「レオニー」みた。
100年前の明治時代、まだまだ未熟な日本を訪れたひとりのアメリカ人女性:レオニーの半生が描かれた作品。
ニューヨークで出会った日本人男性と愛し合い、子を授かった矢先”戦争”を切っ掛けにレオニーの人生は波乱に満ち始める。自分の信念を貫き通す人生を選択したレオニー。
身勝手な男と頑なな女。私にとってはなんとなく居心地の良くない映画だったかもしれない。
世界でもようやく女性の権利が認められ、仕事をすることが一般的になってきた時代。レオニーを育てた母親も娘が1人でも生きていけるように育て、教育を受けさせた強き女性と思うが、その通りに育ったレオニーは筋金入りと感じた。
ただ、いつの時代でも賢すぎて自己主張する女は可愛がられない。そうした媚びない女は決して自分の意志を曲げないし、決して後ろを振り返らず前に進むだけの人生を歩もうとする。
何年も日本に暮らしながら日本語を学ぼうとしなかったのも意志の現れだろうし(自己防衛もあっただろうが)、息子を芸術の道に引き戻したのも彼女の審美眼による強い希望の現れと感じた。
ロマンティストで明治男らしいエゴイストだった野口米次郎の信じられないくらいの豹変っプリがかみ合わずイラッとくるが、一生涯ひとりの女”レオニー”として生き続けた彼女にもどことなく不愉快さを感じた私。なんでかなぁ、良く分からないのだけど、私は”偉大なる母の愛情”っぽいイメージを予告編で持っていたのと、強き女性の内にある”人間らしさ”を期待していたような気がするからだろうか。
音楽は良く合っているし、移り変わる風景も素晴らしかったが、私の求めていたものとはちょっと違った、そんな感じだった。
総評:★★★++ 好き度:★★★+ オススメ度:★★★+
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コメント
こんな昔にシングルマザーで、しかも、アメリカ人が日本でハーフの子供を育てようとするなんて、それだけで無謀な話。田舎では好奇の視線にさらされたろうけど、何物にも負けない強い意志を持つレオニー。素晴らしいと思います。感動もしましたが、自分の母が、もしくは子供がこういう人間だったら、つきあえないと思いました。茅ヶ崎で公開してないのが返す返すも残念です。
投稿: mariyon | 2010/11/21 00:02
こんばんは。
たいむさんと殆ど同じ印象です。
ホント、居心地が良くないって、適切だわ(笑)
私も肌に合わない映画でした。
当時、日本人との間に子供をもうけ、慣れない地で暮らしただけでも発展的だと思いましたが、それ以外は無感情の私でした(苦笑)
投稿: オリーブリー | 2010/11/21 17:03
■mariyonさん、こんにちは
実に無茶で無謀だと私も思いましたが、どこまでも毅然として何事も屈しない姿は凄いと思いました。
でもねー、私も同じく受け入れがたいですね。
「奥さまは何故坊ちゃんを連れて国に帰らないのですか?」ってキクさんの言葉が一番まっとうに聞こえました。
投稿: たいむ(管理人) | 2010/11/21 19:44
■オリーブリーさん、こんにちは
なんだかホッとしました。
「レオニー」を支える会?か何かの活動をTVでちらと見たのですが絶賛というか陶酔というかだったもので、私が斜めに見過ぎているのかなーとか思っていたので。
頑張りは認めるのだけど、そこまでしなくてもと、なんだか他人事でしかないお話でした。
投稿: たいむ(管理人) | 2010/11/21 19:47
こんにちは。
ぼくは共感はもちろん(?)しませんが、
こんな人もいるんだと、
そういうのを驚きと共に見るのは
オモシロいと思う方です。
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』とか
もうすぐ公開される『ソーシャル・ネットワーク』のような、
“モンスター”を描いた映画は大好き。
これも、ちょっとそういうところがあったかな。
投稿: えい | 2010/11/23 14:22
こんばんは^^
レオニーの頑なさが良い方にも悪いほうにも出ているん
だろうなと思います。こういう女性だったのだと言われ
れば「そうですか。」としか言いようがないのですが、
私も正直彼女を観ていてあまり気持ちよくはありません
でした。^^;
投稿: KLY | 2010/11/26 21:17
■えいさん、こんにちは
私は面白いと感じる前に、嫌悪感が先に立ってしまうタイプかも(^^;
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』は予告も見ていないのだけど、『ソーシャル・ネットワーク』の骨肉?の戦い系は気になるし、期待してます。
投稿: たいむ(管理人) | 2010/11/27 22:38
■KLYさん、こんにちは
そうそう、「そうですか」って反応は分かる気がします。
理解はできるけど、触るとやけどしそうな気がして近づきがたいかな~って思っちゃいます。
投稿: たいむ(管理人) | 2010/11/27 22:39