「エアベンダー」みた。

ファンタジー作品にはすっかり食傷気味なのでまったく期待していなかったのだけど、久しぶりに素直に「面白かった」と言いたくなった作品。
近頃必ずのように「シャマラン」の名ばかりが先行し、良くても悪くても厳しい評価が飛び交うシャマラン作品だけど、「シャマラン」というのを抜きにしても私はカナリ楽しめた。

物語の大筋は、世界にバランスを齎す存在が消えて以来バラバラになっていた４つの国が、”アバター”の復活から再び世界が調和を取り戻すまで・・・というもの。そもそも”アバター”が姿を消したことから世界の均衡が崩れたのだから、”アバター”が立て直すのが筋ってものだし、”アバター”にしか出来ない事だから必然の話なのだけど、復活したのは”少年アバター”で、しかも修行の途中で逃げ出してしまっているため現在の状態では”アバター”が本来持つ能力を半分も使えないところがミソだったりする。そこで最強最大となった”火の国”と戦いながら、仲間と共にひとつずつ能力を習得するための旅に出る、といった定番のファンタジー作品になるわけだ。
チラシにも使われているけれど、初めは”アバター”である少年の力が発動した時、青い光を放ちながら白目をむく画は「不気味～」としか思えなかった。それに力を発動していない時でも少年はあまり可愛く見えず全然ノレてなかったのだけど、アクションシーンでは拳法のステップや型をバシっと決めてくれてカッコイイし、未熟なくせにだた気持ちだけで突っ走って失敗し、その後覚醒して結果オーライで辻褄をあわせちゃうようなガキんちょではなく、スペシャル中のスペシャルだという自覚を持ちつつ、それでも子供らしい葛藤と力の発露（成長）を見せてくれるところにだんだん感情移入するようになっていった。
それから最初こそ敵役で登場した”火の国の王子”も実は・・・というものがあり、そんな王子を支援する伯父（国王の兄）のベンダーがかなりの能力者で（ファンタジーらしい）”賢者”っぽいところが安心できて好き。
とにかく最初から”アバター”はスペシャルとされていたから、どんな大技を繰り出そうと唐突感はないし、”ベンダー”たちも優劣はあれど能力者として別格とされていたから、最初は力を使いこなせずにいた水のベンダーの少女が、後半では修行の成果を見せてくれても違和感がないところも良い。（”土の国”での土壁防御を繰り出したお父さんもカッコ良かったし）。
こうしてみるといかにもファンタジーな作品なのだけど、”東洋の神秘”が効果的なのか、映像の美しさも手伝ってか、ワクワクしながら新しいファンタジー作品を楽しめた感じだった。
巷の評価はあまり高くないみたいだけど、私は好き。この調子だとあと2作は必要な気がするけれど、出来ればアン君が大きくなり過ぎないうちに続きであり、完結編を観たいと思った。

総評：★★★★　　　　好き度：★★★★+　　　オススメ度：★★★★