「僕と妻の1778の物語」みた。
なんかかんか言いわけしようが涙腺はすこぶる弱いので、ひとしきり泣かされてきた。病気・子供・動物ものの映画(邦画は特に)は意図的に外しているのだけど、この映画は「1778の物語」にあたる“ショートショート”のいくつかが実写化されているとのことで、それが観たいがために鑑賞することにした。なにぶんNHKで放送されていた『星新一 ショートショート』が大好きだったもので。
この映画は、とある作家がガンに冒され余命1年を宣告された最愛の妻の為に毎日1作”ショートショート”を書くことを心に誓い、妻が永眠したその日まで欠かさず必死なって書き続けたというもので、互いを気遣い続けるおしどり夫婦の姿、どこまでもあがき続ける夫、徐々に病状を悪化させていく妻、友人や親との交流から本音を漏らす妻、夫婦を暖かく見守る周囲という、泣かせ要素満載で出来ている。また、作家:眉村卓と妻:悦子さんとの実話がベースで、本当の物語は『奇跡体験アンビリバボー』でも特集されていた。
血も涙もない言い方になるが、心温まる美談を更に美化した作品という意味では現実味の薄い綺麗なばかりの映画。ただ、あえて取り乱したり苦しんだりするシーンを最小限に抑え、ガン治療を5年近く継続しながら綺麗なロングヘアで居続けさせるなど、基本的には「笑える“ショートショート”」といった執筆の意図に合わせる形で作っていると思えば、「美化」も作風の内と許容できるものだ。
・・で、楽しみにしていた実写化“ショートショート”だが、こちらは期待どおり楽しませてもらった。さすがに星新一のようなブラックなオチにハッとする話はなかったけれど、『留守番電話』の話はとても気に入った。突飛な物語に竹内結子のいたずらっぽい演技がぴったりマッチしていて、オチにつながる現実のオチも、もしや丸ごと「こんにちは」してくれるのではないかとワクワクしてしまった。
この手の作品が好きな方にはオススメ、そうでない人には勧めないまでも“面白かった”くらいは言ってもいいなかって映画だった。
総評:★★★++ 好き度:★★★++ オススメ度:★★★++
| 固定リンク | 0
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「僕と妻の1778の物語」みた。:
» 僕と妻の1778の物語 [LOVE Cinemas 調布]
フジテレビ系ドラマの「僕の生きる道」シリーズを手がけたスタッフが、SF作家の眉村卓の原作をベースに映画化。がんに侵された妻と、その妻のために毎日一編の小説を書き続けるSF作家の夫婦愛を描いた感動のヒューマンドラマだ。主演は『黄泉がえり』で共演した草彅剛と竹内結子。監督は『笑の大学』の星護。小説が映像になるファンタジックな演出にも注目だ。... [続きを読む]
受信: 2011/01/20 00:45
» 「僕と妻の1778の物語」レビュー [映画レビュー トラックバックセンター]
映画「僕と妻の1778の物語」についてのレビューをトラックバックで募集しています。 *出演:草なぎ剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、陰山泰、小日向文世、浅野和之、佐々木すみ江、大杉漣、風吹ジュン、他 *監督:星護 *原作:眉村卓『日がわり一話』『日がわり一話第2…... [続きを読む]
受信: 2011/01/21 11:54
» 僕と妻の1778の物語 [to Heart]
製作年度 2010年
上映時間 139分
原作 眉村卓
脚本 半澤律子
音楽 本間勇輔
監督 星護
出演 草なぎ剛/竹内結子/谷原章介/ 吉瀬美智子/陰山泰/小日向文世/浅野和之/大杉漣
TVドラマ「僕の生きる道」「僕と彼女と彼女の生きる道」「僕の歩く道」を手掛けたスタッフ...... [続きを読む]
受信: 2011/01/21 23:24
» 映画「僕と妻の1778の物語」 [FREE TIME]
映画「僕と妻の1778の物語」を鑑賞しました。 [続きを読む]
受信: 2011/01/23 13:05
» 僕と妻の1778の物語 笑えばいいのか泣けばいいのか・・・ [労組書記長社労士のブログ]
【=5 -2-】 年が明けてまだ12日間やのにもう5本も映画を観ている。
こんなペースで見ていたら、この1年間で152本も映画鑑賞することになるやん!←って、ないないヾ( ̄o ̄;)(笑)
SF作家・朔太郎と銀行に勤める妻、節子は、人も羨む仲睦まじい夫婦。朔太郎は一旦小説を...... [続きを読む]
受信: 2011/01/24 13:55
» 『僕と妻の1778の物語』 映画レビュー [さも観たかのような映画レビュー]
『 僕と妻の1778の物語 』 (2010) 監 督 :星護キャスト :草?剛、竹内結子、谷原章介、吉瀬美智子、陰山泰、小日向文世、浅野和之、佐々木すみ江、大杉漣、風吹ジュン SF作家である眉村卓と、余...... [続きを読む]
受信: 2011/01/25 12:06
» 僕と妻の1778の物語 [ケントのたそがれ劇場]
★★★★ ガンで余命1年の宣告を受けた妻と愛妻家の夫とのラブストーリーである。この類の物話は、捨てるほど手垢のついたお話なので、簡単に先読み出来てしまう。ただ僕の好きなSF作家の眉村卓氏の実話だということで映画館に足を運んだわけである。 彼は妻の悦子さ... [続きを読む]
受信: 2011/01/26 21:19
» 最後の最後に妙な感動。『僕と妻の1778の物語』 [水曜日のシネマ日記]
SF作家が闘病生活を送る妻の為に毎日1編の短編小説を書く日常を描いた作品です。 [続きを読む]
受信: 2011/01/29 08:47
» 『僕と妻の1778の物語』 | 大ヒット要因は内容よりも目の付けどころの良さ? [23:30の雑記帳]
カレーを頼んだらハヤシライスが出てきた、みたいな。
「日比谷」と言ったら「渋谷」に連れて行かれた、みたいな。
「泣ける」と聞いて観てみたら「シュールなSF」でした、みた ... [続きを読む]
受信: 2011/01/31 14:02
コメント
いわゆる難病モノでないところが気に入りました。
というかまあ「僕の生きる道」シリーズも『黄泉がえり』も大好きなんで、この2人が出演する時点でもう好きなんですが。(笑)
冒頭の銀行員の竹内さん、余りに美しすぎ!
投稿: KLY | 2011/01/20 00:46
■KLYさん、こんにちは
いわゆる難病モノと思ったら絶対に観に行かなかったでしょう(笑)
「僕の生きる道」シリーズも『黄泉がえり』も見てましたが、残念ながら特別な思いはないです。
まあ、おおかれ少なかれ病気モノには違いないのだけど、”楽しい”を重視した作品で良かったです。
投稿: たいむ(管理人) | 2011/01/20 18:43
そうそう、
学生時代、「星新一」「小松左京」など、
友人と回し読みしたのをこの作品のショート・ショートで
思い出しました。
節子の髪、まだ若い夫婦の設定なのに原稿用紙、、とか、
突っ込みどころというか違和感がありましたが、
後半の演出が一番苦手だったかもデス
投稿: kira | 2011/01/23 00:08
■kiraさん、こんにちは
実話とか原作ありいを売りにしているんで、あえて原稿用紙だったり携帯電話も無いような感じにしたのだろうけれど、玩具に対して銀行は整理番号発券機と表示があったりで、チグハグは私も気になりました。
>「星新一」「小松左京」
私が子供のことは、SFと言えば彼らの名前が浮かびましたね~~(^^)
投稿: たいむ(管理人) | 2011/01/23 14:07