「ハンガー・ゲーム」みた。

理不尽なサバイバルゲームに投じられた少年少女が、いかなる妨害や困難にも屈せず、ときには折れそうになりながらも心を通わせた者と共にゲームを終わらせるべく闘い続けるいった感じの物語。
そうした物語は、例えば『GANZ』とか『カイジ』とか『ライアー・ゲーム』とか、日本の漫画やアニメ、邦画にはたくさんあるけれど、この作品もやはりそれらをミックスしたような物語だった。
R-15を懸念していたけれどそれほどのことは無く、意外と安心して見られる映画だったと思う。

強制的に集められた少年少女による、正真正銘命懸けのゲームを国民はTVで鑑賞して喝さい。政府が主催だというのが驚きだが、こんな非情なゲームが公認公式で開催されるようになった尤もらしい理由もちゃんとあり、言うなれば勝ち組が負け組に再び反旗を翻させないための見せしめであり、”飴と鞭”の役割がこのゲームにあるらしい。

勝者は生き残ったただ一人ということで、完全なる個人戦ではあるけれど、参加者が24名にもなれば、有力なボスを中心に数人の同盟が作られるのが定石で、それらが開始直後に参加者の半数以上を削ってしまうのも定番の展開だろう。そして、その目を掻い潜って生き延びるのは用心深くて賢い一匹狼ばかりとなるのだが、こうした場合、主人公はいつだって一匹狼の孤軍奮闘派だ。
ここまで来ると、あとは大体思った通りの展開になる。ピンチを救ったり救われたり、癒し合ったり、思わぬ犠牲者に涙したり、でも主人公は最後まで生き残らなくちゃならないからね。そのあたりが実に判り易く描かれているのが安心感の理由かもしれない。またこのゲームは主催者側が自由に介入できる仕組みなので、逆にそのお陰から簡単に先が読めてしまう。

原作は知らないが、実はこのゲームは最初から政府による茶番劇だとハッキリしているわけで、本来は主人公が真の敵を見定め、鉾先を変えるって話なのではないかと思う。そう思うと教育係の言動とか、腑に落ちるところがたくさんあるからね。今作ではそのあたりが匂わす程度に留まっていたけれど、既に「２」の公開も決定しているようだし、楽しみにしたいと思っている。ただ、勇敢で賢くて一芸に長けている女の子が活躍する話は好きだけど、”三角関係”のぐちゃぐちゃ勃発は勘弁して欲しいかなぁ～（無理？ ）

好感度：★★★++

ルーとルーのお父さんのところは泣かされた。けれど、ずっとルーの純粋さを疑っていた私で、『ライアー・ゲーム』に感化されているよなぁと、思わず心で苦笑してしまった。