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2010/01/08

DVD「機動戦士ガンダム00 スペシャルエディション II エンド・オブ・ワールド」感想。

00sped2 2nd.シーズンの前半(1-13話)までを纏めた「スペシャルエディションⅡエンド・オブ・ワールド」。いやはや、総集編なのにこれほどまでに気合いを入れて制作されていることに感服。作画に「ん?」と思うところがあるにはあるが、新規カットはバシバシ入っているし補完ネタも満載で単なる総集編ではなくなっているように思う。
「スペエディ I ソレスタルビーイング」は25話を約90分に圧縮した分カナリ駆け足なダイジェスト版になっていたが、今回は13話なだけに濃厚なダイジェスト版といった感じだろうか。増えすぎた登場人物こそ省けないものの、あくまでも”ガンダムマイスター(トレミーチーム)”を中心に据えることに徹したことで、フラフラすることなく上手く纏めることが出来ていたように思った。

刹那の自問自答とアロウズ動向調査に始まり、刹那と沙慈の再会とエクシアリペアでの戦闘、ティエリア(新トレミー)との合流からライルのスカウト&スメラギの復帰、ダブルオー初起動からアレルヤ&マリナの救出作戦に至り、刹那VSブシドーそしてアレルヤによるマリーの奪還、ティエリア女装パーティの後サーシェスとの対峙、トレミーの地球圏脱出とイノベイターの新型登場、アニューによるアロウズの秘密基地強襲作戦からダブルオーライザーにドッキングとGN粒子の奇跡(?)、そしてメメントモリ破壊ミッション完遂までの「戦闘多め・人間模様少なめ」といった配分。戦闘シーンは元々シーズンでも見せ場なところが多い上にかなりの修正が加えられたことで迫力もスピード感もアップ、イイ感じだ。ただし折り返し地点で終わっていることから後味としては高揚感にかけるところはある。

「Ⅰ」では沙慈とルイスのグダグタ漫才がバッサリ削ぎ落されていたこともあり、「Ⅱ」でも軽めの扱いの2人になっている。沙慈が起こした”カタロン基地の悲劇”一連のエピソードはすっぱりカットされ、パーティでのルイスと刹那の再会もカット。2nd.シーズンでは”沙慈の戦い(戦う理由)”も重要視されていたが、そんなことは「どこ吹く風?」という印象。(沙慈はガンダムマイスターじゃないし、ソレスタルビーイングでもないからかもしれないが)。しかしここまで軽くあしらわれては、この先”ダブルオーライザー”での”トランザム(粒子)効果”から2人の間を行き交う葛藤とかすれ違いの深みが全然違ってくるのではないかと思う。その辺りを「Ⅲ」ではどう扱うのかお手並み拝見といった感じだろうか。
また、次々に登場する”イノベイター”たちも、顔と名前と新型MSの披露程度の扱い。ブシドー・サーシェス・コーラといった1st.シーズンの生き残りも、顔見せからガンダムとの手合わせ程度。辛うじてリジェネの露出度は下がっていないようだったけれど、TVシリーズは本当に登場人物が多かったんだなーと改めて思うところだ。
そうそう「Ⅰ」ではカットのみセリフなしで終わったマネキン大佐はようやく活躍。代わりに...ではないが、ネーナとビリーの出番がなかったようだ。同様に”カタロン”も描く余裕はないといった風からクラウス&シーリンの出番もほんの僅か。”カタロン”は辛うじてマリナの絡みがあるから引き渡し時に”第3勢力として”の存在をアピールしていたけれど、あとはまったく活躍もなければ何もないアロウズの”的”で終わったような気がする。(実際シーズンでもほとんど活躍していないのだけど)。

今回は挿入歌(シーズンではOP/ED)の扱いが良かった。刹那の想いに応えるようにダブルオーが起動、敵を圧倒する戦闘シーンでは「儚くも永久のカナシ」で新たなる始動を印象付け、アレルヤ&マリーとスミルノフ大佐でのジンとくるシーンでは「trust you」で情感を醸し出し、メメントモリ破壊ミッションでのガンダム3機連係プレイでは「罠」で場を盛り上げていた。スペエディⅡのエンディングテーマ曲:【Core】/Mille Faceは、「Ⅰ」での【i〔ai〕】ほど印象に残るものではないのがちょっと惜しいところだが、「Ⅲ」に期待したい。

さて残るは「スペエディⅢ リターン・ザ・ワールド」(完結編)を残すのみとなった。最終回では木星がラストカットとなり映画化の告知がされて終わったが、スペエディⅢのラストでは劇場版に繋がるカットが追加されているだろうか?特典では一応「特報」が収録されるとのことだけど、本編にも何かあったら嬉しいよね。

アイが無いためか逆に好印象の「OO」スペエディ。基本シリーズを観ていた人向けとは思うけれど、この感じならば初心者がシリーズに手を出す切っ掛けになるかもしれないと思い直している。

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