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2012/04/13

「アーティスト」みた。

The_artist第84回アカデミー賞の作品賞ほか5部門を受賞したモノクロサイレント映画。
話題性は抜群だし良質な映画であることも確信できるのだけど、慣れない形式に心配があり、とりあえず信頼している方の感想待ちからようやく鑑賞を決心した次第。
私としては、とりあえず劇場で観て良かったと思っているけれど、映画に慣れない方が話題性だけで鑑賞ということならば、あまりおススメしないかなぁと。

なるほど、素敵な映画だったとは思う。ただ、正直なところ、前半は心配していたとおり何度か睡魔とたたかうことになった。音声なしの”サイレント”とはいっても、常に描写音楽として長けたBGMが流れているから静かではないのだけれど、やはり、なんだなぁ。
”サイレント映画”は視覚で役者の表情やしぐさをしっかり捉え、時折挿入される会話の字幕から展開を追っていかなければならないもの。英語以外の字幕外国映画以上の集中力が要求される覚悟は決めていたつもりだったが、やや努力がたりなかったかなぁと思う。(まぁどんな映画であれ寝オチしたら一緒で、ダメなんだけど)
とはいえ、自己弁護するわけじゃないがストーリーが単純明快なのも要因の一つだと思う。
”サイレント”全盛期の大スターが”トーキー”の出現によって世間から見捨てられ、プライドを捨てられなかったことでスターはおちぶれるのみ。代わりにトーキーで大成功を収めたのは、かつて目をかけてあげた自分のファンだった少女だ。世界恐慌を経て破産同然の元スター。それを女優として大活躍する彼女は密かに支え続ける。やがて彼女の施しを知ってしまった元スターは屈辱感から自殺を試みるが、彼女の献身的な愛と励ましによって再起を果たす、という物語。

時代の流れや技術の進歩により、国であれ、人であれ、モノであれ、古きものから新しきものへの切り替えは、ヒトの歴史では残酷にも当たり前のように繰り返されていることで、そうしたテーマを扱った作品はごまんとある。最初から起承転結が分かっているものにどれだけ緊張感を保てるか、古き良きモノを愛でるという目でみてこそ楽しめる映画だと思う。
映画の創世期から黎明期にかけての当時の人々はさぞ目を輝かせて楽しんでいたこととだろう。けれど、今の時代における”サイレント映画”の魅力とはなんだったのかを考えてみることが大切なのかもしれない。

私は、この映画を心から楽しめたかといえば、たぶんそこまで至っていないと感じるが、演技力を要求される俳優陣&ワンコは素晴らしかったと、拍手を送りたいと思う。

好感度:★★★★

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コメント

昔のままのサイレント映画でしたら、多分私も寝オチしていた可能性大だったと思います。
でもこの映画は中盤とラストにトーキーシーンを入れるという抜群のセンスを見せてくれるので、全く睡魔に襲われることはありませんでしたよ。

3D映画が当たり前の時代にこんな映画体験を出来たことが凄く嬉しく思えた映画でした。

投稿: にゃむばなな | 2012/04/13 21:57

■にゃむばななさん、こんにちはsun
>中盤とラストにトーキーシーンを入れるという抜群のセンス
ええ、中盤からラストにかけてはまったく睡魔は消し飛んでましたが、前半にふいっと襲われてしまいました(^^;

この時代ですからね~、体験できたことは嬉しく思うけれど、慣れないことで少し疲れました。

投稿: たいむ(管理人) | 2012/04/13 22:48

軽く驚きつつの鑑賞でしたが、
次第に虜になっていく自分がいました。

たしかにアギーの演技は良かったですよね。
ジョージのためにあそこまで頑張れるなんて…。

投稿: BROOK | 2012/04/15 12:48

こんばんわ
自分も途中で眠くなりかけましたが、寝落ちする事無く鑑賞する事が出来ました。
3DやCG全盛の今だからこそ、サイレント映画が映画の原点であった事を認識させられた作品でした。
犬がかわいかったですねw

投稿: FREE TIME | 2012/04/15 21:49

■BROOKさん、こんにちはsun
アギーの演技は本当にお見事。
冒頭の劇中劇からして拍手モノでしたし。
前半は長さを感じましたが、中盤から後半にかけては私もすっかり見入るましたw

投稿: たいむ(管理人) | 2012/04/15 22:41

■FREE TIMEさん、こんにちはsun
3DやCG全盛の今から、決して後戻りすることのない技術と思っていましたが、一種の芸術作品として残すことになるとはね。素晴らしかったです。

昔も名優ワンコの起用とかあったのでしょうか?
チャップリンの映画とか観て見たくなりましたw

投稿: たいむ(管理人) | 2012/04/15 22:44

こちらにもお邪魔します♪
たいむさん、お疲れだったのでは?私も、白黒、サイレント・・・睡魔に襲われるかも(^_^;)と思いましたが、最初のほうこそ、ちょっと退屈にも感じましたが(^_^;)途中から、映画の世界に惹き込まれ、意外と睡魔に襲われずに鑑賞することができました♪

私も心から楽しめたとは言えないかもですし、この映画が良かったからと、またこのようなサイレント映画をたくさん観たいかと聞かれたら、やはりトーキーのほうが観たいと思います(^^ゞ
とは言え、きちんと1本サイレント映画(厳密にはサイレントではないですが(^^ゞ)を観たのは、初めてで、映画館で観て良かったと思える作品でもありました^^

俳優陣の演技は、素晴らしかったですよね^^
特に、ワンちゃん、かわいかったあ\(^O^)/

投稿: ひろちゃん | 2012/04/19 22:08

■ひろちゃん、こんにちはsun
仕事帰りだったので、多少疲れはあったかもしれないなぁ。
とにかく内容云々ではなく、”サイレント映画”ってだけで睡魔に襲われやしないかと心配だったんです。
結局のところ、私も前半を乗り切ったらあとは見入ってましたし、素敵な映画だと感じるところで否定するつもりはありませんが、好みでいえば、今の喧しいくらいのほうが好きです(笑)

いい経験になりましたよねw

投稿: たいむ(管理人) | 2012/04/20 15:37

こんばんは。

>映画に慣れない方が話題性だけで鑑賞ということならば、あまりおススメしないかなぁと

その通りと思いますよ。
始まりから暫く、この環境をすんなりと受け入れるのいささか困難でしたが、まあ、いつの間にか、どっぷりと世界に引きずられ、自分のつたない感性をゆすぶられる作品でした。

ウチの旦那さんがアカデミーだからと付いて来たけど、思った通り、反応は悪かったです(笑)
けど、改めて後から感想を聞くと、それでもしっかりと観ていて確信は相当ついていたので、好みの問題なんだな~と思いました。
日頃の疲れや体調は関係ないでしょう^^笑。
(って、そんな尺度だと、ある意味、どんな映画も何も始まらないし~苦笑)

投稿: オリーブリー | 2012/04/21 01:05

■オリーブリーさん、こんにちはsun
映画のダイジェスト程度にしかサイレントには触れていなかった世代であり、雰囲気は分かっているものの、最初からすんなり感情移入させて良かった良かったと言える人はスゴイなって思います。
実際、慣れてくればややオーバーアクションにイマジネーションを膨らませて楽しめるんですが、サイレントの芸術性を愉しむのは今回ので十分だなって。
やっぱ、過去を振り返るのは、ダイジェストとかで続きが見たい!(でも見ないけど)って思う程度が私は丁度良いようです。

寝る寝ないはその映画に対する関心度が大きさにもよるんじゃないかな?冒頭で掴まれたらトーンが下がっても見入ってますしw

投稿: たいむ(管理人) | 2012/04/21 12:38

こんばんは!!
俳優さん皆さん魅力的だったし ワンちゃんが素晴くて私もなんとかこの「サイレント&モノクロ」を楽しめてホッとしました!
とは言え私の高揚感も今ひとつ!
チャップリン映画を何本か見たせいもあるかも~。

投稿: くろねこ | 2012/04/25 23:03

おはようございます^^

寝ちゃうかな?って心配したけど案外大丈夫でした^^
アギーが可愛くて賢くて、演技も上手で^^
ジャン・デュジャルダンさんの笑顔も素敵だったので、楽しく見れました^^
たまには、想像して観るのもいいね^^
でも、こういうのばかり観てくるときっと爆睡^^;

投稿: みすず | 2012/04/27 08:13

■くろねこさん、こんにちはsun
入り込んでしまえばきっと大丈夫とは思いつつも、それでもどうかなぁ、大丈夫かなぁ~って躊躇するところがありました。
実際のところ、やはり慣れるまで意識が飛ばないように必死でしたが、いつの間にかパッチリ目が覚めて楽しんでましたね。

貴重な体験ができたことは嬉しく思いつつ、どこかもういいかな?って思ってる私かなぁ~

投稿: たいむ(管理人) | 2012/04/27 11:51

■みすずさん、こんにちはsun
やはりみなさん慣れないサイレントにどこかしら不安を持って挑まれたようで、なんだかほっとします。

想像するほどの内容じゃないというか、いまの時代でも自然に想像させてくれる俳優さんたちは素晴らしかったですね。

>でも、こういうのばかり観てくるときっと爆睡^^;
たぶん、私も同じ。
本音が聞けてうれしいっす。

投稿: たいむ(管理人) | 2012/04/27 11:54

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