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2010/09/12

「おにいちゃんのハナビ」(舞台挨拶付き)みた。

Oniichannohanabi

新潟県は小千谷市片貝町での実話による物語であり、新潟県でオールロケされたこともあって全国公開に先駆けて先行上映されることになったこの映画。更に初日には国本監督に、高良くん・美月ちゃん・宮崎さん・大杉さんといった”須藤家”が揃って舞台挨拶に来てくれるという。これだけのメンツが一度に揃うなんて地方ではめったにないこと。これは逃すまいと予約をして当日を待っていた次第である。
実際、宮崎さんは綺麗だし、美月ちゃんは可愛いし、高良くんに大杉さんはめっちゃ格好良い。映画はとても良かったし、生の声が聞けて本当に良かった。

白血病で余命少ない妹と、妹最優先の生活から家族(父親)と確執が生まれ引きこもりとなった兄。退院してきた妹の強引な後押しでなんとか立ち直り始める兄で、家族との関係も修復されようとしていた矢先に妹の病気の再発、生き甲斐を無くしてふりだしに戻りかけた兄を再び救ったのが妹からの贈り物で・・・という、おそらく誰もが予想したとおりになる定番のストーリー。だからそこだけ聞くと所謂病気モノ&家族の絆物語とういうお涙頂戴要素満載の作品だろうと捉えるところだが、そうした押しつけがましいモノがほとんど感じられないナチュラルな演技と抑えられた演出がとても良くかったと思う。
高良くんはインタヴューでも舞台挨拶でも、そうした部分では特に過剰な演技をしたくないと、そうならないように気を配ったと言っていた。それでも悲しいシーンは目いっぱいの悲しみを表現しているし、切なさも悔しさもビンビン伝わってくるからコチラは号泣しちゃうのだけど、そう思ってみると、確かに高良くんは兄の太郎以上でも以下でもない感情の起伏のなかで演技していたように感じられる。妹役の美月ちゃんも決して悲劇のヒロインのような匂いを感じさせないシンプルなふるまいを通していた。
兄弟愛、家族愛、友情、郷土の誇り、どれもが無理なく心地よく受け入れられるもので、号泣しつつも最後は嬉しくなって笑って席を立てる、そんな映画だった。

映画になるべくドラマティックな演出も加えられているだろうけれど、中越地震で甚大な被害を受けた地域での復興の願いが込められた花火大会の中にあった真実のドラマには違いなく、また、スポンサーに頼るだけの花火大会とは一線を画した個人や団体が様々な想いを託して花火を”奉納”するといった古式ゆかしき伝統にのっとった地元密着型手作りの花火大会が微笑ましくて、羨ましくて、敬意を払いたくなる映画でもあると思う。

監督もキャストの皆さんも、地元新潟から全国に発信してより多くの人に楽しんで貰えたら嬉しい旨の発言をされていた。地元の贔屓目だとしてもとても良い作品だと思うので、こうして好印象・高評価な記事を書いている私だが、正直私が”地元”を名乗るのは少々おこがましく思うところではある。地方の行事はやっぱりその土地土地だけのものだから。それでも、一観客としてならば片貝の花火大会は何度か観に行ったことがあるし、見知った風景に親近感を覚える映画ではある。大ヒットしてくれることを願っている。
皆さん、よろしくね!

総評:★★★★++   好き度:★★★★+  オススメ度:★★★★★

惜しむべくは、片貝の花火は世界一を誇る大きさのため、スクリーンですら入りきらないこと。四尺玉は本当に頭上に火の子が降ってくるような感じであり(実際昨年にそんな事故もあったが)、音などは腹の底にズドンと響いてビリビリするほど凄いんだよー。
ちなみに花火大会は毎年9月9・10日に行われている。今年は宮崎さんと主題歌を担当された藤井フミヤさんも現地でご覧になったとこのとだった。

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コメント

いや、実際に素晴らしい作品でした。
とにかく「どうせ難病もので泣かせようとしてんだろ。」とか言わないで観て欲しいですよね。
人が死ぬ、そりゃ当然家族は悲しいし、それを観たら涙もでます。亡くなるシーンは悲しかったし。
でもそれ以上に、お兄ちゃんが妹の夢をかなえる為に必死になって努力した結果のハナビ、そしておにいちゃんだけじゃなくて、翠嶂会の、おばあちゃんの、新居に引っ越してきた夫婦の、みんなの想いが篭ったハナビの美しさにとてつもなく感動しました。
25日公開作品はライバルが多いですが、是非頑張って欲しいです。

投稿: KLY | 2010/09/12 01:14

■KLYさん、こんにちは
そうなんですよ!
私も難病モノ・動物モノ・子供モノって苦手なのだけど、この映画はそうだけどそんなんじゃないってことを声高に宣伝したいです。

奉納花火にまつわるエピソードも心に沁みますよね。羨ましくなりますよね。(新婚さんはちょっとわざとらしいけどw)
瞬発力はないかもしれないけど、じわじわとずっとヒットし続けるような作品になると良いな~

投稿: たいむ(管理人) | 2010/09/12 10:11

たいむサン、新潟でしたか~。
兄と妹、そして家族の絆に涙。
そして、片貝町の皆さんが
自分たちで作り上げる花火大会にも
感動しました。

投稿: michi | 2010/09/19 16:15

■michiさん、こんにちは
はい、新潟です。
華が太郎を最初に連れ出した買い物のところは、新潟駅から数分のショッピング街です。見慣れた風景で笑っちゃいましたw

片貝の花火大会、コンセプトが素敵ですよね。
生は凄いですよ~~


投稿: たいむ(管理人) | 2010/09/20 17:47

こんにちは。

花火を同窓生が作るという発想が好きです。
あれだと、みんな集まれますものね。
うらやましくなりました。

投稿: えい | 2010/10/10 22:05

■えいさん、こんにちは
地元密着型花火大会、素敵でしょう?(^^)

同級生で繰り返し・・・ってとっても良いけれど、映画にもあったけど、余所モノを受け付けないってところはちょっとあると思うんです。
それでも、素敵な風習ですよねw

投稿: たいむ(管理人) | 2010/10/12 19:08

花火はどうしても映像を通すと迫力半減しちゃいますね。。
やっぱり生観覧が最高!

泣かせつつも優しい余韻いっぱいの良作でした。
ええ話やぁ〜

舞台挨拶いいなぁ! 
生の谷村美月ちゃん見たい!!

投稿: AKIRA | 2011/05/30 11:25

■AKIRAさん、こんにちは
やはり花火は生ですねー。
片貝の4尺玉は大きさももちろんだけど、ズドンとお腹に響く音もすごいんですよ。

生、美月ちゃん、小さくて可愛かったですよ(^^)

投稿: たいむ(管理人) | 2011/05/30 19:41

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