「LOOPER/ルーパー」みた。

ジョセフ君の30年後がブルース？ということで、めっちゃ楽しみにしていた作品。
そう言えばあまりまじまじ見たことが無いけれど、この2人の目の色って同じだったっけ？
とにかく似てるとは言い難い2人が、メイクの助けとジョセフ君のコピー演技によってだんだん同一人物に見えてくるから流石だ。ふさふさのジョセフ君が鏡を見て額の髪の毛をチラと気にするところなんかは芸が細かくって大笑い。
実は予告編で想像していたストーリーとはだいぶ違っていて戸惑ったが、「なるほど」と思えるような面白い作品だった。

30年後の未来ではタイムマシンが開発されていたり、それを悪用して未来での抹殺対象者を過去におくって強制執行及び死体遺棄させるようなシステムが出来上がっていたり、すでにかなりの割合で”超能力者”が生まれるようになっていたり、なかなか奇天烈な世界観。そのため前半は「ループ」の仕組みや現状、”ジョー”がこれから於かれる立場の説明がいささか丁寧過ぎるくらいになっており、なかなか進まない話にもどかしさを感じた。オールド・ジョー（ブルース）の登場も、ひととおりの説明が終わり、中盤に差し掛かろうってくらい？だったしね。
もともと私は「未来から送られてきた銃殺対象の男が自分だった」という予告編から、「未来の自分は何をした？」だとか、「未来の自分は過去で何をしようとしている？」とか、未来と過去の2人の自分が共闘しちゃうような話をイメージしていた。だからブルースの登場を今か今かと心待ちにしていたわけで、共闘どころか敵対？という状況へと頭を切り替える以前に、不満のような感情が先にたってしまったところがある。
けれど、（やっぱり必要以上の感はあれど）しっかりと”システム”を理解させておかないと、最後のオチとその構造が伝わらない可能性があるのかもしれないと思うところで、色々な意味で裏切られた分楽しめたように思っている今だ。

とにかく終盤は「みんなが助かる」ことを望んでいた私。けれどそれには矛盾がいっぱい。タイムパラドックスやオトシドコロが分からずグルグルしていた。
その結果は想定内半分、予想外半分といった感じ。
確かにこれならば辻褄もあうし、連鎖（ループ）を断ち切るためのこれ以上ない最善策。何せ発端を消してしまうのだからね。でも、そうまでして守った平和な未来はヤング・ジョーの希望的観測の域でしかなく、現時点では何も約束されていない、ハッピーエンドであり、バットエンドの物語。

雑念のおかげで入り込むまでに時間がかかったけれど、後半からはとても楽しめた。

好感度：★★★★

反芻すると結構奥深いストーリー。でも熟考すると矛盾もチラホラ見えてきそう？