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2010/10/26

DVD『蒼穹のファフナー(1-9巻)』みた。

Arcadian_project_01

以前からちょっとだけ気になっていたアニメ『蒼穹のファフナー』。けれど、ただ「(SEEDと同じ)平井画だから・・・」というだけでほかに切っ掛けが無かったため手を出すことは無かった。それが何やら年末に続編にあたる劇場版が公開されるとのことで、先週末からはバンダイチャンネルで1~5話が無料されており、暇つぶしにチラと見てみたら続きが見たくなってしまった。とにかく「何なんだ、この重苦しい空気感は」ってな感じで、続きを見ることで”救われたい”と願うような、そんな気持ちになった。
けれど、観れども観れどもちっとも救われないのだよ、この話。おかげで3日で全話制覇という強行突破になってしまった。

ストーリーをものすごく簡単に纏めると、”フェストゥム”と呼ばれる未知の生命体によって人類滅亡の危機にある地球で、最後の希望として創りだされた少年少女(アルヴィスの子供たち)と”フェストゥム”との戦いが描かれている物語と言える。そこに人類の未来を守るために犠牲となる子供たちを生み出した大人たちの苦悩と葛藤であり、常に生死の狭間で戦い続けなければならない重い使命を背負わされた子供たちの苦難であり、思春期の少年少女たちの想いが絡み合うといった人間模様がぎっしりと詰め込まれいる。更に言えば子供たちは”ファフナー”に乗れば乗るほど寿命を削ってしまうといった厳しい設定があり、人類はといえば最大の敵と遭遇しながらいつまでも意思を統一できずに身内で対立を続けており、さらに無尽蔵に増え続ける”フェストゥム”に対して、突破口さえ見いだせずに消耗するばかりの中で闘い続けるしかない人類という、絶望的な状況に打ちひしがれてしまうような話ばかりで出来ている。(ささやかな平和もあるにはあるが)。
・・でも矛盾にあえぎ、葛藤しながら自問自答を続ける全ての登場人物たちによって醸し出される悲愴感に浸りつつ、アレコレ思いを馳せてみるといった見方のできる作品は嫌いじゃない。決して心地良くはないし、ショッキングな展開に唖然としたり、後味の悪さにどんよりしたりもするけれど、全体として見応えのある作品だった。
この作品の世界観であり、”フェストゥム”とは何かを強いて例えるならば、「ゼロの概念」に近いモノ、だろうと感じた。「ゼロ」は”無”なのだけど無くてはならないモノで、掛けても割ってもゼロはゼロだけど、何かを足したり引いたりした場合はその何かになる。多分解釈としては間違っていないと思うけれど、漠然とした感覚を文章で表現するためには、具体的な事例をあげつつ論理的に組み立て直した論文を書かねばならず、どうかご容赦願いたい。それでも興味を持った方がいたのなら、百聞は一見にしかずとして「お試しあれ」と言いたいと思う。

Arcadian_project_09

このままだとまったく救いようのない物語のように感じてしまうかもしれないけれど、わずかな光を支えに我慢して我慢して見続ければ、試練を乗り越えて最終決戦に挑む彼らの勇気と絆に心を震わせ、掴みとった希望に歓喜できるラストが迎えられるのでご安心を。(それでも道程を振り返ってみるとあまりの犠牲の大きさに愕然とするところではあるが)。
ギリギリの状態で帰還した彼の治癒や、自分自身も生き続けるために犠牲となって散った彼の再生が劇場版で描かれるのだろうかと想像すると更に気持ちも軽くなるところで、複雑な世界観の中でどのような復活劇となるのかとても興味が湧いている。公開される劇場が多くないようなので地元ではまず観られないだろうからDVDになるまで待たなければならないが、もし都合がついたならば遠征先で観られたら良いなと思っている。

これを機会に積極的に冲方丁関連作品をチャレンジしようと思っている。『シュバリエ』は既に観ているし、小説の『天地明察』は前々から是非読みたいと思っていたのだけど。

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コメント

こんばんわ~
たいむさんの感想に、思わず笑ってしまいました。
ほんと観れども観れども救われないんですよね~(苦笑)
当時、鬱アニメだ…と思って観てました(^_^;)
でもその分ラストは素晴らしく輝いて見えたし、ちょっとした日常が本当に微笑ましいんですよね。

DVDで観れるかわからないんですが
『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』は観ましたか??
私、実はこっちのが好きです。
かずきたちが戦いを始める前のお話なんですが…
ストーリーと宮野守の演技がとても良かったなと、当時繰り返して見てました。
DVDでみれたらぜひ!

バンダイで今無料なんですか。私も久しぶりに観ようかな~
鬱になりそうだけど(笑)

投稿: きりん | 2010/10/28 00:47

■きりんさん、こんにちはsun
ホント、救われない鬱アニメでしたよ~coldsweats01
死亡フラグがたったと思ったら、次にはもう逝っちゃうもんね。結構疲れましたよ。
でも、主人公の一騎が案外落ちついた子で、あの状況の中でも苛立ちをブチまけたり、キャンキャン吠えたり、1人で暴走したりしないから、そうした嫌悪感にイライラさせられなくって良かったです。(熱血バカタイプじゃないのねw)

観終わると”楽園”の意味がヒシヒシ感じられる話で、いろんな余韻の残る作品でした。
なんであれ、(一応)ハッピーエンドになったのでホッとしましたよ。

『蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT』は昨日みました(笑)
作品を一気に観てしまった分、「見事に後付け説明だなぁ~」って部分がいくつか感じられたし、判っている結末に切なくなるけれど、続けて見直したくなるような前日譚で良かったです。(まぁ本編を繰り返しみるのは精神的にきついんで観ないけど・・^^;)

病弱設定もあったけれど、マモちゃんの張らない演技、悪くなかったです。
とはいえ、刹那と銀河美少年を併せた感じで、まったくマモちゃんの声にしか聞こえなかったけど(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2010/10/28 17:18

こんにちは。テレビアニメは観続けるのがホントにしんどくて^^;、まさに欝アニメだったと記憶していますが、ラストは綺麗な終わり方だったのでまぁまぁな印象でした。
劇場版公開は最近知ったのですが、同じ頃の12月に上演されるアフリカ座の『蒼穹のファフナー』の舞台は観るつもりです。アニメと同じ声優さんも出るそうでw。
マモちゃんが来年出る舞台『戯伝写楽』は、初演の内容が面白かったので、一回は観たいかなと思ってます。

投稿: ayuto | 2010/10/29 08:11

■ayutoさん、こんにちはsun
やっぱり誰がみても鬱アニメなんですね~(^^;
でも、確かにラストが悪くないので、私も総合評価として「良くできている」って思えました。

それにしても最近は映画化&舞台化が当たり前みたいになってますね。
んで、ayutoさんは舞台・・というか、役者さんが本当にお好きなのですねw
私も一度くらい生で観てみたいと思うのだけど・・・作品の選択も含めてなかなか難しいですわ。

投稿: たいむ(管理人) | 2010/10/29 17:34

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