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2010/11/04

「終着駅-トルストイ最後の旅」みた。

Thelaststation

『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』で知られるロシアの文豪・トルストイの晩年を描いた物語・・とか言いつつ、実はどちらもちゃんとは読んでいない私だ。
妻ソフィアが”世界3大悪妻”の1人だということ知らなかったけれど、ナイナイづくしだからこそ長年連れ添った夫妻が、単に有名でお金持ちなおじいちゃんとおばあちゃんとして少しの偏見もなく見る事が出来た気がする。

そう、どちらかといえばソフィアに共感して観ていた。ソフィアの対するチェルトコフや実の娘の仕打ちはあんまりだと憤るくらいに。
確かに贅沢は当たり前、財産に執着しているのは確かなようだったけれど、「愛すること」についてはソフィアの言い分のほうがより自然で正しいように感じられた。そしてトルストイが有名になればなるほど、思想や運動が広く支持され崇拝者を増やしていったことで、”トルストイ”という愚像が創り出され、本人の意思とは別に一人歩きし始めていたことは間違いないように思った。だから夫妻の確執はそうした多くの他者の理想に長年さらされ続けたことで決定的になってしまったように思え、「理想を貫くために」妻を愛しながらも妻から逃げずにいられなかったトルストイと、どこまでも夫に「変わらぬ愛」を求め続けた妻の悲劇だったのではないかと私はこの映画から感じた。
実際のところは分からないけれど、トルストイの秘書に採用された生真面目な青年:ワレンチンが遅い初恋から「生身の愛」を知ったことで考え方を変化させ、対立していたトルストイを崇拝するチェルトコフとソフィアとの間で翻弄させられ、揺れ動いていたことからも、「愛」の種類も「愛」の定義も無限大で自由なものと思い、「愛」といえば何でもアリのような、非常に便利な言葉なのだと改めて思った。
いずれにせよ「この映画では」として、ヘレン・ミレンほか名優たちあっての感想かもしれないが、偉人の遺産問題が絡んだ重苦しそうな内容の割にはクスクス笑ってしまうようなところも満載で、見やすくも見応えのある作品だった。(クライマックスはボロボロ泣いちゃったし)。

総評:★★★★+   好き度:★★★★+   オススメ度:★★★★+

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コメント

私もソフィアに共感したクチです。というかこの程度で世界三大悪妻にされちゃ妻なんてやってられないでしょうに。第一それなら今の世の中宇宙3代悪妻だっていそうだし。(笑)
結局歴史ってこういうもので、トルストイ主義の人たちから観たら、もはや自分たちにとっての神であるトルストイの崇高な仕事の邪魔をするヤツは悪意外の何ものでもないってことなんでしょうね。で、そんな連中が色々吹聴するから後世にこんな形で残ってしまうと。

それにしても実物の映像には驚きました。歴史が近付いた気がします。

投稿: KLY | 2010/11/04 23:47

■KLYさん、こんにちはsun
やはり男性でもそのように感じられましたか!
そう作っているのかも知れないとはいえ、私もあれしきのことで悪妻呼ばわりはあんまりだと思いましたよ。

こうしたものはおっしゃるとおりどちらの側から見るかで180度違ってしまうもの。そう考えるとワレンチンという人物がいかに柔軟性があったかといえそうで、私も思い込みにとられず生きて行きたいものです。

実際の映像は良かったですね。
そろそろ技術的な進化は伸びなやみな気もしますが、人間の技術力の目覚しい進化はすごいと思います。

投稿: たいむ(管理人) | 2010/11/05 12:33

こんばんは~。
「エクリプス~」にコメント、有難うございました!

これは観たかったんですよ~。
地元で上映がなく、見逃したんですが、そうですか。
見応えがあるのですね。
もう名画座なんかにもこないかな~。ぜひ観てみたいです。
みたらまたココにお邪魔しますね~♪

投稿: kira | 2010/11/15 23:27

■kiraさん、こんにちはsun
ジブイ作品だと上映館は限られちゃうことがおおくって残念ですよね。
もっと重苦しいものを思っていたのだけど、意外に軽いところもあって見やすい作品でした。

BSやDVDなど、機会があったら是非に(^^)

投稿: たいむ(管理人) | 2010/11/17 22:09

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ロシアの偉大な作家にして思想家であるレフ・トルストイの晩年を描いた伝記映画。夫婦愛、人類愛の相克の内で苦しみながら遂には最後の旅に出るまでを、若き秘書の目線で描き出す。主演は『Dr.パルナサスの鏡』のクリストファー・プラマーと『クィーン』のヘレン・ミレン。共演に『つぐない』のジェームズ・マカヴォイ、ポール・ジアマッティらが出演している。監督はマイケル・ホフマン。... [続きを読む]

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