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2010/09/16

涼宮ハルヒの文庫本、よんだ。

Bunretsu

アニメ放送にあまり力を入れていない地元放送局にしては、珍しく首都圏から2-3週程の遅れで放送してくれたため何となく見ていた『涼宮ハルヒの憂鬱』。その流れから劇場版『涼宮ハルヒの消失』も観て、少しばかりシリーズ全体に興味が引かれた私だったが、これといって手を出すでもなく・・・という状態だった。ところが夏前だっただろうか、ひょんなことで(オタクに片足を突っ込んでいる)甥っ子が「ハルヒ」好きであることが判り、既刊分の文庫を全部保有していると知った。門外不出の愛蔵版だったら諦めるところだったが、特に執着はないらしく、あっさり貸してくれると言うので好期を生かすことにした次第である。

既刊分は全部で9巻。ライトノベルとはいえ9冊読むのは容易じゃないし、劇場版も含めてアニメは原作を踏襲しているっぽかったので、甥っ子には”「消失」の続き”からでいいからね~とお願いした。・・しかし、いざ手渡されてみてビックリ。なんで5冊も??
あと1.2冊だろうと勝手に思い込んでいた私だったから唖然ボー然。「消失」がシリーズの半分にも達していないものだったなんてね。
夏休みで甥っ子が実家に滞在しているうちにささっと読んで返すつもりでいたわけで、予想外のことに苦笑いしつつ「あは、あはは~。ちょーっと時間がかかりそうだから、しばらくの間貸しててもらっていいかな~coldsweats01」と言わざる得なくなった私だ。(甥っ子は快くうけてくれたけど)。

8月上旬に借りてから約1ヶ月半。長期借入になったことから逆に後回しにしてしまったが、ようやく5冊分を読了した。
本人は無自覚・無意識ながら宇宙すら破壊しかねない異常な能力を持つ”涼宮ハルヒ”という少女。そんなハルヒを取り巻くのが宇宙人(長門有希)であり、未来人(朝比奈みくる)であり、超能力者(古泉一樹)であり、平平凡凡なただの人間だけどハルヒにとっては特別な存在らしいキョン、それが”SOS団”だ。メンツだけで既に何でもアリな設定が可能になっているが、実際にそのまんま”何でもアリ”で出来ているのがこのシリーズだったりする。
劇場版「消失」はそんな何でもアリの世界が、有希のイレギュラーによって何も起こらないただの世界に改変させられてしまうというものだった。それをキョンの決死の覚悟によって元のハチャメチャ世界に戻すという話なのだが、実は未来の自分から干渉を受けることでようやく世界が取り戻せるというような、とにかく「時間」を行ったり来たりするややこしい伏線がはられており、そうした種明かしの一部をチラ出ししつつ、終わっていったのだった。
未来からキョンを救出に来たのは他ならぬ有希であり、キョン自身であり、みくるちゃん(小)なのはアニメならば一目瞭然なため、例え”続き”を知らなくても(現象として)納得できなくはないところだが、”経緯”に至っては”続き”を読まなければ分からないものだし、また、「消失」以後の彼らによる「消失」とは別視点での同じシチュエーションというのはなかなか面白く、「良く纏めたなぁ」と感心するところだった。(タイムパラドックス的な謎も解消されてスッキリだ)。しかし驚くべきは、彼らはそこに行き着くまでにひとつふたつと別の事件(事象)に巻き込まれており、更なる進展を見せるシリーズになっていたところだ。

なるほど、「消失」が(今現在の)中間点なのが良く分かった。シリーズ的にも、内容的にも、「消失」のエピはターニングポイントになっていたのだね。
シリーズ的にここで終わってもおそらく問題がなかったであろう「消失」。でもそのまま続いてしまったシリーズ。よって「消失」での”世界改変”が新たなる展開への布石になり、改変の残滓が残った世界として扱うことで、キョン以外の団員それぞれに匹敵する能力を持った敵(?)が次々現れることになった。鶴屋さんもかなりフィーチャーされているように思う。
しかしながら「消失」後、「暴走」「動揺」「陰謀」「憤慨」「分裂」と続いているが、それ以前の「憂鬱」「溜息」「退屈」に比較するとただダラダラと長くなってるだけのようにも感じられる。
もともとキョンの語りで書かれている物語だけに蛇足が多くて長くなりがちだったが、輪をかけたように同じことを繰り返してちっとも話が進まないのがまどろっこしい。「消失」の後始末にしても、勿体つけるように別のエピソードが挟まれており、私としては勢いが削がれるようで少し苦痛を感じた。そして最後の「分裂」では新たなる役者が揃い始め、風呂敷を目いっぱい広げて「これから!」というところで終わり、”「驚愕」につづく”としたまま執筆が休止中になっているとのことだ。うーん。(”佐々木”の”僕”にすっかり騙された爽快感は久しぶりに良かったけれど)。
キョン以外のメンバー(ハルヒにさえ)に対立するモノを登場させたまでは良いけれど、私としてはすっかりSOS団のメンバー全員に愛着を持っているし、キョンの視点での語りでは敵対する彼らに良い印象を持てるはずがなく、とにかく鬱陶しいばかり。有希を筆頭に早いとこガツンと喰らわせてカタを付けて欲しいと思ってしまうのだけど、なんだかズルズル行きそうな気配がして読み心地があまり良くなかったりする。読んでいてワクワクしないんだよね。「驚愕」を待っているみんなはどういう思いで待っているのだろう?

SFちっくな学園ハチャメチャコメディ作品として反則的に斬新で面白かったけれど、それだけに勢いが大事だし、ブラックな要素は加減が大切と思う。甥っ子によると「驚愕」は今年中に出るとか出ないとか言われているようだが・・・。このままじゃ気持ち悪いから最後まで読みたいけれど、出来ればとっととこのエピソードを終わらせて欲しいかなーと。あんまりひっぱらないで欲しいよね?

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コメント

おぉ!!完読!!さすがです。
もともと、最初の作者のプロットは「消失」までだったと思うんです。読むならここまででいいと思うし、映画もここまでで完結しててほしい。
萌キャラの元祖のように言われているハルヒだけど、このSFの世界感は斬新ですよね。
でもって、それを普通の巻き込まれ型のキョンがあの口調で語る。
たしかに、だんだんとだらだらとしてくるし、キョンがキョンでなくなる。
最後になるかどうかわからないですが「驚愕」がなかなか出ない(出せない)のもそのあたりなんでしょうか?

投稿: mariyon | 2010/09/17 07:21

■mariyonさん、こんにちはsun
とりあえず読み終えました(^^)

やっぱりそうですか。mariyonさんも「消失」でひと段落だと考えてましたかw
ですよね。私もアニメはこれ以上手を出さないの賢明かなと思いました。
サイドストーリーで盛り上がるのはまだ良いとしても、続きはいらないかな、と。

萌え情報が先行していたため、私も若干の偏見を持っていましたが、SF要素は良くできていて純粋に面白いと思いました。だからなおさらに失速が惜しいって思っちゃう。

ライトノベルのアニメ化が増えたことによる因果関係は分からないけど、その後原作が行き詰まり休止になったまま放置されてる作品って結構あるんですよね。
作家が未熟なまま圧倒的な人気を得てしまったことによる弊害と考えても良いんじゃないかって思ったりしてね。
このままフェイドアウトしないで欲しいモノですね。

投稿: たいむ(管理人) | 2010/09/17 21:40

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