DVD「機動戦士ガンダムUC (5)」を観た。
ふと確認してみると、episode 4「重力の井戸の底で」は”イッキ見先行上映キャラバン”に参加したことで、単体で追加感想をアップせずに終わっていたいたが、折角なので最後までやり遂げようと、再びEP5単体での感想を書きたいと思う。
その前に、当初全6話で発表されていた「ガンダムUC」だったが、ここへきて全7話になることが決定したことが改めて発表された。確かにEP4発表時には『終わらせる良い方法を次回のepisode 5公開の時に発表いたします』と語られていたけれど、まさかそういう意味だったとはね。まぁ原作読者はじめEP1-4に付き合ってきたファンなら誰もが「やっぱり?」と思うところだろうが、そもそも8サブタイトルで10冊に渡る長編小説を全6話で完結させようってほうが土台無理な話だったわけで、私としてはもちろん、おそらくファンとしても歓迎ムードなのではないだろうか。
今回のEP5で再び宇宙へ上がったバナージ&《ユニコーン》、そして主要な登場人物たち。地上でもなく、宇宙でもなく、ただ空の上という珍しい舞台での出来事が、十分に堪能できるEP5になっていて嬉しく思う。
大筋は原作通りに進んでいるものの、EP4以降アニメオリジナルとしてアレンジされる部分が増えてきているのは気のせいではないようだ。
EP4制作時には、とりあえず7話目の制作は未決定だったことから、已む無く原作を絞るための削ぎ落しが行われた結果だと思うけれど、切り貼りの辻褄合わせで一度ズレてしまった設定は戻す意味も必要もないことから、(骨格と方向性は変わっていないけれど)どこか迂回して元に戻ってきた印象が否めない今回だったようには思えた。なんというか救済じみたファンサービスも盛り込まれていたしね。
けれど、もはや原作との差異なんてどうでも良く、まったく気にすることなく私はアニメを楽めたと思う。ファンサービスにしたって、ファースト世代としては、前回省かれてしまったカイさんの思わぬ起用は嬉しくなるところだったから。(ベルトーチカはどうでもよいが)。
EP4から登場しているブライトさんも大健闘が続いていた、・・どころか「カッコイイなぁ~」って素直に思える今回だった。歴代ガンダムパイロットたちと直に接してきたブライトさんならではの言葉というものが、バナージもスッと受け入れられるものとして聞こえたし、上司にしたいキャラ№1を獲得しそうな雰囲気と貫禄が感じられた。
少しばかり残念なのは、マリーダとジンネマンとの絆の部分をじっくり描いてもらえなかったところだろうか。けれどここから先はバナージとオードリーが中心になって行かなければならないから仕方がないのかな?
EP4から自分の意思で《ユニコーン》を操れるようになってきたバナージ。やりたいこと、やるべきことが己の中でカタチに出来るようになってきたことがよりニュータイプらしい成長を加速させていたりもして、能力の発露を見せなくちゃだもんね。グリーンの光を放つ《ユニコーン・ガンダム》を見ればもっとそっち側を見たいとも思うわけで、限られた尺の中で上手く纏めて追いつくことが出来たのではないかと思う。
また、《デルタ・プラス》を大破させ無人の《バンシィ》を見上げるリディ、すっかり存在を忘れていたが宇宙へ上がったとたんに《シナンジュ》で現れたフル・フロンタルと《ローゼン・ズール》の威力を見せつけるアンジェロ、連邦側からは《ジェネラル・レビル》が現れて、敵味方が入り乱れた混戦状態を予感させるラストは、無駄なく次に繋がるものばかりでワクワクさせるものだった。
EP6「宇宙(そら)と惑星(ほし)と」は2013年春とのこと。次で最後にならなかったことには安堵したが、クライマックスに向けて謎の解明や秘密の開示で濃密になっている原作をどう料理するのか、期待して春を待ちたいと思う。
そうそう、アクシズショックもどきの中で「《ユニコーンガンダム》は、伊達じゃないっ!」がバナージの口から発せられなかったのはちと残念だった、かも?
もうひとつ、バナージだけではなくバナージ役の内山昇輝くんの成長っプリも付け加えたくなるところ。EP1ではまだまだ新人で現役大学生の内山くん。未だ大学生には違いないがあれからほんの2年程度なのに、最近だと『君と僕。2』の悠太だったり、『つり球』の夏樹だったり、落ちついたトーンでの役どころをすっかりモノにしていて、感情の起伏の激しいバナージ役にも活かされているように感じられた。「ガンダム」って本当に色々と偉大だよねーって思ったりして。
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コメント
たいむさんこんばんわ♪鑑賞お疲れ様です。
1時間近くあったエピソード1を観てた当初はそれこそ全6話でもなんとかなるか?と期待を寄せてたものの、回が増すにつれて収録時間もどんどん短くなり、エピソード3~4辺りで『え・・全6話?』と自分も冷や汗タラリ状態になったのは正直なところですね^^;でも毎エピソード力の入っているユニコーンですから、最後まで手を抜かない意味での1話追加の朗報は、喜ぶよりも確かに当然と思うべきなのかもしれませんねw
今回のエピソードは獅子奮迅の暴れっぷりを見せたバンシィも見応えありましたけど、印象に残る意味ではやはりブライトさんの言葉の数々ですよね。自分も彼がガンダムやそのパイロット達と歩んできた経緯をある程度知ってるから、言葉の重みやその意味にも感動できてウンウン頷いてたほど。出来れば残りのエピソードにも出て来て欲しいものです。
そいえば今回のユニコーンのデストロイモードは赤色から緑色になってましたが、あれってユニコーンをバナージが使いこなしているって意味合いも込めた表現だったんでしょうかね?(確かフルアーマーユニコーンもあんな状態になってましたし)
折り返しを過ぎたと言うのに、原作知らないとユニコーンガンダムはまだまだ謎の機体にも思えてしまうのでしたw
投稿: メビウス | 2012/06/13 21:44
■メビウスさん、こんにちは
いやぁ~、私は逆の意味になるのだけれど、1話があまりにも原作に忠実だったから、最初から全6話はキビシイんちゃう?って思っていて、2話以降無理やりおさめようとしてスキップスキップにならないかを心配していた感じだったんですよね。
それが思いのほか丁寧に作ってくれたものだから、これはもう間違いなく収まらんだろう~って感じでした。
今回、同梱のブックレットにそこのところの裏話が(言い訳がましく?)載ってて納得です。
いちおう誰にとっても「こんなはずじゃなかった」ということにしておくで、良い事にしておこうかってね。
>ブライトさん
ですよね~。ってか、原作以上に頑張っていたりして、誰もが納得する新ブライトさんへのサービスサービスって気がします(笑)
それはともかくとしても、ブライトさんは地味ながら、世の中とか軍隊とか裏の裏の裏まで実際に見つめてきて、百戦錬磨で生き残ってきた人ですからね。本人はニュータイプではないけれど、最大の理解者に違いなく、名実ともに頼れる大人になったんですよね。
>デストロイモードは赤色から緑色
その疑問はこれから明らかになりますが、想像通りといいますか、「00」でいえばより純度の高いGN粒子みたいな理解で良いんじゃないかな?
今後、ニュータイプの世界などは感覚的で抽象的な映像になることも多いと思うので、疑問が残ったならば、是非原作で補完してくださいませ。
投稿: たいむ(管理人) | 2012/06/14 21:52