「砂漠でサーモン・フィッシング」みた。
内容は、砂漠の国のイエメンに「鮭を泳がせてほしい」という大富豪の個人的な依頼が、いつしか英国外務省の支援による国家プロジェクトに発展。そんな荒唐無稽で無謀なプロジェクトにかかわる人間たちの恋や友情が描かれている物語。
アラビア半島といえば砂漠の乾燥地帯と考えがちだけど、どうやら場所や地形によってはそうでもないところもあるらしく、必要な条件を満たしているかどうかをきちんと調べれば、案外”理論的には可能”だってことになることもあるらしい。あとはそんなギリギリの可能性に賭けてみたくなるような何かを見つけた者だけが本気になれるということで、それが大富豪のシャイフ、水産学者のアルフレッド、シャイフの英国内財産管理を任されているエージェント会社のハリエットの3人だった。
とはいっても、そう簡単に話が進んだわけではない。とにかく頑なに拒絶姿勢を崩さなかったアルフレッドだ。よってそんな彼の心を動かしたシャイフの言葉が印象的となる。それは威圧的でもなく強制的でもなく諭すのでもなく、気持ちの持ちようについて、ただ理解を求める話しの進め方。
シャイフがバカげた計画を依頼したのは決して金持ちの道楽などというものではなく、「水資源」という現実問題を抱える近隣住民の生活改善を考えた、未来永劫の潤いと繁栄を視野に見据えた偉大なる事業として考えられたものだった。それは確かに彼のもつ理想像で「夢」には違いなのだけれど、そんな事業の本質であり彼の器の大きさや覚悟を全身で感じとってしまうと、自分自身の矮小さを恥じずにはいられないというか、もっと自分の人生の可能性を信じてみてもいいんじゃないかって気持ちになってしまうような、そんな説得力があるもので、アルフレッドが気持ちを変化させるのも頷けるものだった。
しかし、問題は鮭が生息できる環境を作れるか否かというだけではなく、反対派の地元原理主義者による妨害工作や、資源(鮭)の提供を拒む英国民の反発、プロパガンダ事業としか考えていない英国政府の思惑など、様々な問題が計画を挫折に追い込むことになる。
一方、同時進行していくアルフレッドとハリエットの恋愛模様はというと、やや予定調和が過ぎるというか、一見大人の純愛ちっくに纏められているけれど、片や配偶者あり片や恋人ありといった、まず円満では済まされない問題に無理やり理由をつけて解消しちゃったような感じなのが少しばかりいただけないかと。(妻も恋人も基本的に悪い人ではないのに利己的で偏見を持っているかのイメージを強調され、決定的な落ち度もないのに振られちゃうんだからちょっと不憫)。
でも、まぁ、本当の気持ちを押し殺しながら上手くいく恋愛はないわけで、素直にアルフレッドとハリエットのハッピーエンドを喜びたいところではあるけれど。
基本的に不可能を可能にするプロジェクトとか挫折からの再起といったサクセスストーリーにラブコメ要素が混じった作品は大好きなので、なんだかんだ言っても、この映画は好き。
好感度:★★★++
| 固定リンク | 0
コメント
こんにちは♪
なんかねぇ~ユアンが可愛い♪
なんとなくいいかなぁという感じの作品でした。
私も不可能を可能にする~というお話は好きですね。
それと富豪様が素敵でした(笑)
投稿: yukarin | 2013/01/30 12:55
■yukarinさん、こんにちは
そうなんですよね~。
フツーの冴えない系の男性の役のときのユアンってなんか可愛いんですよね。(ゲイ役じゃなくてもw)
登場する3人の誰もが素敵な人でしたね。
私も富豪さまに惚れました!!(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2013/01/30 14:31
こんばんは。
>大人の純愛ちっく
ユアンって、こんな感じがいいですよね~うぶさがたまらない(笑)
思いも寄らぬイケメンに終始ハートでした^^
アラブの服装、頭布がお似合いでプチ萌え(笑)
投稿: オリーブリー | 2013/02/03 01:02
■オリーブリーさん、こんにちは
そうそう、平平凡凡で素朴なところにキュンとさせられちゃう感じが良いんですよね。
いやぁ、ほんと富豪様が素敵で!
私もなんだか目移りしてましたw
アラブの民族衣装ってセクシーですよね(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2013/02/03 14:00