「ナルニア国物語/第3章：アスラン王と魔法の島 (2D字幕版）」みた。

あれ？なんでファンファーレ が？　
確か前2作はディズニー作品だったハズ。3Dに力を入れているのもディズニーだし、当然今作もディズニーと疑っていなかったものだから、もしや入場するシアターを間違ったのかとあせっちゃった。
子供が大喜びそうなディズニーっぽい”笑い”もほとんどなくなり、極々善良かつ清潔で分かりやすいお手本のような子供向けファンタジーになった印象がした。

今回は兄弟姉妹も全員が揃うことはなく、次男次女＆彼らの従弟で鼻持ちならないクソガキの少年だけがナルニアに召還。
原作を読んでいないこともあって、召還されるや否や２章で活躍した”カスピアン国王（王子）”が登場したのにちょっとびっくり。確か１章のナルニア国と２章のナルニア国は時代が全然違っていたし、今回もまた別の時代なのかな？なんて思っていたからね。
物語は、ナルニア領の島で謎の霧が島の人々を忽然と消す怪現象が起こっており、その調査に出掛けたまま行方不明になっている7人の貴族を探して彼らの持つ魔法の剣を集めることと、東の海の果てにあると言われているアスランの国を目指すというもの。
謎の霧は人の持つ負の感情を増幅させて惑わすもので、ほとんど実体がない上、幻をみせたり、恐れを具現化したりとなかなか手強い。でも全般的にあっさりピンチを乗り越えるし、ピンチと見せかけて実は・・・なんて分かりやすい展開ばかり。剣集めもひとところに何本もあったりしてラクチンだし、負のパワーに冒されても簡単に立ち直っちゃうなど、ほとんど起伏のないあっさりした作品という印象しか残らなかった。
映像はたぶんキレイなんだと思う。おそらく3Dで見てナンボのものかもしれない。水とか霧とか、液体や気体が造形を成す立体像はやっぱり2Dではそれなりにしか見えないからね。スクリーンの更に奥を見つめるようにして片目を手で覆うと2D画面でも3Dに近い感覚が楽しめるのだけど、質感がずいぶん違うように感じられ、3Dでこそ栄えるよう工夫された映像なのだと思った。

すべての子供たち（の見た目）がイマイチ可愛くない「ナルニア国物語」で、唯一イケてたカスピアン王子だったから凛々しくなっての再登場は嬉しく思うものの、初登場の従弟：ユースチスがこれまた全然カワイクナイ子なのは狙ってのことなのかなぁ。性格が悪い上にこの顔だとホント憎たらしくて救いようがないって思っちゃう。けれど彼の成長が今作の鍵なワケで、トンデモない目にあったおかげで素直になれた彼の終盤での顔つきがすっかり優しく変化しているのが良く分かる。笑った顔は（元がどうであれ）誰でも可愛いもので、心持ちと顔つきってリンクしてるよなって改めて思うところだった。

取り立てて可もなく不可もなく。シリーズだから続けば見るし、というところ。まだ続くのかしらね？

総評：★★★++　　　　好き度：★★★+　　　オススメ度：★★★+