「天地明察」みた。
原作は2010年に読書済み。(感想はこちら)
今年の5月、日本全国老若男女が”金環日食”で盛り上がっていたのは記憶にも新しいが、何故その前後にこの映画が公開出来なかったのだろうと、非常に勿体ない事だと思う。
でもそれ以外では文句なく、笑いあり涙あり、映像も良いし、豪華な俳優陣は安定感があり、たっぷりと見応えのある映画。
今年の秋は邦画が美味で豊作なようだ。
お話は、将軍家に仕える”碁打ち衆”のひとりである安井算哲が、会津藩主:保科正之の命による北極出地を発端にして、古くなった歴の誤謬の証明と改定に挑み、日本独自の暦を完成させ、改歴を成し遂げるというもの。
しかし、証明には計測と計算に何年もの歳月を要し、改定のための暦の制作もあと一歩のところで暗礁に乗り上げ、何より暦を司る朝廷(公家衆)の反発と抵抗が最大の難関となって立ちはだかり、算哲は幾度も挫折を繰り返すことになる。
映画は概ね原作を踏襲した流れになっている。だからこそというか、小説の感想の時にも書いたが、この挫折の繰り返しが長くて結構ツライ。実際に算哲が事を成すのは最後だけなので、本当に終盤までガマンガマンといった感じ。
それでも、意欲に燃える若き算哲の天然っぷりは周囲を和ませ、要所要所に笑いが盛り込まれているので時間的な長さや苦痛はあまり感じないのだけれど、算哲のままならない一進一退は、観る方もそれなりに忍耐が必要かなと思う。
しかし、”初手天元”を打ちながら、原点(起点)を見逃し続けていたというオチは今となれば「え?」といった感じだけど、地球が丸い事を知らず、不動の北極星から話が始まったのとしたら仕方が無い話で大発見ってことになるのかな、やっぱ。
暦や時間の重要性は認識していても、普段は取り立てて意識することはないもので、無いものにある歴史を学ぶという点では、何とも面白く奥深さを思う作品と思う。そして、EDにある通り、辻褄の合わない部分など”創作”がドラマチックに盛り込まれているので、エンタメとしても楽しめる作品。
なんとなく夜空を見上げることの多くなるような秋にぴったりな映画かもしれない。
好感度:★★★★
ちなみに、朝廷の暦に関する利権とは、”カレンダーの専売特許”のこと。どこにでもあって毎年買い替えなければならないカレンダーだと思えば、この利権は守りたいよねぇ。
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原作の感想はコチラ
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受信: 2012/09/21 19:06
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【監督】滝田洋二郎
【出演】岡田准一/宮崎あおい/佐藤隆太/市川猿之助/笹野高史/岸部一徳/渡辺大/白井晃/横山裕/市川染五郎/中井貴一/松本幸四郎/他
【公開日】2012年 9月15日
【製作】日本
...... [続きを読む]
受信: 2012/09/24 21:40
» 天地明察 [こみち]
JUGEMテーマ:邦画nbsp;
nbsp;
安井算哲役の岡田准一が、若い頃の真田広之に
nbsp;
そっくりですね。ナレーションが真田広之だったので
nbsp;
これまた驚きでした。
nbsp;
えんが拗ねたり怒ったりといろいろな表情を
nbsp;
見せてくれましたが、久しぶりに映画で観た宮崎あおいは
nbsp;
とても可愛らしい妻をうまく演じてい... [続きを読む]
受信: 2012/09/24 23:01
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「天地明察」★★★★
岡田准一、宮崎あおい、佐藤隆太、市川亀治郎、
笹野高史、岸部一徳、渡辺大、白井晃、横山裕、
市川染五郎、中井貴一、松本幸四郎出演
滝田洋二郎監督、
141分、2012年9月15日(公開)
2011,日本,角川映画、松竹
(原題/原作:天地明察 )
人気ブログランキングへ">>→ ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい←
初登場4位、2週目で3位という... [続きを読む]
受信: 2012/09/28 07:22
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(1)原作〔冲方丁著『天地明察』(角川書店、2009年)〕を本屋大賞受賞の際に読み、大層面白かったので、映画の方はどうかなと映画館に足を運びました。
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受信: 2012/10/03 21:42
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『天地明察』を観て一番に感じたのはそこだった。
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受信: 2012/10/07 21:18
» 天地明察(2012-123) [単館系]
天地明察 MOVIX川口
太平の世が続く江戸時代、算哲(岡田准一)は碁打ちとして徳川家に仕えていたが、
算術にもたけていた。
もともと星を眺めるのが何よりも好きだった彼は、ある日会津藩主の保科正之(...... [続きを読む]
受信: 2012/10/10 23:47
» 『天地明察』(2012) [【徒然なるままに・・・】]
冲方丁の小説は何となく題名だけは知っていたのですが、どんな内容なのかは全く知りませんでした。ただ本屋大賞を受賞したりで人気があるんだろうなあ、ぐらいに考えていたのですが、映画化が決まって予告編を見た際に、ああ面白そうだなと思ったものの、そのままにしてしまってました。
物語は江戸時代、将軍家綱の治世に始まります。これまで採用されてきた暦が正確性に欠ける為、囲碁棋士の安井算哲という人物が正しい暦の作成を命じられ、多くの協力者を得、また数々の妨害を受け、失敗を繰り返しながらも遂に新しい暦を作り上げる... [続きを読む]
受信: 2013/02/03 10:26
» 「天地明察」 岡田准一と宮崎あおいがこの作品で・・・ [ジョニー・タピア Cinemas ~たぴあの映画レビューと子育て]
いい映画なんだけど・・どうしても・・
「おくりびと」で第8 [続きを読む]
受信: 2013/02/13 00:05
» 天地明察 [いやいやえん]
江戸時代に日本独自の暦作りに挑んだ実在の人物・安井算哲の生き様を描く時代劇ドラマ。原作は吉川英治文学新人賞、本屋大賞など数々の文学賞を受賞した冲方丁の同名小説、未読です。
将軍に囲碁を教える名家の息子として生まれたものの、出世も富にも興味がなく、星の観測と算術の設問を解いている時が一番幸せという算哲を、将軍・徳川家綱の後見人である会津藩主・保科正之は800年にわたって使われていた暦の誤りを正し、新しい暦を作る大計画のリーダーに抜擢する。難関は、日本全国で緻密な天文観測を実施する事と、古来の... [続きを読む]
受信: 2013/04/07 09:58
コメント
たしかにもっと早く公開していれば…と思いましたね。
そうすれば盛り上がっただろうに…。
星空が多く登場する作品なので、
観終ってから、夜空を見上げたくなりました♪
投稿: BROOK | 2012/09/15 20:36
■BROOKさん、こんにちは
何か事情があったのかもしれませんが、タイミングを外したのは間違いないかなって思いますよね。
星空ってなんだか癒されますよね。
空気の澄んだ冬の夜空を見上げるのが好きですw
投稿: たいむ(管理人) | 2012/09/16 00:04
こんにちは♪
以前から原作が気にはなってはいたんすけど、
読まずじまいで本作となりました。
ボクは名前は有名だけど、実際のとこどう言
うことを成したのかがよく?な歴史上の人物
を扱った作品が大好きなんで、例え終盤まで
ガマンガマンでもその偉大さを強烈に感じら
れて大満足となりました。
>暦や時間の重要性は認識していても、普段
は取り立てて意識することはないもの
まったくその通りですよね。
暦や地図なんて身近にあり過ぎて、先駆者た
ちの苦労や叡智に気づきもしませんもんね♪
(゚▽゚)v
投稿: 風情♪ | 2012/09/16 14:41
■風情♪さん、こんにちは
どうしたって原作未読者には説明不足に思えるだろうし、いつまでも成功することなく、好きな人までお嫁に行っちゃうという展開はガマンガマンだったでしょう?でも、最後に逆転劇があると分かるから耐えられる感じで、楽しめるつくりにはなっていたと思います。
そうそう、地図もそうなんですよね。
そして「剣岳」の偉業をなんだか思い出しました。
投稿: たいむ(管理人) | 2012/09/16 19:28
ガマンガマンの繰り返しの割にはお話的には退屈しなかったのですが、映画的には退屈でしたわ。
俳優の演技もいい、キャラも魅力的、お話も史実なので興味深い。
なのに映画としては退屈。
やっぱりオスカーで人生が変わった滝田監督だからなのかな~と思っちゃいました。
投稿: にゃむばなな | 2012/09/16 22:05
■にゃむばななさん、こんにちは
そうなんです。とても良いのだけれど、何かが足りないというか、どーっど来るものがなくって、感想にするのが難しかったです。
オスカーの成せる業ですかねぇ。
投稿: たいむ(管理人) | 2012/09/16 22:43
たいむさん、こんにちは!
悪い話ではなかったのだと思いますが、ガマンガマンになったのは、ややきれいにまとめすぎているからかなと思いました。
もう少し、クセがあったほうが見易いかもしれないなと。
最近の滝田監督の作品はこういう感じのところがあるのですよねー。
投稿: はらやん | 2012/09/17 06:14
碁打ちという肩書きで
これだけすんごいひととコネクションがあるってことに
まず(・◇・)。
ものすごい偉業を成し遂げた・・・ってよりは
なんというか
なんて恵まれた人間関係なんだと
そっちでびっくりしてしまいました。
ホントのお仕事よりも趣味で命かけるとこまでいって
すんごい仕事をやってのけたってとこも(おい)
宮崎あおいに完全にもってかれた感があって
算哲の偉業よかラブストーリーになってしまったのも
(・◇・)。
でも、お前に星をあげる~なんてのは
この時代にもあったのねとそこはうらやましがったり(おい)
投稿: Ageha | 2012/09/17 12:55
■はらやんさん、こんにちは
1冊の小説を、しかも20年にも及ぶ人生と偉業を語るとなるとなかなか難しいですよね。
良く纏まっている分、綺麗になっちゃった感は確かにあるかも。悪くないだけに、勿体ない?
投稿: たいむ(管理人) | 2012/09/17 13:31
■Agehaさん、こんにちは
”碁打ち”がどんだけスゴイのか、小説では良く良く説明があったけれど、将軍様に会津様、水戸様に簡単に目どおりできるくらいって半端無いですよね。
でもそれに値する才能の持ちぬしなのはわかるところで、本業ではないところで偉業を成す事の偉大さを感じましたよ。
>算哲の偉業よかラブストーリー
あおいちゃん、時代劇に相性が良いですよね。夫を立てつつ、実質は尻に敷く(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2012/09/17 13:40
こんばんは。
比較的、地味な作品でしたが、安井算哲の半生を描く部分においては充分な内容だったと思います。
正確な暦を発見するのに数年かかってしまうのだから宇宙は奥が深いと思います。
投稿: FREE TIME | 2012/09/20 23:30
■FREE TIMEさん、こんにちは
今では当たり前のように世界統一された暦だけれど、成立するまでの紆余曲折がとても勉強になりました。
良い作品でした。
投稿: たいむ(管理人) | 2012/09/21 14:00
たいむさんこんばんわ♪
ホント平和ボケもあってか凄い忘れがちになりますけど、自分達が当たり前にあると思ってたコト・モノの大半は先人達の偉業によるもので、暦もその1つなんだなと改めて知った感じですねぇ。史実とは食い違ってるかもしれませんが、それでも北極出地にはじまり、算哲の様々な苦悩も通して、当時の改暦がいかに厳しいものだったのかは理解できたかなとっ。
そいえば原作者の沖方さんの新作の『光圀伝』というのを見つけましたけど、これって本作と地続きなんでしょうかねぇ?中井貴一版の豪快な光圀公も印象的だったので、ちょっと気になりました。
投稿: メビウス | 2012/09/24 21:41
■メビウスさん、こんにちは
今ではうるう年も当たり前で、それでも数百年?の間に何秒かずれるってところまで分かってたりするし、日食などはいつどこでまでが特定されてほとんど常識の範疇だから、ズレルなんてこと考えられないんでだけど、こんな時代があったとは、それ自体が興味深かったです。
でも、それでいて、古代文明では把握していたなんて話もあるし、人間って面白いですよね。
『光圀伝』はまだ読んでいないけれど、同一世界観の物語だそうですよ。算哲もちょこっと登場するとのことだし。
中井さんで映像化されたら楽しそうですよねw
ちなみに、冲方さんはニスイです。サンズイの沖じゃないんですよ~。なんかひねくれてますよね(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2012/09/25 18:33
いろいろ、細かいところで、へぇ~~って部分があって
映画は楽しめなかったわけではないんですが、
今ひとつも盛りあがれなかったんです。
原作を読んでいないせいかな?って
ちらっと思ったんですが、たいむさんのコメントで
それは関係ないようだと。。。(#^.^#)
夜空に魅せられ、算術の問題に我を忘れる冒頭のシーンと
北極出地くらいまでは、ほんと面白かったです。
投稿: mariyon | 2012/10/12 12:21
■mariyonさん、こんにちは
北極出地くらいまでは原作もグイグイ引き込まれる感じでしたよ。でも・・・(笑)
へぇ~は楽しめるんですけど、映画は大衆受けを狙い過ぎかな?とか。
投稿: たいむ(管理人) | 2012/10/13 13:59
原作も漫画も読んでませんが、地球が丸い各国には
時差があることも知らなかったらうまくいきませんよ。
地球儀を見て時差を知ってようやく正しい暦をつくれたわけですね。
映画本編もよかったけど、予告の大奥パート2を大きな
画面で観れてよかった。
投稿: カモミール | 2012/10/20 12:44
■カモミールさん、こんにちは
どれだけの今では当たり前が、先人の苦労の果てなのか、です。
興味深い「当たり前」のはじまりの物語でしたね。
大奥2、楽しみです。
投稿: たいむ(管理人) | 2012/10/20 14:51