「おじいさんと草原の小学校」みた。
予告編は結局観ることが無かったし、基本前知識は入れないで鑑賞する性質なので、実は、”84歳で小学生”ということからずっと教育を受けることなく(受けることが出来ず)84歳まで来てしまったおじいちゃんが、何らかの切っ掛け(例えばどうしても文字を読みたいと思うような事など)から一念発起し、文字を習いに小学校へ赴き、頭の固い職員との攻防だったり、子供たちとの心の触れ合いから心打たれるエピソードで満たされた感動作ではないかと想像していた私だった。
それは概ね間違いでもないのだけど、おじいちゃん:マルゲの真実、過酷な人生や小学生と認められるまでの経緯は遥かに想像を超えるもので、またしてもケニアはじめアフリカ大陸の過去と現在における我が身の勉強不足を思い知ることになってしまった。
もちろん、自然に心を通わせはじめる子供たちとマルゲだったり、マルゲの為に尽力する教師:ジェーンの前向きな熱意、純粋な想いの詰まった子供たちの勇気ある行動、要人に直訴するマルゲの誇り高き言動に、いくども涙をこぼしてしまうような、胸の熱くなる物語には違いなかったのだけど。
未だ内紛や戦争が続いているアフリカ大陸。過去からの因縁を引きずり続け、断ち切れずにいるのもわかるのだが、過去を受け入れ現在をやり直し、意識をもって子供たちに新しい未来を託そうとしている動きも、確かに根付き始めているように感じられる。
これも平和ボケ日本人の浅はかな願望のすり替えなのかもしれないけれど、この映画を見て、人も世界もきっと変れると信じていたいものだと改めて思った私だった。(といいつつ、別のところでは「人類はいっぺん滅んだほうがいいんじゃない?」とか思ってるんだけど)。
総評:★★★★ 好き度:★★★++ オススメ度:★★★++
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