「マルドゥック・スクランブル(排気)」みた。
前作までの流れや感想は過去記事:【圧縮】、【燃焼】を参考にしてもらうとするが、ルーン=バロット&ウフコック、ドクターの3人は、シェルの記憶が埋め込まれている”百万ドルチップ”を獲得するため、堂々彼の経営するカジノへ乗り込み、第1ランドとして”伝説の女性スピナー”ベル・ウィングに勝利し、次のステップに進んでいた。
ルーレットの次はカードの”ブラックジャック”。初心者のバロットだがウフコックの補佐と”カウンティング”を駆使し、まずは1枚目のコインをゲットする。しかし、モニター越しにイカサマを察していたカジノのハウスリーダーにして最強のディーラー:アシュレイがバロットの前に立ち塞がる。
引き分けに次ぐ引き分けで動かないゲーム。しかしアシュレイの巧みな話術から膠着状態は破られてしまう。ウフコックの存在を匂わされ、動揺したバロットはジリジリと追い詰められていく。
カジノシーンはとにかく緊迫感に溢れており、内容も見せ方も、とても素晴らしゲームになっていた。特にアシュレイとの対決では涙を溢すことに。(”アメージンググレース”のBGM効果も絶大だ)。対決自体はバロット起死回生の逆転劇になるのだが、ベル・ウィングと同じく、アシュレイもまた人間として尊敬に値する最強の名に恥じない名ディーラーであり、対決の終盤はシリーズでも一番心に残るシーンとなった。
忌まわしいシェルの記憶を手にしたことでバロットは自分の問題に蹴りを付けることになるが、ボイルドとの決着は避けられず、ついに最終決戦に挑まなければなくなる。
自身の過去との決別(克服?)から、「殺さない、殺されない、殺させない」を目標にするとウフコックに伝えるバロット。しかしボイルド相手ではどれ一つだって達成するのは困難。何をどうするのか考える間もなく、息もつかせぬ戦闘が始まる。
ややボイルドが優勢なようだが、ほぼ互角に渡り合うバロット。けれど。
クライマックスはスピード感重視で個々の内側がほとんど表現されていないから、最後の瞬間は「え?何が起こったの?」という感じ。不覚にも誰が何をどうしたのか分からなかった。
とりあえず結果はすぐに判るので状況を察することはできるのだけど、私としては小説で補完が必要だと感じた。(実際クライマックスシーンを読んでみて、「ああ・・」という感じ。心情はもちろん、例えば”トリガーのない銃”を映像から視止め、事態を把握するのは難しいよね?)。
内容にエログロが含まれているので好みは分かれると思うが、劇場版アニメ作品として映像も役者も文句なしの見ごたえのある作品と思う。【排気】のDVDが発売されたら一気に3部作を鑑賞し直したい。(それまでに保留していた小説を読了しておこう)。
好感度:★★★★
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