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2014/04/29

「終物語(下)」西尾維新/著

Owari_3

ファイナルシーズンの第5作目は『終物語(下)』。「まよいヘル」、「ひたぎランデブー」、「おうぎダーク」の3篇で構成されており、とうとう”物語シリーズ”も終焉を迎えることになった。
長かった・・・。とはいえ、番外編だかスピンオフだかシリーズの最終巻として『続・終物語』の刊行が発表されているから、実際はまだ終わっていないんだけどね。
事実上、『暦物語』の続きで始まる今回。「ああやっぱり」であり、「そう来たか」であり、「そういうことか」であり、「でもそう来るよね」となって、「なるほど上手いこと回収したなぁ」といった印象。概ね期待どおりストレートに着地してくれたという点では逆に「らしくない」ような気もするけれど、シリーズの最終話としては以前のように賛美に値するものと感じられた。

最後だからこそ、扇ちゃんの正体などネタバレだけを知りたがる方もいるかもしれないけれど、こちらにしてみれば長期間付き合うことになったわけで、これまでの苦労を思えばそんな勿体無いことは出来ないのでごめんなさい。
でも「え?」なところで終わっていた『暦物語』の続きとしては、暦が真っ二つにされたところで”心渡”は怪異を斬る刀だし、対であり逆効果を発揮する”夢渡”が存在しているとなれば、臥煙さんがこれからしようとしていることの大筋は初めからうっすら見えていたし、予想通りといったところ。

怪異として一回死んで、人間として生き返る。
一旦送り込まれた死後の世界で、真宵ちゃんはじめ”死んだはず”のキャラから明かされる真相っていうのも素直に信じられる雰囲気を醸し出すしものだし、本当に上手くできた筋書。それでも、結局のところ無意識的にも常に臥煙さんの斜め上を行ってしまう暦だということがこのシリーズ全体の肝であり、すべてにおいてそういうことだった、というオチはすんなり納得できるものだった。
つまり扇ちゃんの正体はおそらく誰でも納得できるものと思う。『花物語』で性別が変わってしまったこと(これは別に変えなくても良い気もするけれど)、その名の由来(ややこじつけ臭いが)、「阿良々木先輩が知っているんです」というコトバの意味、なぜか彼女を疑わないどころか抗えない暦などなど、すべてにおいて腑に落ちる。
最初からそうするつもりで生み出したキャラだったのだとしたのならば流石というか、”忍野扇”なくしてセカンドシーズンとファイナルシーズンは成立しないのだとつくづく思った。ただ、あまりに特殊で大きすぎる存在だから、そうなる理由を説明するための各種エピソードが必要で、全体として膨大になってしまった気はする。(その意図が分からないから苦痛に感じてしまったわけで)。
『花物語』を早い段階で入れてきたのも、着地点がブレないようにするための予防策だったと思えなくはないけれど、先に張った伏線は、時に手かせ足かせになってしまうから、迷走気味になった原因のような気もする。

最終的に、扇ちゃんの正体が明かされ、その始末が暦に託された時点で結果が見えてしまったのも残念といえば残念なところかもしれない。扇ちゃんのことはともかく、読者だってここまで長く阿良々木暦と付き合っていれば、彼の決断は想像がつくしね。(本当に往生際の悪いヤツだ)。
とはいえ、収まるところに収まってくれたのは本当に良かったと思うし、とても嬉しい。
もしかしたら再登場しないのかもと思っていた彼が来てくれたのも嬉しかったなぁ。シリーズ通して彼の貢献度は高かったし、最後に美味しいところを掻っ攫っていったのはアリでしょう。

あと少し、このシリーズに付き合わなければならないけれど、きちんと終わってくれてほっとした。TVアニメスタートの頃からの付き合いだから約5年?疲れたけれど途中で投げ出さなくて良かったと思うだけの終焉を迎えられて本当に良かった。(感想アップを投げ出さなかった自分もエライ!)

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コメント

お久しぶりです(`・ω・´)ゞ

終物語下でなんとか形になったのはファンとしてはうれしい限りです(;´Д`)フラグのほとんどを回収しただろうしあと何かあったかな?って思うくらいきれいに終わったのにフラグの数が尋常じゃなさすぎてまだ回収しきれてないのがあるから続編があるのかな?といろいろと気になる今日この頃です(;・∀・)

これが映像化されるのは来年になりそうですが結構楽しめそうな気がしますねw しかし傷物語はどこへいった・・・

>>(感想アップを投げ出さなかった自分もエライ!)
ほんとに同感です!途中のgdgd感やばかったのにいつも素晴らしいレビュー投稿感謝です(`・ω・´)ゞ

投稿: 瞬光 | 2014/06/10 12:40

■瞬光さん、こんにちはsun
あそこまで枝葉が広がったものが、よくもまぁ上手くまとまったものだと、感心してしまう〆でした。
まぁそこに持っていくために余計な登場人物やエピソードが増えてやたら長くなった気もするけれど、とにかく終わってくれてほっとしています。
あとは、何なんでしょうね?
大学受験の合否?
「花物語」でもそこはちゃんと触れられていなかったような?一応両親からご褒美もらっているからたぶんとは思うんだけど。

こちらこそ、このシリーズのご縁でおつきあいいただきましてありがとうございました。
とても楽しいやり取りでした。
また何かの機会でこのようなやり取りが出来たら嬉しいですね(^^)

投稿: たいむ(管理人) | 2014/06/12 17:26

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