「言の葉の庭」みた。
内容は、将来は靴職人を目指している高校生のタカオと、平日の雨の公園で出逢った謎めく年上女性:ユキノとの雨の日の午前中だけの淡い交流から、確固たる自分の居場所を求めていた同士、互いの気持ちを通わせることでお互いがそれぞれに癒されていくのだけど、どうにもならない現実に直面し、互いを思い遣りながら、やはりそれぞれ自分の道を歩きはじめる・・といった感じの物語。
ユキノの素性については、まず成人女性である事は間違いなく、初めて出逢ったときに学校関係者らしいといったヒントが与えられており、展開としては想定の範囲内といったところだろうか。(ビールとチョコレートのマッチングは私も気になったので、タカオが内心で突っ込んでくれたのが何気に嬉しかったなぁ。)
でも、「それがどうして」という部分は明かされてみないと判らないし、最終的な彼女の選択も、その立場もあってどっちに揺れるのか最後までわからなくってドキドキだった。
正直、『秒速5センチメートル』での哀しきすれ違いはトラウマっぽくなってるしね。
けれど、今回は、まぁ、なんだ、「それはアリでしょ」って思えたし、その後のその先に大人同士の愛として昇華されるかどうかは未確定とはいえ可能性は残されており、例えずっと良き理解者といった関係のままで互いの道を歩み続け、それぞれにパートナーを見つけることになってもそれはそれでいいなぁと思えたし、とても気持ちの良い作品だった。
鳴る神の 少し響(とよ)みて さし曇り 雨も降らぬか 君を留めむ
鳴る神の 少し響(とよ)みて 降らずとも 我(わ)は留まらむ 妹し留めば
雨の日限定の逢瀬でありながら、本当は「雨なんか降らなくても・・」なんかに繋がって行くところもなんか良かったなぁ。これは『万葉集』だけれど、『ちはやふる』とか『うた恋』などで和歌に触れる機会が多くなっていたこの頃でもあり、なんだかツボにハマってしまった感じ。
機会があればもう一回観たい。
雨や水溜り、木々の描写が美しく、Blu-rayが欲しくなってきたかも。
好感度:★★★★+
同時上映の短編アニメ『だれかのまなざし』は飼い猫の視点から「家族の絆」が描かれた作品。家族だからこそ張ってしまう虚勢とか甘えとか、猫にはバレバレでこちらもなかなか素直に慣れないながらも思い遣りに溢れたところが気持ち良い作品だった。
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コメント
たいむさん、こんばんは。
新海監督の新作、とても気になってるんですよー。ジブリの呪縛を出し切って新たに解き放たれた新海監督がどう変貌しているのか。
まぁ「秒速…」はそもそもジブリテイストはなかったですし、綺麗すぎる景色と裏腹にリアルはとても残酷でそれでも前を向いて生きていく、というのが新海監督の真骨頂かと密かに思っています。
ハッピーエンドにならないのは予告編からも想像できますが、それぞれの心の機微がどのように描かれてどう消化されるのか。たいむさんの評価が高いのを見て増々見たくなりました。と言いつつ、明日は昼勤&夜勤。見るのはまた今度です><
投稿: GAKU | 2013/06/01 19:30
■GAKUさん、こんにちは
実は「星を追うこども」は観ていないんですよ。
なので、私の新海監督評はずっと変わっていなくって、この作品を見ながら、なんの違和感もなく「新海作品」として受け止めました。
それでいて、細田監督が結婚した時の『サマーウォーズ』だったり、お子さんが生まれる少し前の『おおかみこども・・』で見られた変化みたいなものが、新海監督のこの作品でも見られたように思いました。
子供が大人になることで変わってしまうことだったり、大人になっても環境が変わることで受ける影響というものは、プラスだけでもマイナスだけでもない、みたいに思ったというか。
若干、贔屓目のはいった評価になっているかもしれませんし、ほかの方の評価はひとつも観ていませんが、私は好きでした。
切なさに感極まって涙がボロボロ溢れるのではなく、堪えていた気持ちを表に出した頑張りに、嬉しくなってなんだか涙がこぼれたって感じでしたから。
投稿: たいむ(管理人) | 2013/06/02 09:59
たいむさん、こんにちは。連投失礼します。
どうしても観ておきたくて昨日は徹夜明けで観てきました。
最初の予告編あたりはとても眠くて
「うわー寝不足できたのはマズった。寝ちゃったらどうしよう。」とか。
でも本編がはじまったら作品が良すぎて眠気なんか何処へやら。
「だれかのまなざし」も心にぐっときて言の葉のアタリを確証しました。
今まで新海監督作品を見てきましたが、それらが完全に成熟されて
この短時間の中に詰まっていた気がします。
エンディング後は心の中でスタンディングオベーションww
内容だけ見れば青臭い恋心と大人のつまづきってところなんでしょうが、
新海監督のお得意の主人公のひとり喋り&美し過ぎる新宿の景色が心に刺さる刺さる。
途中は実写も混ぜてのか、その手法がアニメという別世界のことじゃなく、
自分たちも暮らす同じ世界の出来事だと思わせてくれた気がします。
二人の心がはじけたシーンで恥ずかしながら思わず涙ぐんでしまいました。
「秒速」とは違って明るい未来も残されたラストもエンディングテーマも良かった。
たいむさんが言うように、もう一度観たいと思わせてくれる作品でした。
投稿: GAKU | 2013/06/06 05:18
■GAKUさん、こんにちは
寝てしまう時はどんな時だって寝るし、寝ない時はどんなに疲れていたって寝ないものですね(^^)
私もね、成熟というか、移行というか、前進みたいなものを感じましたよ。
たぶんそれは新海監督も年齢を重ねているからだろうと感じます。
プライベートでも仕事でも、体験や経験がどんどん積み重ねられ、後悔や教訓による「if」の選択肢が増えてるのだと思います。
そう思うと、物語をつくるのに、どこのどの角度を切り取っても、あるいは組み合わせても、無限大に可能性があって終わりないですよね。
そこのサジ加減が絶妙なんですよ。
良い時もあるし、悪い時もある。それが人生。みたいな。
>アニメという別世界のことじゃなく、
ええ、本当に。年の差はあれど、彼らと同じ、等身大の目線に合わせて入り込んで視ていたと思います。
この作品はもともと架空の都市を描いたものではないけれど、何もかもがリアルに見えました。
しっかり「新宿御苑をモデルにしていますが、飲酒は禁止されています」なんて注釈が入ったのも、リアリティをリアルに受け取る可能性が高いことから配慮したものかと思ったりしました。
それはともかく、雨の新宿御苑があんなにも美しく感じられる感性が羨ましいです。
お金を出して見ても良いけれど、DVDとかって2週間もすれば発売なんですよね。
う~~~どうしようかなぁ(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2013/06/07 10:18
そうそう、この万葉集の句を探してたんです。
めっちゃうれしい~~。(≧∇≦)
こういう奥ゆかしさのある反面で
靴のサイズを測るだけでうわっとおもっちゃう。
恋まではなかなか発展しないけど
そこまでの淡々とした雰囲気が
クライマックスで一気にお互いの気持ちぶつけるから
そのインパクトもすごかったですね。
ミーハーで申し訳ないですが
雨の新宿御苑を自分でも歩きたくなりました・・・。
少しは心静かになれるかなとか、
心も雨で洗われるのかなとか・・・ほんとに思いました。
投稿: Ageha | 2013/06/09 16:24
■Agehaさん、こんにちは
本当に最近和歌に触れることが多くって、ユキノさんが口ずさんだ時から意味はそれなりに解ったのだけど、あのような返歌があるとは知らなかっったし、私もちゃんと知りたくって直ぐに調べましたよ~
登場人物も、見ている自分も、徐々に気持ちが高ぶって行くのがわかって、ワーッと吐き出したどころは感極まっちゃいました。
今年は空梅雨っぽくてここ2週間、東京は3回しか雨を観測していないらしいけれど、きっとたくさんの人が雨の新宿御苑を待っていることと思いますよ(爆)
投稿: たいむ(管理人) | 2013/06/11 14:16
和歌は古臭いとか、6月の雨は鬱陶しいとか言っている日本人がいたら、迷わずこの映画を見ろ!と叫びたくなるほど素晴らしい作品でしたよ。
何だか最近は雨が降る日を楽しみにしてしまうんですよね。
別に逢瀬を重ねる相手などいないのに。
投稿: にゃむばなな | 2013/06/20 11:14
■にゃむばななさん、こんにちは
雨の新宿御苑がにぎわっているんじゃないかなぁ~って思うこの頃ですね。
雨でも晴れでも気持ちの持ちよう。
いい映画をみたなーって充実感がありました。
投稿: たいむ(管理人) | 2013/06/21 13:27