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2010/04/30

『数えずの井戸』(京極夏彦:箸)読了。

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1月25日に刊行され、予約で購入した割に今頃になってようやく読了とは京極ファンを返上しなくちゃなのかもしれないところだけれど、そもそも京極作品はあの厚さがカイカンで、読み終えるのが勿体なく思えて行きつ戻りつチビチビと読み進むのが私のスタイル。(それでも時間が掛かり過ぎなのは(疲れから)寝る前の読書タイムで寝オチしてしまうことが多かったから・・と言い訳しておくcoldsweats01)。
『数えずの井戸』は、京極新解釈”江戸の怪談”のシリーズ3作目であり、お馴染み”番町皿屋敷”をモチーフにした作品。新聞に掲載されていた作品のためからか、章の数がめちゃくちゃ多いのが特徴。その数なんと「23」に及ぶ。よって、いつもどおりブ厚い本だけど、区切りが多くて読みやすいと思う。

しかし、逆を言えばそれだけ場面転換がめまぐるしく、視点がコロコロ変化してしまうので、物事の裏表を感じる分には良いけれど、読者をガーっと引き込んで惹き付けるような盛り上がりには欠けてしまうのが難点と言えそう。(しかしながら、終盤の佳境に入ってしまえばノンストップの一気読みは間違いなしなのでご安心を)。

視点といえば、これだけ多くの登場人物の視点と角度で描かれているのも初めてではないだろうか。それでいて、徳次郎に又市といったお馴染みのキャラクターをポイントで挿入し、最終的に事件の顛末を語らせるところがニクイ演出でたまらないheart01

諸説が飛び交う怪談話であり、それでいて古今東西でほとんど同じ物語が語り継がれていたりもするのが伝承モノの面白いところ。
『数えずの井戸』には、怪談「番町皿屋敷」における菊と播磨の、「真相」とも違う「一つの真実」が描かれている。
出来れば、一度読み終わったら再度”序章”を読み直すことをオススメしたい。何も知らずだた好奇心で諸説を読んだ最初とは異なり、裏舞台を知ってしまった後ともなると別の感慨を持つことになるはず。諸説はどれも正しくてどれも正しくはないと思い、どことなくやりきれない思いが溢れてきた私だったから。

やっぱり京極作品って大好きだ!

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コメント

満足の読み応えでしたね!

濃い〜群像劇に引き込まれました。

又市の動きににんまり。

図書館で借りたんですが,これは久々に欲しいと思える本。
文庫化・・・はだいぶ先になりそう,買っちゃおうかなぁ。。

投稿: AKIRA | 2010/05/01 10:22

■AKIRAさん、こんにちはsun
いつもながらこゆい作品でしたねー(^^)
その上、又市らが登場しているものだから、ぐぐっと身近に感じちゃうし。

京極作品を図書館で・・とは、さすが。
私は読み方の波が激しいので、期間限定だと読まずに返しちゃう可能性大なんで、単行本から買うことが多いです。

京極作品は、単行本→ノベルス→文庫の流れがほとんどだから文庫化までには3年前後掛かりますねー。その都度加筆修正していますしね。
そのこだわりにまたひれ伏すのですが(笑)

投稿: たいむ(管理人) | 2010/05/01 22:42

ご無沙汰です。
書店の平台に上がっていて、その前を行ったり来たりして随分悩んだんですが。(笑)
たいむさんの感想を読んだので、買おうかな、と。

投稿: あかん隊 | 2010/05/02 13:44

■あかん隊さん、こんにちはsun
GW恒例の行事真っ只中です。

未だ平台とは、さすが京極さんというところでしょうか。
京極堂シリーズでも、純粋な又市一味シリーズでもないので、一も二もなく大絶賛とはいきませんが、読みごたえはしっかり京極本です。
新聞掲載作品なだけにハードルは低め。読みやすいと思います。

投稿: たいむ(管理人) | 2010/05/03 22:14

こんばんは~!

>読み終えるのが勿体なく思えて行きつ戻りつチビチビと読み進むのが私のスタイル

その気持ち、超わかります!
わたしも、いっつもそうだもん(笑)

内容が濃いのに、あの厚さですからね。
京極ファンって相当の活字マニアだと思います。

この本はまだ手を出せそうもないです~。
わたしも別物で同じく寝オチしてる状態なんで^^;

投稿: せるふぉん | 2010/05/05 21:59

■せるふぉんさん、こんにちはsun
こちらにもどーもです♪

>その気持ち、超わかります!
うわ~い♪ですよね?ですよね?
読み終えちゃうのが勿体ないですよね?
小難しいから、一気読みでない場合は、時折戻らなくちゃならないというのもあるけれど、それ以前に読み終わるのがイヤというか、何というか(笑)

この本の読書はまだ先とのことですが、折角なのでいつかは必ず読んでくださいね(^^)

投稿: たいむ(管理人) | 2010/05/06 21:09

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