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2013/10/18

「ダイアナ」みた。

Diana

36歳の若さで他界した世界で最も有名な女性のひとりであるダイアナ元英国皇太子妃の最期の数年を描いた映画で、ダイアナ個人とその哀しきロマンスを描いた作品。
とにかく、ナオミ・ワッツのなり切りっぷりがお見事だった。新聞や雑誌の写真もすべて差し替えてあるし、本物のお顔が思い出せなくなっちゃった。(確認して、やっぱり本物のほうが断然可愛いって思ったけど)。

しかし、正直なところ、この映画をどう捉えてよいのか戸惑っている。
絶大な人気を誇っていたダイアナ元妃。ご成婚の様子も記憶しているし、その露出度・話題性の高さから人となりのようなものは世間並みに知っていてそれなりに好印象だったし、しつこいパパラッチは気の毒にも思っていたけれど、所詮他国の雲の上のことだし、離婚に至った経緯も、その後の恋人関係も、「謎多き」といわれている交通事故の真相も、特別興味はなかったし、若くして亡くなられたことを残念に思う程度でしかなかった。

そこでダイアナを”ひとりの女性”として描いているこの映画。
どれだけが真実でどれだけが創作なのか分からないのだけれど、いずれにしても離婚後の彼女を”ひとりの女性”というには、彼女はすでに王族(特別な存在)になりすぎていたようにしか思えなかったし、いったい彼女の何を描きたかったのかさっぱりわからなかった。
”恋する女性”としてラブラブモード全開なのは良いとしても、結局その思考もその行動ももはや一般の範疇を超えていたわけで、ハスナットはどこか不憫だし、空回りする彼女はだんだん憐れにしか見えなくなってきて、同情はするけれど好感は持てないというか、ハッキリ言って、この映画によってダイアナ元妃の私の中でのイメージがダウンしてしまったんだよね。(見えないところので想像出来得る苦悩を考慮したとしても)。
特にドディの扱いの酷さったらない。完全に当て馬にされてしまっている。例えば彼女自身によるマスコミへのリークが事実だったにしても、実際ハスナットへの未練がタラタラだったとしても、この感じでは一緒に亡くなったドディの立場がまったくない。
映画として、ダイアナ元妃の”タダの女”っぷりを描きたかったとしても、永遠の”プリンセス・ダイアナ”である彼女に対して「なんだかなぁ~」という印象が最後に残ってしまうのは如何なものだろう。

なんだか献花に訪れたハスナットと、パレスの警備員や側近とのアイコンタクトが一番印象深く残った映画になってしまった。

好感度:★★★++

もちろん、映画によるイメージダウンな印象とダイアナ元妃の功績をたたえる気持ちは別物ということで。

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コメント

こんばんはー。

同じだー!
一人の女性と言っても、一旦、そういう高貴な公の地位にいた人を私たち平民と同じ土俵で物事を進めるのは無理でしょう。
今さらイメージ下げるようなお話見せて、どうすんのよ~もう静かに眠らせてあげてって感じ(滝汗)
ドディさんだってこれはあまりにも気の毒だよね。

投稿: オリーブリー | 2013/10/19 01:20

いいイメージで構築されたダイアナさんを嫌な部分もある「一人の女性」として描いているので、こういう感想が出てくるのが普通だと思いますし、製作側もそれを意図したのではないでしょうか。

ダイアナさんも所詮は一人の人間、一人の女性。
世間はダイアナさんを綺麗に見過ぎていないかというアンチテーゼでもあると思いました。

投稿: にゃむばなな | 2013/10/19 11:19

ダイアナの“秘密”を無理やり見てしまったような感覚に陥ったものの、
こういった“真実”があったことは初めて知ったので、かなり興味深く鑑賞することが出来ました。

そうそう、ラストのハスナットと警備員とのアイコンタクトはたしかに印象的でしたね。

投稿: BROOK | 2013/10/19 14:28

■オリーブリーさん、こんにちは
なんか辛口になったなぁと思っていたけれど、オリーブリーさんも似たり寄ったりで、やっぱり?とか思ってほっとしました。

やっぱ女性目線ではそう感じちゃいますよね。
女性として、ダイアナの言動に対して厳しい採点になるところと、女性だからこそそこまで嫌らしく描かなくてもって思う気持ちと両方で。

こんな描き方なら蛇足だよなぁって思ってしまいました。

投稿: たいむ(管理人) | 2013/10/19 16:22

■にゃむばななさん、こんにちは
>世間はダイアナさんを綺麗に見過ぎていないかというアンチテーゼ
確かにそうだとしても、いろいろあったうえで亡くなった方ですし、下方修正するような作品はどうかなぁって感じます。

”ひとりの女性”だという意図もわかりますが、もう少しアイもある感じにしてほしかったところです。

投稿: たいむ(管理人) | 2013/10/19 16:26

■BROOKさん、こんにちは
なんだかゴシップ記事の事実の部分の詳細な内容を見せられた気分でした。
これが何割かでも真実だとしたら残念な感じだし、偶像のままのイメージでも良いんじゃないかって思ったりも。

投稿: たいむ(管理人) | 2013/10/19 16:29

こんばんは♪
本命はドディじゃなくてハスナットだったというのを描きたかったんですかねぇ。
ドディの扱いがなんだか....かわいそうになりました。
それにダイアナさんについてもイメージダウンになりますよねぇ(汗)
もう亡くなられた方なのでそっとしてあげたい...

投稿: yukarin | 2013/10/19 23:50

■yukarinさん、こんにちは
そう、事実はどうあれ、亡くなった方が残念な描かれ方をされるのは悲しいです。

離婚から彼女もひとりの人間でただの女だってことは判ってましたし、今となってはそれはそれとして虚像偶像でいいんじゃないかって思いながら見てました。

投稿: たいむ(管理人) | 2013/10/22 16:16

おはようございます。
自分も、この映画を観ていると、悪いイメージを余計に植え付けてしまうような感じを受けました。
エンドロールに入る前の字幕で彼女の功績を記していたのが、せめてもの救いでした。

投稿: FREE TIME | 2013/10/27 10:10

■FREE TIMEさん、こんにちは
そう、悪意ではないにしてもこれはなぁって印象で、この映画で何を主に訴えたいのか疑問でした。

いまだに影響力のあるダイアナ元妃なのだし、とってつけたような功績では、私としては、悪印象はぬぐいきれなかったです。

投稿: たいむ(管理人) | 2013/10/27 15:30

こんにちは。ご無沙汰しております。

>映画として、ダイアナ元妃の”タダの女”っぷりを描きたかったとしても、永遠の”プリンセス・ダイアナ”である彼女に対して「なんだかなぁ~」という印象が最後に残ってしまうのは如何なものだろう

って本当に思いました。
なんかもっと彼女の魅力を描いてほしかったと思いました。
これじゃあ、恋だけなんですよね。。。

投稿: Nakaji | 2013/11/22 11:33

■Nakajiさん、こんにちは
こちらこそご無沙汰でした。

ですよね?
確かに離婚からはゴシップ記事の女王みたいな扱われ方していましたが、いまさらそこをクローズアップしなくたってねぇって思ってしまいました。
残念です。

投稿: たいむ(管理人) | 2013/11/23 13:06

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