« 「ザ・ウォーカー」みた。 | トップページ | 「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ シーズン2」(34) »

2010/06/20

「赤い彗星」 福井晴敏(著) 読んだ。

Gundam_uc3

「ユニコーンの日(上・下) 」に続き、『機動戦士ガンダムUC (ユニコーン)』の角川文庫版の原作本の第3巻。遅読な私の割にはあっさり読了。気が付いたらほとんど一気読み。200ページ強程度の薄い文庫本だからではあるのだけど、今のところ孤立無援のユニコーンとバナージが一体どこに定着するのかとか、”赤い彗星”の再来と呼ばれるフル・フロンタルの登場とか、搭乗機の”シナンジュ”とか、よりにもよって連邦側に救助されたオードリーがどうなるのかとか、気になる部分が多々あるから先を急いで読んでしまうし、後半はそれらが一つに纏まるもんだから、一息つくまで止められなくなってしまったのだ。
(以下、若干ネタばれしているのでご注意を)。

ネェル・アーガマに回収されたユニコーンとバナージ。組織も立場も異なる多数の人間が乗り合わせ、それぞれの思惑が複雑に絡みあってピリピリとはりつめた空気が充満しているネェル・アーガマ艦内。幸いリディによって救助・収容されていたオードリーやタクヤ、ミコットという仲間たちと再会できたものの、『ラプラスの箱』の”鍵”とされるユニコーンのパイロットとして収監されたバナージに気の休まる時はない。自分だって分からないことだらけで「聞かれたって知るもんか」といったバナージだが、政治が絡んだ大人の事情に巻き込まれてしまっては「子供」であるという特権は剥奪されたも同じ。しかし、それぞれ指揮系統の異なるロンド・ベルとマンハンター、アナハイム・エレクトロニクス社の幹部が会し、意見の相違から足の引っ張り合いを始めてしまえばそこかしこに隙が生まれ、外の敵(ネオ・ジオン)に付け入れられてしまうのは当然の成り行き。そうした隙はバナージにも自由を齎したりするわけで、そこからユニコーンとシナンジュの対決へと発展していくのだから上手く出来ている。
タクヤとミコットは、民間人と軍とで本来ならば行き交うはずのない情報を円滑に繋げる役割を果たしており、嫉妬と混乱からオードリーを密告してしまうミコットといった展開はいかにもといったところ。
そんなこんなで正体が明らかになったオードリーの本来の姿はなかなかのもの。一般的には世間知らずでも、帝王学を叩き込まれて育ち、若干16歳にして己の義務と責任を理解し、それ相応の覚悟を決めている彼女はカッコイイ。(そんな彼女がどう変化していくのか楽しみになるしね)。
リディのオードリーに対する微妙な感情には最初「えー、ミヒロは?」と思ったけれど、オードリーの正体を知るとそんなものはけし飛んじゃった感じ?逆に深みにはまる可能性もある?でも”出来レース”の話などで自分の無知を露呈することとなったリディで、今のところどっちに転ぶかは五分五分か。それでも、”出来レース”という裏を知ってしまうとリディにも心境の変化があるだろうし、リディがバナージに嫉妬めいた感覚を持っていることからも、バナージ不在時のバナージ役はリディになるのかなとか思ったり。オードリーも”マーセナス”には反応していたし、リディは絡ませやすい役どころなんじゃないかな?

期待のフル・フロンタルとシナンジュは―――、文章で読む限り、戦闘シーンでのあまりのサービス仕様に笑った笑った。「3倍」だの、「見せてもらおうか、新しい《ガンダム》の性能とやらを」だの、「当たらなければ、どうということはない」だの、否が応にもシャアを彷彿させられる名台詞が出てくる出てくる。(サービス自体はフル・フロンタルに限ったことじゃないけれど)。
結局のところ、機体の性能だけではどうにもならず経験値の差がそのままモノを言う段階のバナージで、シナンジュとの善戦むなしく、最後はクシャトリヤに鹵獲されてしまうユニコーン。アムロだって最初っから上手くやっていたワケじゃないし、ニュータイプは覚醒を始てからの成長がハンパじゃないことから、まぁこんなもんだよね、といった感じ。

正体がバレてただの民間人から人質となったオードリーはネェル・アーガマに残されたまま。それでも、それはただ不都合な真実でしかないという事実というのがオードリーにとってもバナージにとっても幸いなことと言えそうで、この先の展開が気になるところ。
次巻は「パナマ攻略戦」。中盤に向けて話が加速していくことを期待する。

|

« 「ザ・ウォーカー」みた。 | トップページ | 「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ シーズン2」(34) »

コメント

失礼します。

シュナンジ→シナンジュ
クシャトリア→クシャトリヤ

なんですけど。

第一巻でラプラスの箱の形状がわかると思いますが、どんな形か頭に叩き込んでおくと、この先の巻でちょっとしたサプライズを味わう事が出来ますよ。

投稿: A.Na | 2010/06/24 01:22

■A.Naさん、こんにちはsun
ご指摘ありがとうござます。いやお恥ずかしい。なんか違和感あったのですけど、勢いでかいたまま見なおすのを怠っていました。
早速修正いたしました。

>第一巻でラプラスの箱の形状
あまり意識して見ていませんでしたが、意識して見なおします!
映像ではそれとないヒントがいっぱい隠されていそうですね。
楽しみです。

投稿: たいむ(管理人) | 2010/06/24 07:51

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/106009/48669295

この記事へのトラックバック一覧です: 「赤い彗星」 福井晴敏(著) 読んだ。:

» 福井晴敏 「赤い彗星」 [ゼロから]
◆ユニコーンガンダム シリーズユニコーンで出撃したが、敵に捕らわれてしまったバナージ。なんだか、どこかで見たことのあるような展開ですがユニコーンが、圧倒的に強くないのは好感が持てます。... [続きを読む]

受信: 2011/03/13 20:42

« 「ザ・ウォーカー」みた。 | トップページ | 「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ シーズン2」(34) »