「劇場版 涼宮ハルヒの消失」みた。
ようやく地元で公開。東京で鑑賞する時間が取れなかったので残念に思っていたが、地元で公開されると知って楽しみにしていた。小説は未読。アニメも1期目は完全スルー。2期目が始まった頃に地元局ではじめから放送されたので視聴し始めたが、あの「エンドレスエイト」にやられてしまい、今に至る。宇宙人に未来人そして超能力者が一同に会し、その大将がなんでもアリの涼宮ハルヒ。デタラメな世界がデフォルトの日常だから、次に何が起こっても不思議がない。むしろ異常を期待してしつつ、その打開策を更に期待する。
そんな作品の劇場版。一度見ただけではタイムパラドックス的に正しいのか整理できていないのだけど、それだけにリピートしたくなる面白さだった。
映画は、一応正真正銘の現在である12月18日の早朝を起点にし、時間を行きつ戻りつ、結果的にはほんの5日程度に起こった出来事が描かれている。一晩寝たら、キョン一人を残して世界のすべてが変貌していた。それを正常(記憶どおり)に戻すためにひとり東奔西走し、決断(選択)するキョンという、なかなか深い(?)お話。
ハルヒ初心者の私でも、世界の異変には「あれ?なんで?」と思う。そんなことが出来るのは基本的にハルヒしかいないのだが、クリスマスパーティを企画して意気揚々としていたハルヒが何故その直前に世界を変化させる必要があるのかと、何が気に入らなかったのかと、しかもキョンだけ切り離されることに違和感を持つ。
パラレル世界なのか、同じ世界が塗り替わっているのか。まずそこからなのだけど、それは中盤になって明らかにされ、さらにこの件に関してはハルヒは直接関与していないと判ったところで納得することになったが、となれば、あとはこんなことができるのはただ一人と、なんとなく全容が見えてきてちょっぴり切なさがプラスされた。
誰かの想いで、もしもの世界が本当になる世界。そこで選択肢を与えられた人間は、自分を偽ることなく、誠実に答えを出すのが礼儀というもの。そして出した答えと選択には当然「責任」が付いてくる。
巻き込まれた被害者ではなく、もはや当事者であることを受け入れることにしたキョンの選択。カッコよかったな。
3時間近い長丁場には少々疲れたが、2部作3部作として焦らされず、スピード感が損なわれることがなくて良かったと思う。
”涼宮ハルヒ”という(良くない意味での)”オタク”を連想させるアニメーションであることから、それだけで見ない・興味がないと言う一般映画ファンが多いと思うけれど、これは下手なSF映画より何倍もウマく出来ている作品だと私は思う。アニメに抵抗がない人でも、「さすがに劇場はちょっと」という人には、DVD化された際に改めてオススメしたいと思う。
総評:★★★★+ 好き度:★★★★+ オススメ度:★★★★
それにして「ハルヒ」人気を初めて体感した感じ。「ヱヴァ」や「Zガンダム」ほどではないものの劇場は毎回ほぼ満員。しかも男性比率が9割5分。(「ヱヴァ」でも7割くらい?)。今更そこに混じることに抵抗のない私だけど、傍から見た場合の「いい年した大人の女性」という自分を思ってちょっぴり苦笑い。
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コメント
ご覧になりましたか。
自分も観たのですが、かなり前のことなのであまりよく覚えていません。(汗) 予備知識皆無で鑑賞したんですが、結構おもしろかったのを覚えてます。「ハルヒ」がなかなか出てこないなぁ、と思ったり、「ハルヒ」が女子だったことに少しびっくりしたくらい、何も知らずに観てましたよ。(爆)
投稿: あかん隊 | 2010/05/09 17:18
■あかん隊さん、こんにちは
「ハルヒ」が女の子とも知らないのに、鑑賞しようと思うあたりがスゴイなって思いますが、何も知らなくても「面白かった」という感想を持たれたということは、やっぱり良くできているってことですよね?
ファンってほどでもないけれど、なんか嬉しいです。
京都アニメーションは定評どおりで、映像も綺麗だったと思います。
タイトルこそ『涼宮ハルヒ・・』だけど、主人公はあくまでもキョンというこの作品。だからハルヒが出てこなくても問題じゃなかったりしますが、3時間近く、ほとんど一人でしゃべりまくっていた杉田さん、お疲れ様って思いましたよー。
投稿: たいむ(管理人) | 2010/05/09 20:51
この映画はTVシリーズを見たうえで見ると、より楽しめるんですよね。
特に第1期の第2期を放送構成の違い、「エンドレスエイト」が何度も続いた意味、「笹の葉ラプソディ」が新作エピとして編入された訳、そして「サムデイ・イン・ザ・レイン」が最終回だったことも全てこの映画のための壮大なるネタふりだと分かった時の爽快感。
あぁ~もう一度聖地巡礼したいっす!
投稿: にゃむばなな | 2010/05/09 21:49
■にゃむばななさん、こんにちは
あまちTVシリーズは真剣に見ていなかったので、私などは爽快というよりは「あれぇ?あーそうかぁ」と緩慢な反応にしかなりませんが、シリーズを見ていてよかったなぁとは思いました。
というか、TVシリーズを見ていなかったら観に行ってなかったかも。
それも勿体ないなぁーと思うので、ほんと良かったですw
投稿: たいむ(管理人) | 2010/05/10 19:01
ご覧になったんですね~~。
ハルヒ、好きです。
もともと、この消失までがひとくくりなのだと思いますが、最初、憂鬱で、この世界観にがつんとやられて、単なる萌系ラノベと思っていたので、ほんとうにびっくりでした。
消失は、キョンの理屈っぽさとぼやきが聞けないのがちょっと残念ですが、そのぶん、長門との関係がたまらないです。
できれば、全部映画で観たい気もします。。(笑)
投稿: mariyon | 2010/05/10 22:43
■mariyonさん、こんにちは
ご覧になりましたぁ(^^)
私もてっきり「萌え系」と思っていたんで手を出さなかったのだけど、偏見で敬遠してはいけませんね。(いろいろ学んだはずなのになぁ)。
とはいえ、アニオタってけっこう博学で、哲学チックな作品を好むところがあるから「紙一重」ではあるかなって思うけど(笑)
実はハルヒより長門が好きです。だから今回のはツボ♪キョンも思いやりのある良い子で大好きですw
DVDを買ってしまうかも(^^;
投稿: たいむ(管理人) | 2010/05/11 19:06