「名探偵コナン」78巻 雑感
78巻は、黒の組織が深く関わった「ミステリートレイン《ベルツリー号》」内での一部始終と、その後の2つの事件(1つは怪盗キッドがらみ)という、なかなか濃い内容になっていた。
沖矢・世良・安室の3人の候補がいる中で、やっと“バーボン”の正体がハッキリし、残る2人の素性も明かされた今回。
それは思っていたとおりだったわけだが、延々と出し惜しみされて興冷めする一方だっただけに、ひとつのエピソード内で丸ごと白黒つけてくれたところはとても良かったと感じた。
“怪盗キッド“予告(伏線)から本登場までが(かろうじて)1巻内に納まっているのも一連の流れとして好感触。今後終盤に向けて出来ればこんな感じのペースで話を進めていって欲しいものだが・・・。
とにかく、色々なものが詰め込まれていたミステリートレインの事件。
まず、子供たちの命を救うためだったとはいえ一時的に元の体に戻り、“宮野志保”の姿を人前に晒してしまったことの余波から、じわじわと黒の組織の魔の手が迫ってきた灰原に纏わるエピソードが主軸となるが、「名探偵コナン」としての読み切り事件(殺人事件&推理ショー)も同時進行しており、更に世良の動向を気にする安室だったり、列車内にも出没したやけど顔の男と対峙しする世良だったり、そして謎の美女と行動を共にする沖矢までもが絡んきたりして、役者の揃った大仕掛けな展開へと発展していく。
まぁバーボンの正体は元々“アの人”だとほぼ確信していたので、残る2人の素性や関係についても答え合わせでしかなく、個人的には謎の男と謎の美女とのやり取りが一押しポイントで、「こういうのを待ってました!」といったところ。
バーボンに追い詰められて絶体絶命の宮野志保。しかし意外な助っ人であり、してやったりな決着は小気味よく、表舞台・裏舞台・水面下のすべてが巧く考えられている、読み応えのあるストーリーになっていた。
ミステリートレインの事件では完全に黒の組織を出し抜き、バーボンの正体まで突き止めたコナンチームで、一歩リードな感じでまたしばらくは特に進展のない平常運転に戻っていくものと思うが、バーボンも”真”の”眠りの小五郎”の正体に気が付いたようなエピソードが直後に描かれるなど、次に繋がる伏線は忘れておらず、いよいよコナンに黒の組織の矛先が向くことになるのか・・といったところ。
”怪盗キッド”の事件は79巻へと持ちこされたものの、最近の中では一番面白く読めた78巻だった。
4月発売予定の79巻ではキッドとの対決の後に平次も登場するらしい。また同じく4月公開の劇場版第17作『名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)』は初のスパイものとのことで、こちらも少しばかり期待でき・・そう??
どちらも良いデキであって欲しいなぁ。
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コメント
57巻みたいな面白さはないんですね。
今回は豪華寝台列車が舞台ですあk?
ポアロの小説みたいですね
投稿: アニス | 2012/12/21 14:39
■アニスさん、こんにちは
そうですね、オリエント急行を意識しているところはありますね。
小五郎のおっちゃんもポア郎と名乗ってますし。
57巻とどう比較したものかわかりませんが、とにかく読みごたえはありますよ。文字もハンパなく多いですし。
投稿: たいむ(管理人) | 2012/12/21 21:05