『xxxHOLiC 17巻』より。
侑子さんの愛用のキセルを同じように愛用している四月一日。大切なものだけに定期的な手入れを怠らないのはさすが四月一日。アチラ側の羅宇屋に営業に出向いてもらっているだが、今回はアレコレ部品交換や洗浄が必要で、いつもの対価ではちょっと足りなくなってしまった。そこで羅宇屋はお代と思って「いらっしゃい」と言って欲しいと四月一日に頼むのだが、その結果を知った時はすでに遅し。「いらっしゃい」とは招くことと同義となり、そこに現れたのは女郎蜘蛛だった。(羅宇屋の手引きだけど、羅宇屋は決して悪いヤツではない)。どうやら女郎蜘蛛は、正真正銘”客”として、願いを頼みに来たのだという。
かつて四月一日の右目を奪った女郎蜘蛛。間違いなく招かれざる客なのだが、すでに招いてしまったのだからどうしようもない。四月一日も女郎蜘蛛と渡り合えるくらいには成長して力もつてけいる。女郎蜘蛛と相性の良くない管狐の無月もいる。
何重にも用心しつつ、店に通して依頼を聞く四月一日。女郎蜘蛛の願いは「紅い真珠を探して欲しい」とのことだった。店の宝物庫には保管されていないものであり、在りかを探すところから始めることになるが、その在りかに繋がるまでは、どうしても百目鬼の助けが必要となる。(右目をわけあったことが、こんなところで生きてくるだなんてね)。さっさと”お使い小僧”なんて辞めろという四月一日と、辞めたくなったら辞めるという百目鬼。選択肢があるのは百目鬼。四月一日と百目鬼はいつまで一緒に、どこまで一緒にいくのだろうね。
小羽ちゃんの援助もあって、なんとか「紅い真珠」に辿りついた百目鬼。後は四月一日の仕事。”夢渡り”とでもいうのかな?四月一日は繋ぎ(縁)がつけば、夢の中で行きたい所へ行ける技を身に付けたようだ。夢であって現実という空間。そこで四月一日は傷だらけの一人の女性に出会う。本来ならば視えないハズの四月一日の存在に気が付き、会話することもできる女性。今の四月一日と同じように年をとらない女性”八尾比丘尼”。八尾比丘尼が「紅い真珠」を産み出すのだという。(薄幸そうな人間と対峙するときの四月一日はやっぱり四月一日で変わらない)。
「紅い真珠」を八尾比丘尼から譲り受けた四月一日は女郎蜘蛛へと手渡す。今度は対価もしっかり貰う。その対価に貰った祓具を3月3日の百目鬼の誕生日に贈る四月一日。普段は”指抜き”のカタチをしているが、有事には使い手に合わせた祓い具へと変化する代物。護身用。(百目鬼の場合は弓に変化した)。四月一日と深く関わっている百目鬼で、如何に清浄な百目鬼といえども常に”安全”が保障されているわけではないのだね。実働分の対価でもあるだろうが、四月一日の願いであり、感謝の気持ちといったところだろう。
そして百目鬼が”指抜き”を使いこなせるかを試した際に壊した眼鏡を片付けに宝物庫に向かう四月一日。宝物庫では呼び寄せられるようにして侑子さんの想いのつまった箱を見つける四月一日。すべては必然。(く~泣ける!)
久しぶりに管狐とおでん屋のきつねの子が登場。全般的にシリアスタッチな中に、こうしておなじみに可愛いキャラたちが登場するとほっとして嬉しくなる。ついでに管狐はOADにも登場。デッカイ姿も拝めて満足♪(マル・モロ、モコナも相変わらずでカワイイぞ)。
そのOADは『籠』の世界の更に数年後が描かれていた。百目鬼は大学を卒業してそのまま助手として残り、変わって小羽ちゃんが百目鬼の大学の学生になっている。大学では古い文献やお札などの鑑別等を依頼されることもあり、その際に見つかった奇妙な”お札”が四月一日を巻き込み、思わぬ方向へ繋がっていく、といったお話になっている。
・・・なのだけど、DVDではアバンでイキナリ侑子さんと四月一日の別れのシーンの再現で始まり固まってしまった。まさかこのシーンがアニメで見られるとは思っていなかっただけに、ガツンと不意打ちを喰らった感じ(泣)。
そして、漫画でひまわりちゃんは電話でしか登場していないが、同じように電話だけで登場するひまわりちゃん。漫画の方で”電話のみ”の説明がされているだけに、声だけの出演に泣けてくる。(ちなみにこの時点でひまわりちゃんは結婚済み。おそらく百目鬼のような体質の旦那さんなのだろうなぁ)。
極めつけがやはりラスト。四月一日は(簡単に言えば)”狐憑き”の家系の大事を収拾することを依頼され、無事におさめることよって受け取った対価が懐かしい人の声だった、それだけのことなのだけど、侑子さんの願いを叶えるために時を止めて待つことを決めた四月一日だと思うと、たった一言でも報われるってもの。またそのコトバが「ただいま」って!希望の光どころか、もしもを期待してしまうよね?(大川脚本だし)
『xxxHOLiC』の連載は、別冊「少年マガジン」に完全移籍されて、6月から新章がスタートするとのこと。18巻はしばらくお預けになりそうだけど、「夢も強く願えば・・・」を信じて、私も待ちたいと思う。(毎回〆はこればかりだな)。
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