「トゥルー・グリット」みた。
「勇気ある追跡」のリメイクということで、物語はとっても単純な西部劇の復讐劇。父親を殺された娘がひと癖ある保安官を雇い、途中同一犯を追跡中のレンジャーと合流しつつ、見事復讐を成し遂げるといったもの。
父親の仇討のために保安官を雇う若干14歳の少女がマティ(ヘイリー・スタインフェルド)。雇われた保安官は若き日に幾つかの武勇譚を持つ、腕は確かだが大酒呑みなのがタマに瑕といった隻眼の男でジェフ演じる:コグバーン。そして、マティの父親を殺害し逃亡した犯人がジョシュ演じるチェイニーで、テキサスでも賞金首のチェイニーを追って、フォートスミスにやってきたテキサス・レンジャーのラビーフをマットが演じている。
復讐のための追跡劇=旅ということで、旅路では即席チームにありがちな不協和音から解散、(目標が同じであるため)再会、喧嘩(意地の張り合い)を経て、ちょっとした絆なんかも出来上がったころでまた訣別、そして目標との遭遇から大ピンチに合わせたかのような再集結から逆転劇といった流れは(今となっては)定番中の定番。
そんな定番でありながら、まず頭の回転の良さとここ一番の度胸で大人と対等に渡り合うマティ(ヘイリー)に舌を巻くことに始まり、余裕たっぷりで包容力を感じさせるジェフであり、出過ぎず控えめ過ぎずなマットがまた良い具合に絡んでいることで、王道を王道として素直に受け取れる作品になっていたと思う。
確かに何をとっても上質という感じで、アカデミー賞に10部門ノミネートされたのは分かる気がする。しかし王道ゆえにパンチが足りない部分はあったかもと、オスカーに一歩届かなかった理由は、他の作品を観て分かる気がした。
・・とはいっても秀作は秀作と思い、スクリーンで観て良かったと思う。
総評:★★★★+ 好き度:★★★★ オススメ度:★★★★
最近痛くなる映画が多くて困る。歯が折れて舌がちぎれかかって喋りにくそうなラビーフの口の中を想像しちゃダメだねぇ
それにしても、マットはあまり西部劇向きじゃない気も?
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コメント
高いレベルで王道なんですよね。パンチがって言うのは解る気がします。ヘイリーちゃんが余りにも上手くて、ジェフもまた上手い、マットも短い時間で存在感を示す、多分もうちょっと登場人物にメリハリがあったらよかったのかも。
オリジナルはご覧になりました?あっちはジョン・ウェインが図抜けているんでインパクト強いんですよ。
といってみても、凄く面白かった作品なんですけどね^^
投稿: KLY | 2011/05/17 22:09
■KLYさん、こんにちは
ですよね(^^)
オリジナルは観たことはあると思うけれど、記憶にないくらい前の話。
古き良き時代の作品は、スーパースターありきで作られているところがあるし、今、西部劇のような古典をやろうとすると、この方法がベターで精一杯かもしれませんね。
投稿: たいむ(管理人) | 2011/05/19 19:26
確かに王道なんですけど、コーエン好きとしてはコーエンらしくないって感じがしたんですよね。
やっぱりスピルバーグが製作に絡んでいるから、ブラックさが抜けてしまったのかな?
投稿: にゃむばなな | 2011/05/22 21:06
■にゃむばななさん、こんにちは
んー、私は「○○監督らしい」とかあんまりよくわからないんですよね。
今回のパイレーツ・・・みたいに、なんか変わった?くらいにはわかるし、作風とかはなんとなくわからないではないのだけど、メッセージ性とかは自分で感じたことしかわかりませんし。
誰であれ、結果が全てで、好きか嫌いかですかねー。
投稿: たいむ(管理人) | 2011/05/23 12:24
たいむさん、こんにちは☆
マット・デイモンが主役級なのにでしゃばらず、きちんと脇役を演じているなんて、ほんと贅沢な映画ですよね。
マティも新人ながら巧いし、ジェフの貫禄といい、王道ながらいい映画でした。
投稿: ノルウェーまだ~む | 2011/06/05 02:29
■ノルウェーまだ~むさん、こんにちは
キャストはなかなか豪華でしたね。
新人ヘイリーちゃんが負けてないのも良かったし。
王道が王道と言われる元になった昔の名作って好きです。
インパクトはオリジナルに敵わないけれど、リメイクでも良くできていたと思いましたw
投稿: たいむ(管理人) | 2011/06/06 17:29
こんばんは
深夜に失礼します
好きな作品です
王道は王の道だから奇をてらわなくていいと思っているであります
マティの決意に大人がやられちゃったと思ったですね
マットの最大の功績はおしりペンペンではないでしょうかー
ところで関係ない話で申し訳ない…ですが、
おお振りのサインボールが当たったのです
15巻とDVD発売記念のときのキャンペーン
振りファンのたいむさんについ言いたくなって関係ないところですみません…
投稿: おくやぷ | 2011/06/21 03:14
■おくやぷさん、こんにちは
昔も今も、とても良い作品ですよね。私も好きですw
マティは家庭環境から必要以上に大人ぶっているところがありましたし、それで大人も顔負けな決断ができたのだと思うし、マットのお仕置きは妥当なものだと私も感じました。
さて、おお振りの件、おめでとうございます!
全員のサインボールセットだなんてなんと羨ましい!!
私は両方買ったのに出してなかったんですよね。
帯とはいえ、切るのが嫌だったので。どうせ当たらないし・・・とかも思ったし(笑)
私も、大好きな京極夏彦氏のサイン本が当たった時は狂気乱舞で手が震えましたよ。
しかも、私の名前入りですから~
いや~、本当に良かったですね!
大切にしてくださいな(^^)
投稿: たいむ(管理人) | 2011/06/21 15:29