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2012/12/09

『陰陽師 酔月ノ巻 : 夢枕獏(著)』 よんだ。

Onmyouji

約1年半ぶりとなる「陰陽師シリーズ」の新刊。
「銅酒の飲む女」「桜闇、女の首」「首大臣」「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」「めなし」「新山月記」「牛怪」「望月の五位」「夜叉婆あ」の9編からなる短編集。
いつもどおり清明の屋敷の庭で自然の理と四季の移ろいを感じながらほろほろと酒を酌み交わしているところに何らかの奇怪な事件が舞い込んでくる・・・というスタイル。馴染みの蘆屋道満も数編に登場してくれているのが嬉しい。
第何弾だっけ?ってくらいに長いシリーズになったものだが、マンネリ感こそが絶大なる安定感を醸し出しているなーといった印象。

マンネリ感が心地良いとは言うものの、今回はこれまでにないところも幾つか感じられた。
まず、これまでは博雅が清明と馴染みであることから頼まれて事件を持ち込んでくることが多かったように思うが、今回ははじめから清明に依頼(訪問の約束)があって、「源博雅様との先約があるが、同席でも構わないならどうぞ。」という流れから「構わない」となり、博雅は単なる立会人のような感じで事の顛末まで見届けるという形が多くなっていたように思う。まぁ感受性の高い博雅だけに、直接関与していようといなかろうと、いずれにせよしばしば中てられちゃう事にはなるんだけどね。
そして、今回は「新山月記」ほか作中に”漢詩”がいくつか登場している。白楽天などは『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』を彷彿するところだが、蘆屋道満が主人公になっている「道満、酒を馳走されて死人と添い寝する語」では、『翁‐OKINA 秘帖・源氏物語』での道満を思い出す感じで、良い意味で”夢枕獏作品”の共通性を思うところ。

強いて言えば、私個人的には”呪”の話が大好きなので、博雅が清明に”呪”の話はしないでくれと言い、風向きがあやしくなると直ぐに話を止めさせてしまうのをいつも残念に思うのだけれど、天然の博雅がふいに”呪”につながる話をはじめてしまうところや、清明が照れちゃうようなことを当たり前のように口に出してしまうところもとても大好きで、今回もその両方が盛り込まれていたので、「うんうん」とニッコリホッコリさせてもらった。
月日の流れから書き方や表現方法が少しずつ変化していったとしても、この2人の関係でありやり取りだけはいつまでも変わらないでいて欲しいと思う。

小説連載25周年記念本の「『陰陽師』のすべて」は結局まだ購入してもいないのだけど、無性に読むたくなってきたかも。

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