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2013/06/07

「暦物語」西尾維新/著

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ファイナルシーズンとなる第2作目は『暦物語』。いつもならば【こよみ〇〇】と副題が付くところだが、今回は12篇からなる短篇集で、それぞれに「こよみストーン」「こよみフラワー」「こよみサンド」「こよみウォーター」「こよみウインド」「こよみツリー」「こよみティー」「こよみマウンテン」「こよみトーラス」「こよみシード」「こよみナッシング」「こよみデッド」と付けられており、特に『暦物語』としての代表は設定されていないようだ。
前作巻末での予告によれば『終物語』『続・終物語』で終わるはずだったファイナルシーズン。ところが、やはりというかこのシリーズは読者を裏切るのが真骨頂のようで、キャッチコピーのとおり《100%突然書かれた小説》として当たり前のように追加された。作者談によれば、作者が長期化して長くなった話を一旦振り返る必要性を感じたことから生まれた副産物のような位置づけと思われるのだが、中身は私にとっては特別あってもなくても良いような話がほとんど。まぁ終わりの2篇こそ前作『憑物語』とも密接に関連する話ではあったけれど、あとはもはや読み返すことも無いだろうシリーズの個々のエピソードをぼんやり思い出しておさらいできたかなぁといったところかと。

とりあえず、セカンドシーズンから時系列がバラバラになっていたこともあり、確かに整理した上で4月から3月までの1年間を振り返り、それなりに穴埋めされたのは有り難いことではある。けれど、だからと言って物語の終焉終息こそを心待ちにしている自分にとってはじれったいばかりの寄り道、ともいえる。
書きたくなるような感想もないし、とるに足らない個別のあらすじは省略、”Wikipedia”でも参考にして欲しいと思う。

それでも、ラストに登場した臥煙さんの話は奥深くてワクワクした。2月3月の話のおかげでこの本を読んだ価値があったと思わせてくれるものだったから。
確かに会話の内容からは確信できるものは何一つなく、暦も読者もはぐらかされっぱなしに違いないのだけれど、やはり『花物語』が時系列としてシリーズの最終話だとして、初めから完全に”猿の手”が治るにはそれなりに時間がかかるだろうと設定されていた神原が最後だったのだと自分なりに一つの仮説に辿り着くと、なんだかアレコレ線が繋がって見えてくるような気がした。
全てを掌握している臥煙さんの言動だからこそ信じられるというのだろうか、そう、臥煙さんは怪異しか斬れない刀でを怪異を斬っただけ。間違いなく『花物語』において阿良々木暦という人間は健在なのだから。(ただ、それにしても残り2作とは長いというか、どこからどこまでどういう風に描かれ、締めくくられるのかサッパリ見当もつかないし、想定の範疇をあっさり越えてしまうのがこのシリーズだからね)。

・・とはいえ、暦なのか、作者なのか、読者サービスなのか、本当に真宵ちゃんが大好きなんだなぁ~って思う〆ではあったかも。

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コメント

お久しぶりです。

私もやっと読み終わったのですがこれ必要なの?って話が前半に大量で、思わず積んでたとこでした^^;過去の作品が多すぎて途中時系列がわからなくなりwikipediaを参照しながら見たのですが、このブログでやっと整理できた感じです^^;個人的にはアニメの総集編みたいなまとめの本出して欲しいくらいですが・・・

結局臥煙さんに切られたのは忍なのかな?そうじゃなければなぜ動けなかったのだろ?というのが疑問なのですがこれは後に話されるのか私の理解が足りなかったのかな。。

あと2作ですがレビュー楽しみにしておりますm(_ _)m

投稿: 瞬光 | 2013/06/29 20:22

■瞬光さん、こんにちはsun
この期に及んで覚書をわざわざ小説にして刊行しなくたってってやっぱり思ってしまいますね。
シリーズは無駄に長期化してしまったので、既にシリーズ本を手放している私としては、整理できて良かった面もあるけれど、簡単な年表の一つも付録に付けてくれれば済みそうなものでもあるわけで・・・とやっぱり苦言が多くなりそうです。

実際のところ、暦がどうなったのか私にも分かりません。今この段階で忍を消滅させなければならない理由も分かりませんし。
後の暦の生存は判っていても、受験の合否には触れられていないし、車を買ってもらったことがそれに当たるのかどうかも、やっぱり解決編をみないことにはねぇ。
それにしても引っ張り過ぎ。
アニメも発刊どおりに勧められていくみたいだけど、まぁおさらいしながらまつしかなさそうですね。

投稿: たいむ(管理人) | 2013/07/01 09:44

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