「スーパー・チューズデー ~正義を売った日~」みた。
アメリカ大統領選の舞台裏に渦巻く陰謀や裏切りから、前途有望だった若者が政治の闇に染まっていく、といった物語。
ジョージは大統領選に立候補した州知事:モリス役。主人公はモリス知事の選挙キャンペーンスタッフのスティーブンでライアン・ゴズリングが演じている。そのスティーブンは事実上№2の責任者の立ち位置にあるわけだが、対立候補陣営から密会を持ちかけられたことによって人生の歯車を狂わせていくことになる。
ここだけ聞けばいかにもスリリングな展開が期待されるところだが、案外話は簡単なもので、白かった若者がいとも簡単に、「目には目を」という風に真っ黒な政治の世界にどっぷり浸ってしまうプロセスのようなものが描かれているだけだったりする。
スティーブン青年は誰の目にも“キレモノ”に映り、誠実に知事当選のために尽力している有能な人材だったが、それゆえに敵陣に目を付けられ、自滅に導かれてしまうことになる。情報戦の最前線にいる人間があっさり敵の計算どおりに踊らされてしまうだなんて、どんだけ駆け引きの世界なのかという気がして、要はスティーブンは政治の世界では青二才だったってことで、自己満足と自己過大評価を見透かされて自ら災いを招ねき入れてしまったということになるが、少しばかり不憫にも思えてくるところだった。
しかし、ワナにハメられ痛い思いをした人間が、その後どう再起するかはキッパリ分かれるところと思うけれど、“政治”の世界は“ダークサイド”そのもので、有能であればあるほど一度関わったら最後、取り込まれてしまうように感じられる。
結局、馬鹿を見て一度すべてを失ったスティーブンも、偶々知り得たスキャンダルネタによって知事を脅迫し、上司を蹴落として№1の席を奪い取ることになった。表情のあった前半と腹を決めた後、無表情に変わった彼の顔の違いには、ぞっとするものを感じた。
ミスひとつが命取りになる世界、妥協と駆け引きが渦巻く世界で、唯一信用に値するのが”忠誠心”というのもなんとも心もとない話。”正義を売った日”とはなるほどそういうことですか、ってね。
好感度:★★★++
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コメント
たいむさん、こんばんは~~
ただ今関東は風も雨もピークです(って、関係ないですが)
政治サスペンスはけっこう好きなんですが、
おっしゃるように単調だと、睡魔がってことも大いにあります。でも、これ、ほんと面白かった。
血気にはっやた青年の小さなミス。そのミスから立ち直ったときに、彼はもう信念をもつ青年ではなく、政治屋になってしまっている。これがたまりませんでした。
そう、最後のあの表情・・・・。恐ろしかったですね。
投稿: mariyon | 2012/06/19 23:07
■mariyonさん、こんにちは
台風一過の後はフェーン現象で猛暑だったようで、お見舞い申し上げますw
予備知識入れていなかったので、まったくどういう話なのか知らずに見たのだけど、若者がみるみる黒く染まっていくのが本当に見えるようで「うわ~」って感じでしたよ。
大がかりな陰謀ではなく、これでも日常茶飯事な内って思えるから尚更に怖かった。
政治屋のどこにそんな魅力があるんだから、理解不能です(^^;
投稿: たいむ(管理人) | 2012/06/20 23:08
正義感や信念の強い青年が、ふとしたことから巻き込まれてく過程の変化をライアンは好演でした。
もう最初からライアン狙いのフラチなヤツなんで(笑)結構楽しんじゃいましたよ♪
今日本でも荒れてる政界ですけど、、、
裏でごそごそとやってるような連中ばかりの世界なんですね~さて、どちらがほくそ笑むんだろうか(苦笑)
投稿: オリーブリー | 2012/06/26 11:08
■オリーブリーさん、こんにちは
私は特別好みでもないのだけど、ライアンくん、上手かったですね。
挫折を知らない優秀な人間ほど怒らせて腹をくくらせるとコワイって思ってるけど、まさにそんな感じ。
最後はほとんど別人になってましたし。
「政治」って国政に限らず、理不尽でヤなものですよねぇ。
ここまであからさまに描かれちゃうと、もう溜息しか出ないけど(^^;
投稿: たいむ(管理人) | 2012/06/26 12:35
たいむさんフツウでしたかぁ?
私これ面白く観れました〜
ジョージが監督で脇にまわってライアン主演にしたのが良かった★
投稿: mig | 2012/07/07 00:19
■migさん、こんにちは
やっぱりmigさんとは微妙に好みがすれ違ってますよね(^^;
私もライアン中心は良かったかと。
ジョージも存在感はバリバリありましたがw
投稿: たいむ(管理人) | 2012/07/07 17:38