿: にゃむばなな | 2014/07/03 09:57

そうそう、わたしも予告のラブラブ、妄想だとばかり思ってた。
ゲームのマシュマロ坊やもママさんも、ちょっとエロいことしても実態があるので笑えるけど、OSサマンサさんはちょっと無理だったわー。
そういうの抜きだとばかり思ってたから、えっ?!てなっちゃったっきり、戻れなかった(爆)
彼女が書いた絵、ドン引きでした(滝汗)

投稿: オリーブリー | 2014/07/07 01:45

■にゃむばななさん、こんにちは
ケータイ彼氏や彼女とかのゲームってコレみたいなもんですよね。
「薄桜鬼」はアニメでは楽しめたけど、さすがにゲームで主人公で彼らのだれかと恋愛とかは自分にはないっす(^^;
それ自体は否定はしませんが。

もっとピュアな作品かと思っていただけにアレレといった感じ。

投稿: たいむ(管理人) | 2014/07/07 09:19

■オリーブリーさん、こんにちは
ですよねぇ(^^;
昔で言うところのテレフォン○○○みたいなのが始まるし、私も「えー?!」でしたわ。

脇の下のアレはないですよねぇ。
ヘンに生々しさのある作品でした。

投稿: たいむ(管理人) | 2014/07/07 15:41

遅ればせながら、鑑賞してきました。

スカーレット・ヨハンソンの声がかなり良かったです♪
あのハスキーヴォイスで、あんなことを言われたら…。

人間とOSの恋愛を描きつつ、
結局な人と人との繋がりを描いていたのだと思いました。

投稿: BROOK | 2014/09/27 14:19

■BROOKさん、こんにちは
スカちゃんのハスキーボイス、色気ムンムンですよね。
ドンビキしそうなところもあったけれど、近未来そんなことも有りそうな無さそうな、スルー出来ない感じではあります。

投稿: たいむ(管理人) | 2014/10/01 17:57

こんにちは。

>否定はしないが肯定も出来ない、そんなお話だったと思う。

本当にそんな感じでしたね。
なんか近未来には本当にありそうだな~って思いました。

投稿: Nakaji | 2014/10/18 20:14

■Nakajiさん、こんにちは
ありそうでまだまだそこまでは無理そうで、とりあえずペッパーくんなら色気は感じないし、最初の一歩としては面白いかとか思ってます(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2014/10/19 13:49

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「her 世界でひとつの彼女」 みた。:

» her 世界でひとつの彼女/HER [我想一個人映画美的女人blog]
「マルコヴィッチの穴」「かいじゅうたちのいるところ」「Im here」の スパイク・ジョーンズが監督と脚本を手掛けた近未来ラブストーリー 今年いちばんくらいに楽しみにしてた、久々のスパイク・ジョーンズ監督&脚本作。 アカデミー賞作品賞ほか5部...... [続きを読む]

受信: 2014/07/03 00:36

» 『her/世界でひとつの彼女』 [こねたみっくす]
ラブレターのようなステキな恋の映画。スパイク・ジョーンズ監督のロマンチストぶりに酔いしれてしまいます。 子供心をベースに大人の様々な感情をトッピングする名手が人口知能 ... [続きを読む]

受信: 2014/07/03 10:00

» her/世界でひとつの彼女 [心のままに映画の風景]
そう遠くない近未来のロサンゼルス。 “代筆ライター”のセオドア(ホアキン・フェニックス)は、離婚調停中の妻キャサリン(ルーニー・マーラ)への思いを断ち切れず、悲嘆な日々を送っていた。 ある日、最新式のAI型OSの広告を目にしたセオドアは、さっそく購入してPCに取り込むと、サマンサ(スカーレット・ヨハンソン)と名乗るOSが起動する。 気転が効き、ユーモラスで知性溢れるサマンサに...... [続きを読む]

受信: 2014/07/05 20:20

» 『her 世界でひとつの彼女』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「her 世界でひとつの彼女」□監督・脚本: スパイク・ジョーンズ □キャスト ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド        スカーレット・ヨハンソン(声)■鑑賞日 6月29日(日...... [続きを読む]

受信: 2014/07/07 12:47

» 映画:her/世界でひとつの彼女 次の一手がいつも読めない スパイク・ジョーンズ新作は、期待以上の出来! [日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF STRUGGLE 〜]
期待の一作。 スパイク・ジョーンズの前作「かいじゅうたちのいるところ」は、かな〜り 印象的だったので。 子供の「心」の揺らぎ、を的確に描いていて、その痛みが突き刺さって仕方なかったのだ! このためその年のベスト10(2010年)でも 3位(上期ではトップ...... [続きを読む]

受信: 2014/07/08 01:15

» her 世界でひとつの彼女 [映画的・絵画的・音楽的]
 『her 世界でひとつの彼女』をシネマライズで見てきました。 (1)アカデミー賞脚本賞を獲得した作品ということで映画館に行ってきました(注1)。  本作(注2)の舞台は、近未来のロスアンジェルス(注3)。  主人公セオドア(ホアキン・フェニックス)は、本人に代...... [続きを読む]

受信: 2014/07/08 22:02

» her 世界でひとつの彼女 [to Heart]
原題 HER 製作年度 2013年 上映時間 126分 脚本:監督 スパイク・ジョーンズ 出演 ホアキン・フェニックス/エイミー・アダムス/ルーニー・マーラ/オリヴィア・ワイルド/クリス・プラット/スカーレット・ヨハンソン 人工知能型OSの声に惹かれる主人公と、生身の女性よりも...... [続きを読む]

受信: 2014/07/10 21:53

» 『her/世界でひとつの彼女』 FOMO症候群の私たちへ [映画のブログ]
 【ネタバレ注意】  東京ディズニーリゾートを訪れたときのことだ。  例によってアトラクションは長蛇の列で、数十分にわたり見知らぬ人の後ろをのろのろ歩かねばならなかった。  私の前には高校生らしい女の子の二人連れがいた。図らずも私は彼女たちの言動を何十分も観察することになった。  二人にはほとんど会話がなかった。  一人は手持無沙汰で突っ立っているだけだったが、もう一人はス...... [続きを読む]

受信: 2014/07/16 22:34

» 恋するOS~『her/世界でひとつの彼女』 [真紅のthinkingdays]
 her  "Hello,I'm Samantha."  手紙の代筆を生業とするセオドア(ホアキン・フェニックス)は、別居中の妻 (ルーニー・マーラ)との離婚に踏み切れずにいた。街で見かけた新しいソフ トウェア 「OS1」 をインストールしたセオドアは、「サマンサ」 と名乗るその  「声」 と恋に落ちる。  近未来のLAを舞台に、才人スパイ...... [続きを読む]

受信: 2014/07/26 12:59

» 劇場鑑賞「her 世界でひとつの彼女」 [日々“是”精進! ver.F]
OSと純愛… 詳細レビューはφ(.. ) http://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201409270000/ ★枚数限定ポスター★【ホアキン・フェニックス】her 世界でひとつの彼女 映画ポスター [DS]価格:6,800円(税込、送料別) 【楽天ブックスならいつでも送料無料】her/世界でひとつの彼女 [ スパ...... [続きを読む]

受信: 2014/09/27 14:17

» 映画『her/世界でひとつの彼女』を観て〜アカデミー賞受賞作品 [kintyres Diary 新館]
14-57.her/世界でひとつの彼女■原題:Her■製作年、国:2013年、アメリカ■上映時間:120分■料金:1,800円■鑑賞日:7月5日、ヒューマントラストシネマ有楽町(有楽町) □監督・脚本:スパイク・ジョーンズ◆ホアキン・フェニックス◆エイミー・アダムス◆ルーニ...... [続きを読む]

受信: 2014/10/11 18:52

« 「渇き。」みた。 | トップページ | 「マレフィセント」みた。 »