「ガッチャマン」みた。

アニメ『科学忍者隊ガッチャマン』の実写映画。カッコ良い予告編とほんの少しだけキャストに惹かれるところもあったので観てみることにしたのだが、アイタタタ。子供が観るには馴染みが薄く、ガッチャマン世代の大人が観るには軽くてペラいストーリー。俳優人気で若い世代ならそれなりにキャッチできるかもしれないが、シリーズ化はどうだろう？ED後のラストカットでは続けたい意向まで感じられたけれども・・・。

オリジナルアニメの設定を随所に取り入れながらも、実写版としてほぼオリジナル作品といって良さそうなストーリー。また「軽い」とは言ったものの、一応”ガッチャマン”であり”ギャラクター”とは何であるかを明確に定義した上で、”適合者”という”選ばれし者”というだけで基本的人権をはく奪されて”正義の味方”を押しつけられた子供たち怒りや苦悩、任務か個人の意思かという自身への問い、優先すべきは掟か仲間か、そして救うべき命の選択と、描きようによっては深く掘りさげられるテーマも盛り込まれてはいた。
けれどどうしてこんなに薄っぺらく感じてしまうのか。
同時期に『スター・トレック　イントゥ・ダークネス』が公開されているタイミングの悪さもあるかもしれない。そういう意味では最初から比較する気も、期待すらもしていなかったのだけれど、不憫なことに被る要素が多々見られるだけに、大きな差がありありと感じられてしまうのだから仕方がない。

やはり映画単発で”5人チーム”+αは厳しいのかもしれない。主にケンとジョー、ナオミを中心に描かれてはいたものの、”チーム”であるだけにジュン・甚平・竜をモブには出来ないわけで、必要な彼らの見せ場や背景で大きく尺を割くことになった。おかげでテンポは滞るわ、小ネタにも笑えないわ。辛うじて地球の一部で生存を許されているという割には普通に暮らしている一般市民や、１分１秒の長さが都合よく調節され過ぎているのも危機感が薄くなる一方だし、子供向けに作ったのではないのなら、もう少し何とかしようがあったのではないかと残念がいっぱい。

まぁVFXを駆使した破壊の様子やアクションシーン、お馴染みの輪になって降下する影とか、着地姿勢でのマントのハタメキ加減とか、”科学忍法火の鳥”と化したゴッドフェニックスとか、要所要所での懐かしいカットや予告編どおりのカッコ良さくらいは味わえたかと思わなくはないが。

好感度：★★★+