「SP The Motion Picture 革命篇」みた。

「こんな日に」という申し訳なさやもしもの不安感を持ちながらも、有り難いことに地震や津波の影響が少ない地域なのを良いことに、観てきてしまった。
先週TVで「野望篇：特別版」と「革命先日（EpisodeⅥ）」が放送されていたけれど、「革命先日」は完全新作の穴埋めエピソードであり、出来れば”革命篇”を見る前に見ておいた方が良いと感じた。（嵐の前の静けさといった内容だけど、見ておかないと繋がらないエピも含まれている）。まぁ見逃してしまったとしても繋がりはヒントみたいなものなので、アクションであり、尾形の正体であり、伊達の真の野望であり、等々、本筋に大きな影響はないので心配はいらないけれど。
見応えたっぷりで骨太な作品を堪能させてもらった。（以下、若干内容に触れているのでご注意を）。

昨夜からTVに釘づけな上に、未明にはやや大きめの地震に見舞われてほとんど寝不足だったため、いざ「革命」がスタートするまでは何度かトロンとしてしまったけれど、始まってからはそんな眠気は一気に吹っ飛び、肉弾戦には身体に力を込めて歯を食いしばり、真相には推理力を働かせながら最後の最後まで見入ることになった。

「革命編」は「野望篇」から2カ月後の出来事。一応「完結！」と銘打っており、ちゃんと”Final Episode”と表示されるにもかかわらず、なんとも含みのある終わり方をしてくれたものだという印象が一番強いかも。だって手紙は見せてくれないし、殺気を感じ取っているし、「え？もしかしてまだ続くの？」って思っちゃうもん。
とにかく、世の中の蛇の道に潜む蛇は一匹ではないというか、ミイラ取りというものはあっさりミイラにもなるというか、副題に”革命”ってコトバが使われた時点で、これは人間のエンドレスな問題を扱ったものだということに、もっと早く気が付くべきだったようだ。
人間の本質から組織や政治の世界とはこういうものだと思えば、ここで完全に終わっても（私は）納得できなくはないので本当に完結でも良いのだけれど、トコトン闇に迫る展開ならばみてみたい感じはあるかな。

後半は、SP VS SP、「野望篇」のリベンジ対決、井上VS尾形 と格闘戦に次ぐ格闘戦がものすごかった。全部ギリギリの肉弾戦なのだけどどこか芸術的でカッコイイ。また、同じ”のしちゃう”でも、TVシリーズ『SP』を彷彿させる井上の”身近な道具の活用法”がなかなか面白かった（どっちにしても痛そうなんだけど）。実行犯と解説者キドリの頭脳班に分かれている構図なんかも面白いし、（TVシリーズから引きずったままの）”過激な連中”とその役割には唖然とさせられる。
井上が職務を全うする理由を口にした時は胸にグッときたし、堪能堪能。戦略なのか救済なのか、劇場版の間にTVスペシャルを挟むのはどうかなぁ。オススメするにあたってマイナス点だと思うけれど、岡田くんも、堤さんも、真木さんもみんな素敵でカッコ良く、香川さんは苦悩をかかえた悪役が抜群。時間が許せばもう一回みたいなぁ。

総評：★★★★++　　　　好き度：★★★★++　　　オススメ度：★★★★+

地震により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様には、心よりお見舞い申しあげます。