「カンパニーメン」みた。
物語は、経営サイドの一方的なリストラ政策により、いわゆる勝ち組から一気に無職に転落させられた3つの家庭を描いたもの。1人は若干30代で年収約1500万円超の若きエリート販売部長。1人は工場の職人からたたき上げで上り詰めた還暦間近な勤勉実直な男。そして1人は現CEOの親友で片腕としても創業当時から会社を支えてきた人望厚き男。
こうした設定を見ただけで、リストラののちそれぞれがどんな状況に陥ってしまうのかは想像ができるのだけど、名優たちがそれぞれのギャップやプライド・喪失感といった苦悩を見事に演じてくれるので、さすがに見ごたえのあるものになっている。
結論としては、財産の有無や収入の大小にかかわらず、お金では買えない掛け替えのないものに気づきずっと大切に思うことができるのかであり、「勇気と熱意と信念さえあれば何事にも打ち勝つことができる」ということで、一度挫折を味わっただけのラッキーな“勝ち組”っぽい綺麗事でまとまっているのがやや出来過ぎに思うのだけれど、夢も希望のないラストには何の意味もないわけで、こんなものかと。(一応”負け”に耐えられずに終わったケースも描かれているし)。
とはいえ世界的に「諸刃の剣」的資本主義社会の限界が見え隠れし始めている昨今、対岸の火事と思っていられるのも今のうちかもしれず、結局のところ「勇気と熱意と信念」こそが全ての人間そして非力な個人が持ち得る「最終兵器」なのだと忘るるべからず、とか思う自分だったりする。
総評:★★★++ 好き度:★★★++ おすすめ度:★★★++
| 固定リンク | 0
コメント
確かに宣伝の仕方はねぇ。『コンテイジョン』も「全員アカデミー賞」とか言ってましたからね。ノミネートも授賞も一緒くた(苦笑)
さて、この作品。対岸の火事とは笑ってられないですが、しかしボビーってあんなセレブな生活送れるほど収入あるんでしょうか?年収13万ドルといえば1000万円弱だし、物価が違うとはいえアレはどう考えても“月収”13万ドルの暮らしなきがする…。
奥さんがしっかりもので助かったな!といってやりたいです(笑)
投稿: KLY | 2011/12/08 23:44
■KLYさん、こんにちは
そうそう、ノミネートと受賞って全然意味あいが違うのにね。まぁノミネートだけでも凄いことだし、運悪く受賞できない俳優さんでも素晴らしい俳優さんはたくさんいるのはわかるんだけど、明らかにアカデミー賞の威光を目当てにした感じ。
ボビーもねー。収入の額というより、そんなにデキル人なの?って(^^;;;
それはともかく、為替レートの換算とかで感覚がつかめなかったのもあるけれど、贅沢な暮しでしたね。
文化の違い?貯蓄なしでローンばかりなのかなぁとか思ってました。
投稿: たいむ(管理人) | 2011/12/09 08:15
日本も昔のような終身雇用な状態ではなくなったにせよ、あっちはよりシビアですよね。
KLYさんが言われるように、年収1千万ちょいぐらいで、あの家は7千万近いそうですよ。
しかもゴルフ会員権やら高級車やらと、そもそもがちょっとどうかな男なんでしょう。
彼の本当の財産は、賢い奥さんと子供達でしたね。
投稿: オリーブリー | 2011/12/10 01:50
■オリーブリーさん、こんにちは
まぁ、年収1千万あれば、ローン組んで7千万の家は有りかと思うけれど、ポルシェだゴルフだってのは調子に乗りすぎかなってところは感じられましたね。
それがX-BOXすら手放さなくちゃだなんて・・・
奥さんが介護職員?だったのはずっとっぽかったし、信心深いのかな?
とにかく本当に良くできた妻と息子が際立ってましたね(笑)
投稿: たいむ(管理人) | 2011/12/10 08:50