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2010/06/26

「オーケストラ!」みた。

Le_concert

音楽はいいね。音楽は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化の極みだよ。(なんちて
大都市では『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』と同じ頃に公開されていたように思うけれど、地元ではやっと公開。観たかっただけに、来てくれて良かった~♪
クライマックスの【チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調】は最高!涙がボロボロとこぼれた。ブラボー!!

コメディタッチでシリアスドラマもあって、最後は音楽でドガンと締める構成は、「のだめ」に近いものを感じる。『のだめカンタービレ 最終楽章 前編』での千秋は”ボロボレロ”にはじまり”大序曲”で見事にリベンジを果たしてくれたが、この『オーケストラ!』も30年越しのリベンジを果たすという物語。
30年前の絶頂期に政治がらみから楽団を解散させられ、現在は劇団の清掃員にまで落ちぶれてしまった天才指揮者のアンドレイが、支配人宛にパリから届いた出演依頼のFAXをかすめ取り、かつての仲間を集めてオケを再結成させてパリへ乗り込む計画を立てるというところからすべてが始まる。
散り散りになった仲間集め、ボリショイ側にもパリ側にもばれないように契約を進め、山積みの問題をクリアしながらパリへやってきたところまでは良いけれど、パリでのメンバーは好き勝手に動き回り、リハーサルにも姿を見せず、音合わせひとつ出来ない状態のまま当日を迎えることになる。
ブランクのある50人ものオケがぶっつけ本番だなんて、誰がどう考えたって成功するハズがなく、本気で音楽をやっている人が見たら「音楽を甘く見るなよ」なんて怒り出しそうな感じなのだけど、そこは30年の時を超えて仲間を一つにする”隠し玉”があるところが映画ってね。(”隠し玉”に関するエピはオケ作りと並行して描かれている)。
”隠し玉”によって本番には全員が集合。それでも、さすがに出だしはドロドロで、聴くに堪えない音楽にざわつく会場。けれど、バイオリンのソロを挟んで後、それが合図になったかのようにオケの音が一転。ここからは演奏にどんどん引き込まれていくことになった。
正直、これでもかと言わんばかりに本番直前まで団員が好き勝手してしていたり、アンドレイがグズグズしていたりするのにはだんだんウンザリしてきて、”一発大逆転狙い”の意図がバレバレで鼻に付いたが、最後の【チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調】がそうしたものを全部帳消しにしてくれて、本当に音楽って凄い。

もう少しリアリティがあればイライラすることもなく、もっと感動できたように思うけれど、グダグダの果ての大リベンジ演奏。これは観て損はなし、かな。

総評:★★★★    好き度:★★★++    オススメ度:★★★++

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コメント

私は今年の洋画の中でも今のとことろ1,2を争ってます。実際大ヒットみたいで、今日言ったところでも未だに1日3回公開で全部満席になってましたよ。^^;
ラスト13分の演奏はとにかく泣けて泣けて。30年越しにかなった究極のハーモニー、それを導いたのが彼女の娘だってところがもう…。音楽って素晴らしいって素直に思えました。

投稿: KLY | 2010/06/26 22:59

■KLYさん、こんにちは
音楽モノにまずハズレは無いですよね。
私はあまりのデキ過ぎがやり過ぎに感じられて、逆に評価を下げていますが、最後のチャイコフスキーは涙涙ですね。

音楽に国境なし。理不尽に耐えなければならない時代があったことを思うと、自由な時代に生まれられて良かったと心から思いますよ。

投稿: たいむ(管理人) | 2010/06/27 20:45

>グダグダの果ての大リベンジ演奏

そうそう、これがいいんですよね。
もうこれほんまに大丈夫?と思わせておいてのラストでのオーケストラの素晴らしい演奏。
音楽の素晴らしさを改めて教えてくれる秀作ですよ。

投稿: にゃむばなな | 2010/06/28 20:31

■にゃむばななさん、こんにちは
一発逆転劇は好きなのだけど、全然大丈夫じゃないという、ちょっとあり得なさすぎなところが私にはマイナスでした。

でも音楽が絡むとそのあたりが帳消しになっちゃいますね(^^;

投稿: たいむ(管理人) | 2010/06/29 19:36

こんにちは♪

本当に最後の【チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲ニ長調】ですべてOKって感じでしたね。
演奏は圧巻で感動しました
音楽って本当にすごいですね

投稿: Nakaji | 2010/10/05 13:45

■Nakajiさん、こんにちは
ほんと音楽ものは最後の〆でぜーんぶもってっちゃいますよね。
やや強引な感じではあったけど、チャイコフスキーに感動でしたw

投稿: たいむ(管理人) | 2010/10/06 17:14

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