「ワン・デイ 23年のラブストーリー」みた。
毎年7月15日、年に一度の“交流”を続けているエマとデクスター。それは織姫と彦星の“逢瀬”のようなものではく、仕事の話や恋愛相談などほとんど日常の延長といったもので、最初に二人でそうしようと決めたものだった。
映画では、23年に渡って7月15日だけを切り取り、その年のエマとその年のデクスターを追って見せ続ける。
卒業後、エマは就きたい職業にも付けず、恋愛も片思いを続けるばかりの鬱屈した日々を送り続け、一方デクスターはTVデレクターとして活躍し、女性関係も派手に立ち回り順風満帆な日々を送る。しかし10年後になると、エマは恋愛こそ思うようにいかないままながら、教員となり、念願の小説家デビューも果たして充実した生活を送りはじめており、逆にデクスターは自堕落が災いして仕事も恋人も失い、両親にもエマにまでも見放され、寂しい生活に一変させることになる。
よって一旦ここでエマとデクスターとの間にブランクが開くのだが、その間にデクスターは優しい女性に癒されてデキ婚するものの、浮気されて破局。エマもコメディアン志望の売れない役者との付き合いが上手くいかず、やがて破局ということになり、とうとう一途な想いを爆発させるエマと、世間に揉まれて大人になったデクスターがやっと想いを通わせ、ゴールインとなるわけだ。
良くも悪くも、ここまでだと紆余曲折のはてにやっと結ばれるよくあるハッピーエンド作品。でも、ここで終わらないのがこの作品で、ここからが大事なポイントってことになるのかなと思う。
基本的にエマは地味で堅実派、デクスターは派手で奔放派。私としてはどうしてエマがチャラいデクスターにこだわるのか謎で、何故ずっと“親友”のままになってしまったのかとずっと考えていた。それが最後の最後に切っ掛けのようなものが明かされ、なんとなく納得した。
結局のところ、男女の関係はタイミングが全てなんだなぁと。
特に、良い雰囲気になってもまだ固まりきっていない曖昧な段階でチャチャが入ってタイミングを外すと、2度と同じようなチャンスはやって来ずそのままになってしまうことは良くあるし、また選択を誤った場合では、もう一方を取り戻すのがすでに不可能になってしまったり、可能でもひどく困難な状況に陥ってしまっていたりということが良くあると思う。
この映画は、実はそのまんまスバリという残念な恋のお話で、エマは好きでプラトニックを主張していたわけではなく、そもそもエマが最初に怖気づいてタイミングを外したのが発端で歯車がずれっぱなしになったと言え、だからこそデクスターへの想いが断ち切れず、後悔ともども延々自分が苦しむハメになり、デクスターにしても母親やエマという安全地帯に甘えまくってやりたい放題していたものだから最後にツケが全部自分にはね返ってきちゃったという、恋愛教訓話なんじゃないかなと。
なんであれ、それだけのことに20年。実にまどこっろしい作品。定番の熱いラブストーリー好き方には肩すかしな映画ではないかと思う。
好感度:★★★++
幸せ絶頂のエマの危うい感じにフラグ立ってるなぁと思ったら、なんともあっけなく。あの瞬間に「来る!」って思ったけど、まるでホラーかサスペンスのような見せっぷりはびっくりしたぁ
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