コバルト文庫編集部に感謝を。~『月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ!』 氷室冴子/著
20数年ぶりに《コバルト文庫》を購入した。しかも書店店頭で。
最近、書籍の購入はほとんどがオンライン書店を利用している私。もちろん書店は度々通っているが、ラノベやコミックスを店頭で購入するのは何となく恥ずかしくなってきたお年頃。そこで通販を便利に使っていたのだが、全般的に”在庫僅少”となれば話は別となる。
買ったのは、『月の輝く夜に/ざ・ちぇんじ!』。2008年にご逝去された氷室冴子先生の作品で、残念ながら未発表だった遺作でも、未完作品をリレーで完結させた作品でもないのだけれど、雑誌等の掲載のみで単行本には未収録だったの短編4作と既刊の『ざ・ちぇんじ』(1983年)を併せて一冊に纏めた、おそらく最後の文庫本になると思われるものだ。
そんな新刊が出ていたことを全く知らなかった。
大好きだった氷室先生が亡くなってはや4年。それ以上に《コバルト文庫》からは完全に卒業して20年以上経つ私だから当然新刊情報をチェックすることもなく、まさかこの期に及んで作品が発表される日が来るなんて思いもよらないこと。それが、何気に見ていたオンライン書店のTOPページにあるのだから驚いたのなんの。
最初は「2012年9月」の表記も再販か何かの類だと思った。でも詳細を確認して本当に新刊であると知り、嬉しくなって即買いだと思った。
・・なのに、「品切れ」になっていることに愕然とした。慌ててほかのサイトを幾つかあたったが、ほとんどが品切れ状態なことに呆然。おそらく瞬間的な品切れ状態だろうと頭の中では思うのだけど、気持ちとしてはすっかり出遅れたことがとても悔しくて、存在を知ってしまった以上今すぐ欲しくてたまらなかった。(9/3現在の話)
つい最近「野性時代」で奔走したばかりだというのに、またか、である。
まぁこちらも幸いにしてネットで店舗在庫検索ができるチェーン店で在庫確認できたので、直ぐに買いに出掛けることで気持ちをザラつかせた時間は少なくて済んだけれど、諦めが悪くて堪え性のない悪癖は我ながらツライものがある。(といいつつ、結局欲しいものは必ずゲットしてきた気も?)
ちなみに、収録されているのは、タイトルの『月の輝く夜に』、『ざ・ちぇんじ!』、そして『少女小説家を殺せ! 1.2』、『クララ白書番外編お姉さまたちの日々』となる。「ちぇんじ」以外は短編だが、「ちぇんじ」は文庫本2冊分をフル収録しており、《コバルト文庫》とは思えないぶ厚さだ。
無理に「ちぇんじ」を収録しなくても、薄かろうが短編だけで十分に価値のある最後の作品になのでは?と私などは思うのだけど、なんであれ編集部には「ありがとう」と感謝の言葉をおくりたい。
幻の短編の数々がもう一度読めると思うだけで感無量!
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