「アンフェア the answer」みた。

”the answer”とはなっているけれど、完結編でもないみたい？
大黒幕や暗殺実行犯など謎を多く残したまま沈黙していたこのシリーズで、いよいよ「すべての答えがそこにある」なんて触れ込みでの劇場版第2弾の公開となったわけだが、結局のところ『SP』などと同じで、どんなに下っ端が手掛かりを手繰り寄せても大黒幕に辿り着くことはない、というのが結論なようだ。・・・そりゃぁそうだろうけどさ。

一応、劇場版第1弾の最後に雪平に託された”USBメモリ”が何であるかまでは明かされているし、誰（どこ）の差し金で誰と誰と誰が動かされていたかまでは判明しているし、EDでは様々な種明かしをしてくれてはいるけれど、どことなく”the answer”という副題には踊らされたというか、期待していたものとは少し違っていたように感じた。

数少ない登場人物でしかないことから、キャストで大体の想像がついてしまうようにと思う。そしてこれまで散々仲間の裏切りというドロドロを見せつけられてきたシリーズなだけに、都合の良い不自然さを感じ取れればあっというまに一本の線になってしまう単純な構造ともいえそうで、前提をあてはめるとそのまま意外でも何でもない結末だったように思った。さらにネイルガンを使用した猟奇連続殺人も、犯人が美学を求めるイっちゃったタイプであるのが良く分かり、”血抜き”なんて”こだわり”が大ヒントになってしまっていて、主役があっさり死ぬはずがないって事態の裏付けとして簡単に看破できちゃうし、予告編で見せていて最後まで出てこないシーンを思うと「やっぱりね」としかならなかったりして、捻りの弱さを残念に感じた。
もちろん、状況から推測していただけで、すべて分かって観ていたわけじゃないので「こうきたのね！」って驚きもあったし、種明かしに「なるほど」となったりはしたけれど。

最終的に「アンフェアには、アンフェアを」を見事成し遂げた終わり方は、例え決着はついていなくても、やられっぱなしで終わっていたこれまでとは違って一矢報えたと思え、爽快な気持ちになれた。
このまま終わっても良いような気もするが、裏切り者の彼との決着は見たい気もするし、さてどうかな？どのみち篠原さんの妊娠でから直ぐにどうこうってことはないだろうけど。（とりあえずは9/23にTVで放送されるスペシャル版で補完はしておきたいところ）。

総評：★★★++　　　好き度：★★★++　　オススメ度：★★★++

ちなみに、今回は原作シリーズの『殺してもいい命』から佐藤和夫の扱いのところだけが反映されていた。（焼き肉屋会談もかな？）。基本的に小説は小説、ドラマはドラマな作品なので関係ないっちゃ関係ないんだけど。