「恋するベーカリー」みた。

なんともまぁ、ややこしいというか厄介な関係になったものだ
『恋するベーカリー』という邦題からは”ラブコメの王道”を彷彿させられ、しかもメリル・ストリープが主演なのに”R-15”指定に？？？だった私。見れば”R-15”も納得な「会話」の横行に笑っちゃうのだけど、いやはや熟年パワー全開！すんごいね
（以下、内容に触れているのでご注意を）。

3人の子供たちの父親で10年前に別れたジェーンの元夫ジェイクは、現在二まわりも違う若妻（しかも浮気相手のコブ付き）と再婚して1児の父。ジェイクの浮気が原因で離婚に至った経緯から気持ちを吹っ切るまでに5年、その後もどことなくモヤモヤしたまま10年が過ぎた・・・というジェーンだった。それがひょんなことから再び肉体関係を持つことになるのだが、あまりの相性の良さにお互いに唖然。ふいに火が付いてしまったやけぼっくい。ジェーンもジェイク「もしかしたらやり直せるんじゃないか？」と錯覚してまう・・・というお話だ。
そう、それは錯覚。かつて愛した人であり、今もこれからも大切な人であることには違いはないけれど、もはやそれ以上でもそれ以下にもならないことを再確認することになった、という結論にたどり着くことになる。
10年という歳月は人が変わるのに十分すぎる時間。それにそれぞれが歩んだ10年間にはそれぞれの生活があり、家族をはじめ、関わったすべての人々の10年間も決して無視できるものではなく、10代の子供ならまだしも60歳を間近にしたいい大人が一時の感情の高ぶりからどうこう出来る話でもないんだよね。
別れるには別れるだけの理由があったことも忘れちゃならないところ。フラ付いたけどちゃんと気が付いて軌道修正できるところが、伊達に歳をとっていないということなのだろう。そんなこんなをやり過ごし、新しい恋の予感が清々しいラストが良かった。

熟年男女の恋模様、濃厚なラブシーンがあるわけでもないのに”R-15”というアケスケな夫婦の話で笑っちゃう物語。（ハッパが登場するところもR-15に絡んでいるか？）
とにかく理屈じゃなく、夫婦の間には夫婦にしか解らないことがあるってホントだよね、って思う映画だった。

総評：★★★++　　　好き度：★★★++　　　オススメ度：★★★++

個人的には調子の良いジェイクみたいな男は願い下げだなぁ