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2011/09/24

「親愛なるきみへ」みた。

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映画『きみに読む物語』ではその真実にボロボロと泣かされ、同じ原作者となるニコラス・スパークの小説『きみを想う夜空に』の映画化ということで、少しばかり期待していた作品。(といいつつ小説は読んでいないのだけど)。
『きみに読む物語』ほど泣かされはしなかったけれど、じわじわとくるものがある恋愛物語だった。

ジョンとサヴァナが出逢って、燃えるような恋に落ちて、共に過ごせたのは休暇中のたったの2週間。方や米国陸軍特殊部隊の兵士で海外の任務地を転々とし、方や現役大学生となれば続きは遠距離恋愛となるのは必至だ。休暇が終わりジョンは1年後の任務開けに除隊するとサヴァナに約束して任務地へ向い、不定期ながら手紙でのやり取りで愛を確かめ合っていた2人になるが、任務開けまで後少しというところで9.11のテロが起こってしまう。当然のようにジョンの部隊の仲間たちは次々に任務期間の延長を申し出る。そしてジョンも迷いながらも除隊を断念し、皆と共に任務の延期を決意する。

特別ジョンが愛国心で入隊したとかテロに怒り心頭しているような描写は無いのだけれど、現実にもアメリカでは9.11のテロの直後増えまくったという志願兵を思うと、現役兵士が除隊なんてありえない当時だったものと推測できる。
けれど、待ち焦がれているサヴァナにしてみれば現状は理解していても、心は引裂かれる想いのまままた別れ別れになってしまうわけで(ましてや戦地だし)、耐えるのもいっぱいいっぱいだったようだ。
そんなサヴァナの心の隙間をつく男が現れたからさぁ大変。そんな事になっているとは露知らず以前と同じく彼女からの手紙を心待ちにしているジョン。そしていつしか彼女からの手紙が途切れ、最後の手紙がジョンのもとに届く。

映画でも小説でも現実でもよくあるパターン。女性として彼女の選択は解らなくはない。彼女は精神的にダメージを受けている上に、相手の男に外堀を埋められるようなことになっており、肝心のジョンが不在ではコチラを選ばざる得ない状況に陥ってしまったのだと思えるしね。まぁ結果的にジョンの純愛を踏みにじっており、そうなる前に出来ることも「出来なかった」と言い訳する彼女で、最終的に自分で下した決断を「そうするしかなかった」と他人のせいにして未練タラタラに語るのはとてもカッコ悪く、100%サヴァナを擁護するつもりはないのだけど。
逆に、最初から最後までカッコ良かったジョン。失恋のショックと生死の境を乗り越えて、サヴァナの真意を確かめるために再会し、弱音を吐くサヴァナとちゃんと訣別するとことは切なくも褒めてあげたい気持ちだった。でも状況の変化から齎されるその後は「ご褒美」みたいなものとして素直に喜んであげたいところ。

父親とコインのエピソード、サヴァナとの月のエピソードは心に残るもので、原作の上手さをとても感じるところだった。秋を飾るしっとりとした恋愛映画としてオススメと思う。

総評:★★★★   好き度:★★★★   オススメ度:★★★★

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コメント

この作品、好き嫌いはともかくもっと注目作だと思っていたのですが、余りに大作公開が多くてちょっと埋もれ気味なのかな…。案外話題に上らないのがちと寂しかったりします。
アマンダはやっぱりこういう普通の女の子役が好きです。「クロエ」のファムファタール振りも悪くはないけれど、やっぱりキュートな彼女を期待しちゃうし^^

投稿: KLY | 2011/09/25 10:20

■KLYさん、こんにちは
そうですねー。良い作品と思いますが最優先にするほどのものじゃないし、公開時期がアレコレ被っちゃってるのが勿体ない感じ。

アマンダは「マンマ・ミーア」が印象的ですけど、確かに、普通の女の子が似合いますねw

投稿: たいむ(管理人) | 2011/09/25 19:26

こんばんは。

サヴァナも隣のティムも何だかなァ~でした。
ここら辺、もう少し掘り下げてくれないと、好意的に見てあげれませんよね(苦笑)
父親の作るラザニアがね、ああ美味しそう~食べたくなる季節になったな~なんて思いましたよっ♪(笑)

投稿: オリーブリー | 2011/10/01 01:05

■オリーブリーさん、こんにちは
ジョンにはすっかり感情移入していましたが、全体的に人物の掘り下げが薄かったかなと。
ジョンにしたって暗い過去がほとんど明かされませんでしたしね。

曜日毎に献立が決まっているのは、理由があったのかーと思いましたが、ラザニアは食べたくなりました。
グラタン系とかいい季節になりましたねw

投稿: たいむ(管理人) | 2011/10/01 20:00

おはようございます!

う~ん、イマイチでしたー><。
前半の雰囲気は良かったから、後半の展開が・・・
再会であのサヴァナの態度が思わせぶりで、観ていてちょっと不快^^;

リチャード・ジェンキンスさんいなかったら、テンション下がりまくりの映画だったかもしれません。


投稿: みすず | 2011/10/06 08:52

■みすずさん、こんにちは
お父さんとの件は良かったですよね。
サヴァナもティムもありえねぇ感じだったけれど、あまりにジョンが不憫だったんで、ジョンが赦すのならば・・というラストでした。

投稿: たいむ(管理人) | 2011/10/07 22:12

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